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最近、日帰り温浴施設が流行っています。
都内でも、お台場に大規模な温泉施設ができました。
後楽園にもできますね。
私も現在、関東近県で日帰り温泉施設をプロデュースしています。
その関係上、最近たくさん体験しています。
でも、本当にいい施設っていうのは、なかなかないですね。
施設設計において、マーケティング的な視点が欠けているところが多い。
特に、この間鳴り物入りでオープンした東京の施設は、
お金をかけているのに、それがすべて逆効果になっている施設でした。
あれでは、投資したお金が、ものすごくもったいないですよね。
お風呂が貧弱です。
温泉の浴槽はひとつしかないし、真湯を使っている浴槽は塩素のにおいがひどいのです。
露天風呂や足湯のデザインは、お客さまの立場で考えられていない。
初期完成度が低いんですね。
緑が多くなくてはならない場所なのに、空間の設計が中途半端で、しらけてしまう。
だから、なんだか落ち着かなくて、面白くないわけです。
あれでは施設の名前に、完全負けていますよね。
レベル的には、最近の「スーパー銭湯」以下ともいえるでしょう。
またシステムが複雑になっていて、わかりにくい。
浴衣を貸してくれるのはとてもいいサービスですが、その方法が複雑で混乱します。
他にも、オペレーションの複雑さが要因になって、混乱することがたくさんあります。
その複雑さ故に、スタッフの数が多くなっています。
人件費がかかりすぎているのではないでしょうか。
物販店の位置も、売れない位置にあるし、
夜の町を演出しているので、昼間から照度が暗い。
サインもわかりにくいので、迷ってしまう人が多くなると思います。
案の定、館内放送がやたら多いのです。
さらに、予算をケチったのか、スピーカーが安モノなので、
音が悪くて聞いているお客さんは、イライラしてしまう。
温浴施設の最大の目的である「いやし」や「やすらぎ」が得られない施設になっているのです。
だいたい「ワクワク・ドキドキ」という心理と
「いやし・やすらぎ」という心理は、同居しないんですね。
人間の脳はそういうふうにできているんです。
だから、お風呂からあがって、いきなり賑やかな江戸の町があったって、疲れるだけなんです。
休憩するスペースもものすごく少ないしね。完全に企画倒れの施設だと思う。
「非日常の演出」、ということを良く言いますが、それが間違いなんですね。
あまり能力のない企画屋さんが使う言葉です。
「非日常」
ディズニーランドの影響です。
ラーメンや餃子、カレーなどの商品を中心に、「非日常」を演出し、
ストーリー性のある展開をするのは(難易度はかなり高いですが)有効です。
「新横浜ラーメン博物館」「餃子スタジアム」「カレーミュージアム」などは、成功しています。
でも「温浴施設」やショッピングモールなど、リピーターが「命」の施設では、
「非日常」というのは、マイナスなのです。
だってそうでしょう。
「非日常」の場所に、月に何回も足を運ばないのですよ、人間は。
あなたもそうだと思います。
「非日常」は、日常ではないからこそ、しょっちゅう来ないのです。
ディズニーランドに毎日来場する人っていますか?
年間パスポートをもっていても、そんなにいないはずです。
毎日のように、あるいは毎週のように来てもらうのが目的に施設には、
「非日常」というコンセプトは、向いていないんですよ。
おまけにあまりにも入場料が高い。
2700円というのは、どうでしょうか?
お風呂、浴衣とタオル、だいたいこれで1200円がいいところです。
すると、あとの1500円ぶんは、どういう「価値」があるか?
それがあの「江戸の町」だとすると、その価値は300円くらいでしょう。
だったら、入場料はせいぜい高く設定しても1500円が妥当なところだと思います。
もし今のままの金額設定で運営していくと、リピートビジターはほとんど期待できないと思う。
だいたい日本の悪い慣習なのか、
施設を作ればお客が来るという、事業者側の論理がまかり通っています。
「こんなに素晴らしい施設を作ったんだ。
どうだ、こんなに金をかけたんだから入場料が高いのはあたりまえだろ」
というような傲慢な施設が多すぎる。
そういうところは、遅かれ早かれ、破綻してしまいますよね。
「良いモノを安く売れば、お客は買ってくれる」なんて思い、
そんなのはどこの会社もやっていることだとは気づかず、
何も有効なマーケティング努力をしなかったばっかりに、
破綻寸前のどこかのスーパーのようにね。
予告しますが、2年目以降はとても苦労するでしょうね。
いや、もっと早い段階で、入場者が減ると思う。
そうなったときに、どういう対応をするのかが、
件の施設運営会社のスタッフの、頭脳があるかないかにかかっているのです。
がんばってくださいね。
みなさんもどうなるか、冷静に見ていましょう。
ま、他人の施設の欠点をあげて、それを評論するのは、
いがいとカンタンにできるんですよね。
だから、その施設関係者の方々、私が言ったことはあまり気になさらないでください。
でも、私は今実施しているプロジェクトスタッフ全員に、
ここの施設を体験させるようにします。
そして、「決してこうはならないように」と、注意点を指示します。
来年完成予定の、
私がプロデュースする「温浴施設」を、みなさん楽しみにしていてください。
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