品揃えと価格だけの店は、ネットショップに客を奪われる。

店舗を「コト化」すること

今日は、茨城県で37店舗、ホームセンターを展開している大きな企業「山新」さんで社員研修でした。
話して思ったことなんですけど、これからはやっぱり店舗なんかも体験を売るという視点が大事だよな~。
そういうこと。
何度も言っていることですが、これからの時代、成功するために、繁盛するために、モノを売ってはいけません。

「モノ」ではなく「体験」を売るということ。

店舗もモノではなく体験という視点が大事。
言い換えると、行くだけで面白いとか、癒されるとか、店の空間が豪華とか、問題が解決するとか、楽しい店員さんがいるとか。
商品以外の価値です。
モノはどこで買っても同じかもしれない、でも店はやりようによっては、独自の個性がある店になることはできるのです。
モノではなく、何か「コト」を売る。
「モノ」から「コト」への視点です。

小売店は商品を売っているように見えますけど、
ネットショップに負けないように「コト化店舗」になることが大事なんです。
だって、たいていのモノはネットで買えるから。
品揃えや価格だけが価値の店は、ネットショップに淘汰されてしまうんです。
ネットショップに負けない店にしなければなりません。

ネットショップに負けない店舗、それはデジタルではできないことをすることです。
デジタルでは不可能なことです。
リアル店舗は空間があるということで、ネットショップが提供できない価値があります。

たとえば「接客」もそうです。
接客できるってことは、とっても優位です。
インターネットが発達して、なんでもデジタルモノが買える時代、人と人とのふれあいはとっても価値になるからです。

でも今までの接客とは、ちょっと考え方がちがいます。
売り込まないことが大事です。
お客さまをお友達だと思うことです。
お友達には売り込みませんよね。
好き嫌いせずに、みんなと仲良くなることが、「コト化店舗」の接客です。

たとえば、利益ばかり追い求め、なにがなんでも売りつけようとギラギラとした店員がいる店や、感じの悪い店員の店では二度と買いません。
「お客さまが来ない」と言うのではなく、お客さまが来たくなる雰囲気をつくることです
いい商品と、優しい笑顔あふれる居心地のいい店だったら、「また来たい」と思ってもらえるわけです。
「接客」もお客さまの素晴らしい「コト」になるのです。
お友達のようなお客さまを増やしていく。
それがこれからの小売店が繁盛する条件になってくる。

インターネットが提供できないことを、店舗は提供できるのです。

「コト化店舗」で売上が2倍になった!

九州にある、お庭と外構の専門店「グランド工房佐賀店」は楽しい店づくりで成功しています。
店長の脇阪さんが、ボクのセミナーなどで勉強するうちに、お客さまもスタッフも楽しくなる店にしようと、さまざまなことを実施しています。

いたるところにPOPが貼られています。
それが楽しい雰囲気を創り出している。
たとえば、人工芝を展示しているコーナーには、スタッフの顔写真とともに、
「人工芝のリアル感を触ってお試しください 気持ちいい~」
という手書きのPOPがあります。

さらに、庭に続く扉(商品)の展示には、
「自由に扉を開け閉めしてみてください カンタンですよ」
と、お客さまが実際に体験できるようになっている。

お客さまが体験できるように誘導するPOP

お客さまが体験できるように誘導するPOP

店長が自ら、庭でバーベキューをやったり、ピザを焼く楽しさ、お庭にキッチンがある生活がどれだけ豊かなものかということをPOPで発信しています。

ガーデンピザ窯

あるいは、目隠しフェンスがあるとお庭でリラックスできるからお庭にはフェンスがあるとカーテンを開けて生活できます、などと庭のある素敵なライフスタイルを実際に提案しています。

目隠しフェンス

まさに体験型店舗。
お客さまは店内を回っているだけで、楽しい時間を過ごせます。

さらに「庭がある生活っていいな」とか「あ、こうしたら今の庭がもっと素敵な場所になるな」とか、自然に気づいていくようになっているのです。

楽しい店舗は店員さんの存在も大きい。
店員さんは、それぞれ個性的な襷をかけていたりする。
襷には、「何でもきいていください、店長脇阪」とか「お庭のスーパーアドバイザー」など、お客さまが一目でわかるようになっています。
これだと、声をかけやすくなる。

スタッフが襷をかけている

スタッフが襷をかけている

実際にお客さまとスタッフの仲がいい。
店内には「笑顔が集まるお店です」と書かれたコルクボードがあって、お客さまの笑顔の写真がたくさん貼ってあります。
これを見ると、お客さまに愛されているいい店なんだなって、感じるんですね。

お客さまとスタッフが仲がいいのがわかる

お客さまとスタッフが仲がいいのがわかる

「グランド工房佐賀店」の店には、こういう言葉が掲げてあります。
———————————————–
お庭には人を幸せにする力がある。
私たちはそう信じています。
当店はお客様に、お庭での楽しい思い出、体験を販売しています。
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まさに、庭での思い出や体験を販売している店なのです。
楽しい店づくり。楽しくする工夫。
こういう店舗なら、ネットショップに負けません。

楽しい店づくりをしてから、売上はほぼ2倍になったそうです。
まさに「コト化店舗」です。
あなたの店もネットショップに負けないように、コト化店舗を創り出してみましょう。

コト化店舗にするには、「商品」を売っているという発想ではできません。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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