エクスマ(エクスペリエンス・マーケティング)とは?

モノを売るな!体験を売れ!

マーケティングコンサルタントの藤村正宏です。

エクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)とは、僕が20年以上前から提唱している「モノ」ではなく「体験」を売る視点のマーケティング手法のことです。

ちょっと長いので、通称「エクスマ」と呼ばれています。

モノではなく体験を売れという言葉が頭に閃いたのは、1998年のクリスマスイブでした。
銀座カルティエのブティックの前で喧嘩をしていた若い恋人たち。

彼らの会話を聞いているうちに、これからの時代は「モノを売るな!体験を売れ!」だということに気がついたのです

僕のInstagramにその事件のことを書いていますので、以下から見てください。

 
 
 
 
 
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もう、モノは売れない。 ぼくは1998年からそう思ってエクスマを提唱してきました。 そもそも、エクスマって何? エクスマとは、エクスペリエンス・マーケティングの略語。 「モノではなく体験を売る」という考え方です。 今日はエクスマのきっかけとなった話です。 ※写真は2005年頃に銀座カルティエの前で撮ったものです。46歳頃。若い(笑) エクスマのはじまりは、ある出来事がきっかけでした。それは、1998年12月24日に起こった「銀座カルティエ事件」 クリスマスイブの夜、銀座を歩いていたボクの耳に、ある言葉が飛び込んできました。
「どこで買っても同じジャン!」 このセリフ、イライラした若い男性から発せられたものでした。
若いカップルが言い争いをしています。 「ここじゃなきゃダメなのぉ~」
「別にここじゃなくてもいいジャン。同じモノなんだからさ」
「ちがうのぉ~」 ボクは興味をもち、立ち止まってショーウィンドウを見るふりをしながら聞き耳をたてました。
どうやら彼は、彼女にカルティエの「タンク・フランセーズ」という時計を、クリスマスプレゼントに買ってあげる約束をしていたようなのです。 タンク・フランセーズというのは有名な時計です。
美しく、知的でシンプルなデザイン。
お洒落で、さりげなく存在感を主張していて、持っている人のセンス良いライフスタイルを表しているようなモノです。
定価は当時、29万円。
カルティエ史上に残る、名品です。
 そんな時計を、よりによってこの若い男は、知性などという言葉は辞書にはもっていない、どう考えても似合わない茶髪にガングロの若い娘に買ってやろうとしているのです。 このカップルは何を言い争いしていたのでしょう。
要は、男のほうがディスカウントチェーンで、定価よりも7万5千円安い同じ時計を見つけてきたようなのです。 「7万5千円あれば、一緒に温泉旅行にだって行けるジャン」
「いやなのぉ~」 話がかみ合いません。
彼は彼女の欲しがっていた時計を、ディスカウントチェーンで買えば、カルティエで買うより7万5千円浮く、その浮いたお金で、一緒に温泉旅行に行こうと言っているのです。
でも彼女はひきません。 「だってそんなところで買ってもらったなんて、お友達に言えないよぉ」
「何言ってんだよ。同じモノなんだから、安く買ったほうが得ジャン!」
もうかなりイライラしています
彼女「ちがうのぉ~」 あーあー、とうとう泣かせちゃった。 彼は何故彼女がカルティエブティックにこだわるのか、まったくわかっていませんでした。
彼女も、自分がどうしてディスカウントストアで買ってもらった時計が嫌なのか説明できません。
とうとう彼らは最後までかみ合いません。
女の子は泣き出すわ、男はイライラするわ、きっとあの後すぐに別れてしまっているでしょうね。 ボクはそのとき、ものすごい教訓を得たのです。
まさに「エクスペリエンス・マーケティング」が誕生した記念すべき瞬間です。 「こういう男性ばかりだからモノが売れない!」 ということです。
え? わかりませんか?
では質問です。
彼女は本当にタンク・フランセーズが欲しかったのでしょうか? ま、確かに欲しいでしょう。しかし正確に言うと彼女は、 「カルティエのタンク・フランセーズという「モノ」としての時計が欲しかったのではなく、クリスマスイブに、彼と一緒にカルティエブティックに行って、ゴージャスな雰囲気の店内で、女性店員がうやうやしく接客してくれ、白手袋でケースの中から出してくれたタンク・フランセーズを買うという、「体験」が欲しかった」 ということです。 もっと単純に言うと、彼女は一見「時計」が欲しいように見えますが、実はそうではなく、ある種の「体験」が欲しかったということです。 
そうです、この「体験」が欲しいということを理解できないと、モノが売れないのです。
世の中の多くの企業やショップ、レストランなどが、このカップルの男性のように、彼女の本当に欲しいものがわかっていないのです。 だからモノが売れないって話です。 女性にモテる男性というのは、こういうところの感覚が、意識するしないに拘わらず、上手なんですよね。
恋が上手な男性は、ちょっと視点を変えると、優れたマーケッターになれると思うんですよ。 
この出来事をきっかけに、さまざまな施設で体験を売る視点を取り入れ、それらの事例をまとめて、2001年8月15日、「モノ」を売るな!「体験」を売れ!を出版。10年間で20刷のロングセラー書籍となりました。 もうこの本は絶版ですが、その後、改訂版の「やっぱり!『モノ』を売るな!『体験』を売れ!」を出版しています。 今でこそ、「体験」を売れと多くの方が口にするようになりましたが、20年前は、まだまだ良いモノを作れば売れた時代ですから、こんなことを言っている人はいなかった。 決して自慢しているわけではありません。 モノ余りの時代、より豊かな生活を手に入れたいと願う人たちにとって、この視点はますます重要になってきたからだと思うのです。 #エクスマ #藤村正宏 #モノを売るな体験を売れ #ビジネスの気づき#マーケティング#気づき#エクスマ#店舗#施設#集客#集客術

エクスマ(@exma001)がシェアした投稿 –

その銀座カルティエ事件のことを語っている、動画もあります。

 

世の中が変わったからマーケティングの考え方も変えよう!

誰もが、今、時代が変わったことを実感していることでしょう。

まさか戦争が起きるなんて
まさか感染病が流行るなんて
まさかインフレになるなんて

想定外のことが次々と起きる、先の予測ができない時代になっています。
でも僕たちはそういう環境でビジネスをしていかなければならないのです。

激変と言ってもいい時代に、今までのようなマーケティングをしていたら時代に取り残されてしまいます。
人々の考え方や行動が変わったのでです。

今の生活者はスマホとSNSを駆使して、web上で、たくさんの人から情報を受け取り、また自分で発信し、さかんにコミュニケーションが行われている。

そして多くの人々は、ごく近しい人の情報をもとに、行動しています。
企業からの一方的な情報はあまり見られなくなります。

そして、企業のふるまいも、見えるようになりました。
隠せなくなったってことです。

利己的な企業は、これから受け入れられなくなるでしょう。
自分の利益ばかり目指して、自分の商品ばかり勧める、顧客獲得やマーケットシェア、経営戦略などということばかりに注力する、従来型の企業は嫌われるということ。
企業マインドを大変革させなければ、淘汰される時代になる。
そういうことです。

マーケティングや営業だってそうです。
競合他社を「敵」とみなし、お客さまを「落とす」対象にしている狩猟型のマーケティングは、うまくいかなくなってきている。
今までのマーケティングの手法はもう、通用しなくなるってこと。

そんな先行きが不透明で解像度の悪い時代に、ビジネスの羅針盤になるマーケティング。
それがエクスマなのです。

●モノを売るのではなく、体験を売る
●関係性〜つながりの経済
●「個」を出す
●世の中に仕合わせを創り出し、結果利益を得る
●あなたの天命とは

エクスマの基本構造はこんな感じです。

企業は利益を出さなければ、存在意味がありません。
だからしっかりと利益をだすことです。
でも、それを目標に掲げると失敗するのです。
順番が逆ってこと。

まずあなたのお客さま、あなたの周りの人たち、そして社会に「仕合わせ」を創り出す。
そして、結果的に利益になること。
昔からの商売の基本です。

エクスマの基本的な考え方

モノやサービスが欲しい人はほとんどいない
もうモノは余っています。
誰もモノは欲しくない。
だからモノやサービスを売っていると、売れないのは当たり前です。
だって、お客さまは「モノ」ではなく、「体験」が欲しいのです。

まずは、あなたのビジネスや、商品、サービスを次のように置き換えて
お客さまに提供できる価値について考えてみてください。

1:お客さまはあなたの商品は欲しくない
2:○○、したいのだ
3:それによって、□□な体験や△△な生活を手に入れたいのだ

○や□や△に、何が入りましたか?
「モノ」ではなく、「体験」を売るためには、
これまでの常識にとらわれず、視点を変えることが重要です。
視点を変えるだけですから、誰でも今すぐできます。

ん~、でもどうやって視点を変えたらいいのかわからないなぁ・・・
という方は、今日からエクスマを勉強してくださいね(笑)

このブログでは、あなたのビジネスを成功に導く考え方と、具体的な方法を紹介しています。
読み逃しのないよう、ぜひ読者登録してくださいね。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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