安売りするな!「価値」を売れ! 値引きはカップラーメンのお湯みたいなもの 

その効果は短命

値引きは、カップラーメンのお湯みたいなものです。
お湯を注げば、すぐに熱くなって食べられるようになります。
でも、その熱さは長くは続きません。
しばらく放っておけば、すぐにぬるくなってしまう。

ビジネスで値引きは確かに即効性があります。
「期間限定○%OFF!」と打ち出せば、一時的にお客さんは集まります。
でも、その効果は短命です。
セールが終われば、また元の客足に戻ることがほとんどです。
お湯が冷めたカップラーメンのように、魅力は急速に薄れてしまいます。

さらに、値引きを繰り返すと、お客さんは「次も安くなるまで待とう」と考えるようになります。
これは、毎回お湯を足さないと食べられないラーメンを作ってしまうようなもの。
値引きという熱源に依存すればするほど、通常価格での魅力を感じてもらえなくなるのです。

では、どうすればいいのか。
カップラーメンを例に考えてみましょう。
お湯を注ぐだけではなく、具材を足したり、器を工夫したり、食べるシーンを演出する。
たとえば、自宅でお気に入りの音楽をかけながら食べるだけで、その時間はちょっとした特別な体験になります。

商売も同じです。
価格を下げる代わりに、体験価値を上げる。

「この店で買うと気持ちが上がる」
「この人から買うと元気が出る」

そんな印象が残れば、お客さんは値段ではなく関係性で選んでくれます。

値引きはあくまで一時的なスパイス。
それに頼りすぎず、お客さんの心を温める別の方法を用意すること。
そうすれば、ラーメンが冷めても、美味しさと満足感は消えません。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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