大晦日の思い出

マンションの中庭に咲いていた
子どもの頃、大晦日には、毎年、「今年最後のプレゼント」を親に買ってもらった。
ぼくも、6歳離れた弟も。
欲しかったものをなんでも買ってもらえた。
だから「大晦日」って、クリスマスより好きだった。
大晦日は、母も父も、なぜか機嫌が良かった。
この日はいたずらしても、絶対に親に怒られない。
家の中は、両親が笑顔で、しあわせを絵に描いたような雰囲気だった。
もちろん古い記憶だから、写真のように正確じゃないし、もしかしたら、少し脚色もされているかも知れない。
でも、何度も思い出してきたからこそ、心の中では、ちゃんと手触りを持って残っている。
年の瀬のデパートの匂い。
少し混んでいて、少し浮き足立った空気。
「どれにする?」と聞かれたときの、胸がドキドキする感じ。
何を買ってもらったかは曖昧なのに、「選ばせてもらった」あの時間だけは、不思議と消えない。
夜になると、食卓が一気ににぎやかになる。
北海道では、お正月を通していちばんのご馳走が、大晦日の夜に並ぶ。
たぶん、今でもそうだと思う。
一羽まるごとのローストチキン。
お寿司やお刺身。
とんかつ。
ハタハタや、鮭の飯寿司。
そして年越し蕎麦・・・
仲がいい近所の家族や、親戚が加わることもあった。
テレビでは紅白歌合戦が流れていて、大人たちは少しだけ声が大きくなって、子どもたちは、眠いのに寝たくなくて。
大晦日って、「一年が終わる日」だったけど、それ以上に、「家族がそろって、安心する日」だった気がする。
子どもの頃の大晦日の思い出をたどると、心があったかくなる。
東京に来て、もう30年以上たつ。
今は、大晦日にご馳走が並ぶことはない。
普通に夕食と年越し蕎麦。
もう、それが普通になった。
ここ数年、年の変わり目は、小説を読んで過ごすことが多い。
池波正太郎の時代小説
川端康成の「雪国」
夏目漱石の「夢十夜」
小池真理子の小説
海外のハードボイルドミステリー
今年は何を読もうかなと考えている。
そして、小説を読んでいる途中、新年になる少し前くらいに。
「今年もなんとかやってこれたな・・・」
って思う。
振り返ると、いろいろなことがあった。
楽しいことや、悲しいこと、初めて経験したこともあった。
仕事のことも、健康のことも、年齢を重ねるってことも、プライベートな色々なことも。
ギリギリのところでやってきたって感じ。
大晦日の夜になると、毎年、そんな感慨に耽る。
そして、
「ま、なんとかなったから、いいか」
って、心の中でつぶやく。
今年も、今日で終わります。
いろいろあったけれど、こうして静かに一年を撫でる時間があるのは、悪くないな、と思います。
つながってくれて、ありがとう。
ぼくのブログを読んでくださった、あなた。
本当にありがとうございます。
来年も、ブログ、更新していこうと思っています。
応援してくれたら、嬉しいです!
あなたにありがとうです!
良いお年をお迎えくださいね!
藤村 正宏
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