御菓子御殿の「紅いもタルト」が元祖だということをどう発信しているか

年間3000万個売れている沖縄みやげ

ゴールデンウィークがはじまりましたね。

旅行に行く方もたくさんいるでしょう。
楽しんでくださいね。

旅行で沖縄に行く方、沖縄のお土産で「御菓子御殿」という店が売っている「紅いもタルト」っていうお菓子があります。
とっても美味しい沖縄のお菓子です。
もし見かけたら、食べてみてね。

このお土産は、年間250万箱売れています。
一個一個数えると3000万個以上売れているんです。
沖縄に本土から行く観光客は年間どのくらいか知っていますか?
580万人です。
250万箱売れているということは、だいたい2人に1箱買っている計算になる。

那覇空港に行くと、「御菓子御殿」という黄色い紙袋をもった観光客がたくさん目立つくらい。
紅いもタルトの製造元で、御菓子御殿を展開している「株式会社お菓子のポルシェ」がボクの以前のクライアントです。

紅いもというのは沖縄の読谷村の名産です。
この名産品を使ったお菓子ができないかと、この会社の女性社長さんが苦労の末、つくり出した商品です。

発売してすぐ、爆発的に売れました。
ところが半年もすると、紅いもタルトの類似品が次々と出てきてしまった。
オリジナルは、材料の紅いもにこだわり、混ぜ物など極力排して美味しい。
美味しくて、質の高いお菓子をつくっていたら、お客さまにはちがいがわかって、オリジナルを買ってくれる。
そう信じていました。
でもね、お客さまはそれだけじゃわからなかった。

商品の差だけで頑張るというのは、やっぱり難しいんですよ。
真似される可能性が高い。
売れると思ったらすぐに真似されます。
いま現在、「紅いもタルト」という名前で売られているお菓子は、沖縄に18種類あります。
元祖は御菓子御殿のものです。

「紅いもタルト」が有名になればなるほど、ほかの類似品がオリジナルだと思われるようになった。
お客さまには味のちがいがあまりわからなかったわけです。
他の商品だって、美味しいわけですから。

「元祖」だということをどう伝えるか?

そこで、他とはちがうことは何かと考えました。
オリジナルの開発者だから、他には絶対に真似できないことがあるわけです。
例えば開発物語や社長の想いなど。
モノではなく体験を売る発想の独自の伝え方が必要だから、ともかく情報発信することにした。
開発物語。
社長の沖縄や読谷村に対する熱い思い。
会社のお菓子に対する哲学。

商品や味は真似できますが、これは真似できません。
それを機会あるごとに発信していったのです。

沖縄の観光スポットを紹介

沖縄の観光スポットを紹介

たとえば、社長は沖縄のことが大好きで、多くの人に沖縄をもっともっと好きになってもらいたいと思っている。
そういう発信をたくさんしていくことで、社長や会社の思いを伝えようと、さまざまな自社のメディアで発信しました。
その中のひとつが、商品に入れるしおり。
携帯電話ぐらいのサイズに蛇腹で折りたたんでいるしおりです。
今度沖縄に来たときには、ぜひ、ガイドブックにはあまり載っていないこのあたりを観光してください、という感じで紹介しています。
「紅いもタルト」はお土産として買って本土に戻るわけです。
食べたときに沖縄のことをまた思い出してもらいたい、という意図で情報を発信しているんです。

検索をしてもらえるよう、わかりやすくした

検索をしてもらえるよう、わかりやすくした

今までは、お菓子の箱の中にしおりはまったく入れていなかった。
もったいないなと思った。
沖縄観光の情報がメインのコンテンツになっていますけど、しおりの最後に「御菓子御殿 検索」として、「オンラインショップ 時間を選ばずいつでもご注文」と書いた。
それだけで、ネットショップの売り上げが218%にアップしたんです。
ネットショップでそれまでも売れていたんです。
美味しいと思った人が、自分で探して買ってくれていた。
それをもっとわかりやすくしただけで、ネットショップの売上が倍以上になった。
こんな感じて、商品のパッケージ、商品の中に入っているしおり、オリジナルの小冊子、そしてホームページやメルマガ。
沖縄の情報を発信することで、オリジナルだということが伝わり出したわけです。

味や材料へのこだわりだけでは価値は伝わりません。
商品やサービスのスペックをいくらいっても、独自の価値は伝わらないのです。

もし連休中に沖縄に行く人がいたら、御菓子御殿の「紅いもタルト」。
見てみてね。

 

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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