なかなか売れない時代、販促物も「関係性」という視点が重要。

たった一枚のブラックボードで売上が劇的なアップ

3年ほど前のことです。
ボクの塾に、小樽のお寿司屋さんの経営者がやってきました。
ここのところ、5年くらい売上が横ばい状態だといいます。
「お金も手間もかけて、いろいろやっているんですけどね」

「おたる政寿司」三代目経営者、中村さんです。
このお寿司屋さんは有名なお店です。
二代目のお父様が、小樽の寿司屋通りを発案した最初のメンバーのひとりで、小樽の寿司文化の担い手。
現在は東京の銀座や新宿の有名百貨店にも店があります。
全国の有名百貨店で実施する「北海道物産展」にもしょっちゅう呼ばれる店です。
ネタにこだわっています。
天然の本マグロしか置いてないし、北海道で一日に数本しかとれないボタンえびなんかもある。

「おたる政寿司」の本店の入り口の写真を見たら、格式の高そうなしつらえ。
とっても敷居が高そうに見えた。
初めての観光客にとっては、入りにくい感じだった。
そのことを伝えると中村さんは、「そんなことないんですけどね~」と意外な表情。
敷居を高くしているつもりはないということ。
でも、とっても高く感じるのです。

「ホームセンターでブラックボードを買ってきて、それを店頭に置きましょう」
とアドバイスしました。
「そのボードに『政寿司は敷居が高そうに見えるけど、低いんです。お気軽にお入りください』って、書けばいいんですよ。そして、中村さんの笑顔の写真もそのボードにつけましょう」
「そんなことで・・・売上が上がるのですか?」

中村さんは半信半疑だったそうです。
でも、とりあえずやってみた。
それまでは、店頭に価格帯やメニューがわかるように、写真と価格を付けた看板を置いていました。
そこに、手書きのブラックボードを設置しました。

「こんにちは! 本店店長の中村です。
先日お客様に『政寿司って敷居高くて入りづらいね』って言われて凹んじゃいました。
実際はそんな感じじゃなく、あったかい気持ちになれる店づくりをしてるんです! 
お気軽にご来店下さい」

敷居を低くするために黒板を設置

敷居を低くするために黒板を設置

そして、顔写真もつけました。
ニコニコした中村さんの写真。
こう書いています。

「店長の中村です。(政寿司三代目)
寿司の事をどんな事でも気軽に話しかけて下さい。
ご来店お待ちしてます」

ニコニコした店長の写真も重要

ニコニコした店長の写真も重要

ダメもとで置いてみた。
そうすると……いきなり集客が増えてしまった。
「外の黒板を見たんですけど」というお客様もかなり増えてきた。
ちょっとしたことで、劇的に客数と売上が増えた。

人々との関係性が大切な時代です。
販促物も「関係性」という視点から見ていくことが大事。
カンタンに言うと、この黒板が、関係性が深い販促物になったってことです。

この黒板がうまくいった理由

黒板が目立った。
手書きでおまけに中村さんの写真が飛び出ている。
カチッとした老舗らしい構えの店頭に、これがあると、かなり目立つ。

関係性が深い。
手書きっていうのは、それだけで関係性が深い。
親しみやすいってこと。
ニコニコした中村店長の写真。
これで怖い顔をした写真だと、逆効果になることもあります。
誰が言っているかわからないメッセージは届きにくいしね。

文章がお客さまとの「対話」になっている。
「お気軽にご来店下さい」とか「寿司の事をどんな事でも気軽に話しかけて下さい」とか、対話になっていますよね。

ターゲットは小樽に観光にきた観光客です。
そういう人にとってみたら、お寿司は食べたいけど、どの店がいいかわからない。
そんなときに、こうい黒板があったら、その店を選ぶ人も多いはずです。

そういうところがうまくいった要因だと思うんです。

ブラックボード(黒板)一枚だけで、集客が増えて売上が上がる。
でも、ただブラックボードを店頭に出せばいいってもんじゃない。
よくあるようなメニューだけしか書いていないボードでは効果はありません。
「ランチ 握り980円」とか「まぐろ丼850円」では響かない。

中村さん、後に、ボクにこう言いました。

「年間一千万円も使って、いろいろとやって、売上が上がらなかったのに、たったこれだけで集客して売上があがるなんて、信じられませんでした。
だって、経費はわずか8千円くらいですから」

【おたる政寿司3代目、中村圭助のブログ】

このように、ちょっとした視点の持ち方、視点を変えて販促することで、意外とカンタンに売上が上がるんです。
みんな常識に縛られているだけです。
世の中の変化に気づいていないのか、あるいは気づいていても対応ができないのか。
世の中の変化に対応した販促をやらなけらばならないのです。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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