短所を最初に言うと信頼される 〜青汁のCMは衝撃的だった

あらかじめ情報を伝えるという文化

日本には昔から、あらかじめ言っておくという、素晴らしい文化があります。

たとえば、誰かの家に訪れるときに、お土産をもっていくとします。
お渡しするときに、「つまらないものですけど」と、あらかじめ言っておくと、本当につまらないものでもクレームにはならないわけです(笑)。

最近では少なくなっていますが、昔は「お見合い」という習慣がありました。
年ごろになった若者同士を、世話好きなおばさんとかが、出会わせて、結婚を前提におつきあいして、その後結婚するという習慣。
昔はけっこうこういう結婚が多かった。
当然、お見合いの日まで二人は会わないのですが、やっぱりここでも「あらかじめ」文化がありました。
あらかじめ、世話好きのおばさんとか、仲人になる人が、写真を相手に届けるわけです。
年ごろの娘さんは、あらかじめ写真を見ているから、当日「この人嫌ぁ〜〜」というクレームはなくなるわけです(笑)。

あらかじめ情報を届けると、クレームは減ります。
クレームというのは、大方、自分の思う通りにならないから起きる。
みんな期待していて、それに応えてくれないから、クレームになるのケースが多い。
だから、期待させないように、最初から「情報」を知らせておくといいわけです。
詳しくは、ボクが書いた以前のブログを読んでください。
↓ ↓ ↓
【クレームは情報不足から生じる】

青汁のCMは革命的だった

まずいのが当たり前だったけど最近のは美味しい

まずいのが当たり前だったけど最近のは美味しい

今でこそ「青汁」という商品は市民権を得ていますが、最初に登場した時には衝撃でした。
TV-CMで「まずい!」って言ったわけです。

おじさんの俳優が、青汁をごくごく飲んで、最後に

「まずい!」
「もう一杯!」

そう締めるCMでした。

自分の食品を「まずい!」っていうのはすごかった。
食品のCMで、まずいっていうのはタブーです。
あえてそれを全面に押し出した。
健康食品だから言えたということもありますが、かなりのインパクトでした。

一躍「青汁」が認知された瞬間です。

この青汁を飲んで「まずい」っていうクレームは、絶対になかったはずです。
だって、あらかじめ、美味しくないですよ、って言っているわけですから。

まずいというのは短所ですが、それを長所にした、素晴らしい広告です。
もちろん、常識破りのCMだったのですが、これはもう一つ、実に巧みなシナリオが隠されていました。
冒頭にデメリットを言うことで、その後に言うことがすべて真実に感じられるという、人間心理を考え抜いたシナリオです。

だいたい、短所やデメリットを冒頭に言ってしまえば、その後の長所は「すべて本当だろうな」と思ってもらえるのです。
他にもありますよね。

「少しお値段は高いですが、一生使えるものですよ」
「サイズが通常より大きいですが、機能をすべて入れることができたのです」
「少々音が大きいのですけど、それだけパワーがあるのです」
「経験はまだ浅いですが、だからこそ業界の常識に縛られない提案ができます」

短所やデメリットなどのマイナスの要素を最初に述べ、その後長所をいうと、信頼される。
これは商品でも人間でも、同じです。
だから、短所は隠さないで、利用できないかと考えてみることが大事なんです。

そのほうが楽しいしね。

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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