現代、すべてのビジネスには、ゆるやかな関係性が必要なんだな

どうしてはなぶさ旅館を利用するのか

伊豆長岡温泉で研修中。
今月2回目の「はなぶさ旅館」です。
今月末にまた研修で来るから、11月は3回この旅館を利用することになる。

研修中の様子

研修中の様子

どうして何度もはなぶさ旅館を利用するのか?
たしかに、エクスマの研修や会社の研修に使いやすいから、使っているというのもある。
温泉がいいから、料理が美味しいから、宿泊する部屋が落ち着くから、会議室にWiFiが完備しているから、サービスがいいから、使っているというのもある。
何度も使っているうちに、慣れてきた。
気兼ねなく、快適に使える。
そういうこともある。

そんな様々なことがあるけど、一番の理由は、ここの社長さんが昔からのエクスマ塾生だからっていうこと。
関係性が深いってことです。

関係性は一朝一夕ではできない

関係性というのは、これからのキーワードになります。

しかしながら、関係性は一朝一夕ではできませ。
会ったその日に関係性はなかなか築けません。
長いこと一緒にいたり、長いこと情報を共有したりすることによって、関係性というものはできていきます。

会ったその日に「結婚しよう」といわれても、普通しないですよね?
「旦那さんいませんか? ボクと結婚しませんか?」って、会っていきなり口説かれても、結婚しません。
でも、一年ぐらい、一緒にご飯を食べたり遊んだりして、いろいろな価値観が共有できたり、いろいろなことが共感できたりしたら、結婚までいくかもしれない。
これと一緒で、商品を買ってもらうまで、お客様との間に関係性を築いていかなくてはならないのです。

たくさんの情報があふれ、たくさんの商品やサービスがあふれ、選択肢がたくさんある。
選ぶのに時間がかかるわけです。
さらに、いろいろな環境の変化。
たとえば経済的な影響などで、お客さまも買うことに慎重になっている。
もっと言えば、そもそも物欲っていうのが、以前に比べると薄くなっている。

今の時代、以前に比べると売れるのに時間のかかる時代になった。

スーパーで売っている卵やトイレットペーパーのように、日々消費される商品やお正月の鏡もちのように、年末になるとみんなが買う商品でない限り、人によって商品の購入機会というのはそれぞれです。
たとえば、洗濯機。新しい製品が出れば買うという人は少ないでしょう。おそらく、壊れたら買うという人が多いと思います。人それぞれ違う購入機会に「あのお店があったね」と思い出してもらうように、常に知り合いになっておくということ。

そして、一度買ったもらったお客さまに、何度も買ってもらう。
それも大事なことです。
リピートしてもらうためにも、購入後もゆるやかに関係性をもちつづけることが重要なのです。

そう言うと、今までやっていなかったのに、頻繁にお客さまのところに通い詰めて、無理やり性急に関係を作り出そうとしたり、売り込みばっかりのDMをしつこく送りつけたり、ネット通販で購入したお客さまに、売り込みのメールマガジンを無闇に送ったり、割引のクーポンの携帯メルマガを登録してくれた人に毎日売り込みメールを配信したり、早急に売上が欲しいからすぐにそういう行動をする会社があります。
そういうことは逆効果です。
それはいきなり「結婚しよう」と言っているようなものです。

コンタクトをとるといっても、売り込みにならないようにすることです。

いかにもダイレクトメールらしいダイレクトメールは、読まずに捨てられます。
それは売り込みだからです。
あなたの友達から久しぶりに連絡がきたと思ったら、売り込みの連絡でした。
毎回、毎回、そんな売り込みばかりしてくる友達とは、会いたくないですよね。
お客さまとの関係も、それと同じことなのです。

だから、ニューズレターやお手紙を出すことを心がけることです。
売り込みではなく情報を出せば、関係性が築けます。

ひと目で売込みってわかるDMは捨てられる

ダイレクトメールらしいダイレクトメールってどういうものかというと、商品の紹介ばかりしている、あなたの家にもよく来る典型的なDMです。
デザインされてきれいな印刷だったとしても、売り込みばかりだと嫌われてしまう。

うちの商品こんなにいい商品だよ。
金額は○○円だよ。
買えよ~、と言っているDM。

そういうDMを出すくらいならよ、ハガキを使ってお手紙を書いたほうが断然いいのです。
たとえばこんな感じです。

○○様
この度ははなぶさ旅館をご利用頂き心より御礼申し上げます。
とび級ステーキのお食事と温泉はいかがでございましたか。
またのお越しをお待ち申し上げております。
今後ともよろしくお願い致します。
時節柄ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。

平成〇〇年一月吉日   ルーム係 敏江

これは「はなぶさ旅館」のお手紙です。
小さい旅館なので、仲居さんが自分の担当したお客さまがチェックアウトしたあとに手書きでハガキを書いています。
それを丹念に続けていった。
そうしたら、どういうことが起こったかというと……
はなぶさ旅館の全体のリピート率が、27%から48%にアップしました。
そして続けることで毎年リピート率が高くなっています。

はなぶさ旅館のありがとうのお手紙

はなぶさ旅館のありがとうのお手紙

はなぶさ旅館のある伊豆長岡温泉は瀕死の重症のような温泉地です。
ついこのあいだも、2軒の旅館が廃業しました。
1年間で、44軒あったホテルや旅館が34軒になってしまったほどです。
ものすごいダンピングで、安くなっています。
でも、この「はなぶさ旅館」は安くしていません。
適正価格で、かつ、お客さまも結構来ています。

塾生の社長と話をしたら、「うちはリピーターでもっています。リピート客はちゃんと来てくれます」ということでした。

景気が悪くなったり、不況になった場合、リピーターが助けてくれる。
売上の下支えをしてくれるのです。
だから、今の時代は関係性が大事なんですね。
できたら個人個人の、顔の見えるお客さまと関係を築くことが重要なんです。

焦らず、急がず、関係性を作り出す時代です。
ゆるやかな関係性です。
これから繁盛するために、繁栄するために「関係性」という視点ですべてのことを考えてみましょう。

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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