
AI時代「自分の頭で考えろ」に違和感を覚えた
最近、いろんなところでこんな言葉を聞きます。
「AI時代こそ、自分の頭で考えることが大事だ」
たしかにそう聞くと、なんとなく正しい気がします。
でも、最近ボクはこの言葉に少し違和感を持つようになった。
「それって本当かな?」
なぜかというと――
自分の頭だけで考えても、そんなにすごいことって思いつかないからです。
人は一人で考えると、だいたい同じことを考える
ボクたちはよく「自分の頭で考えろ」と言われます。
でも実際には、人間が一人で考えると、だいたい同じところをぐるぐる回る。
過去の経験
知っている知識
自分の常識
その範囲の中でしか、思考は動きません。
だから、自分の頭だけで考えても、そんなに面白い発想は出てこない。
これは別に能力の問題じゃないんです。
人間の思考の構造がそうなっているから。
新しい発想は「他人の思考」に触れたときに生まれる
じゃあ、いつ面白い発想が生まれるのか。
それは、だいたいこんな瞬間です。
本を読んだとき。
誰かの話を聞いたとき。
いい文章に出会ったとき。
面白いSNS投稿を見たとき。
そのとき、頭の中でこんなことが起きます。
「なるほど…この人はこう考えるのか」
そして次に、こう思う。
「じゃあ、自分だったらどうかな?」
この瞬間に、初めて新しい思考が生まれる。
人間の発想は他人の思考との出会いから生まれるのです。
完全なオリジナルなんて存在しない
だからボクは、こんなこともよく思います。
いい文章を見つけたら、真似してみる。
いいSNS投稿を見たら、構造を真似してみる。
これって、実はとても自然なことです。
歴史に名を残すような「偉大な創造」でさえ、実は誰かの思考の「編集」だったりします。
たとえば、現代アートの巨匠、マルセル・デュシャン。
彼の代表作「泉」は、既製品の男性用便器にサインをして展覧会に出品しただけのものでした。
彼は便器をゼロから作ったわけではありません。
すでにあるものを「選び取り、文脈を変えた」だけで、アートの歴史を根本から覆してしまったのです。
ビジネスの世界でも同じです。
スティーブ・ジョブズが残した伝説的な言葉、
「Stay Hungry, Stay Foolish」
実はこれも、ジョブズのオリジナルではありません。
思想家バックミンスター・フラーの哲学に影響を受けた雑誌(ホール・アース・カタログ)に書かれていた言葉です。
ジョブズはその言葉に出会い、選び取り、自分の文脈に置いて世界に発信することで、あの名言へと「編集」したのです。
最初から完全なオリジナルなんて、ほとんど存在しない。
まず真似る。選び取る。
すると少しずれる。
そのズレが、やがて自分のスタイルになる。
AIは「思考の図書館」になった
ここでAIが面白い存在になります。
AIは、ただの検索ツールではありません。
ボクは最近、こう思っています。
AIは「思考の図書館」だ。
哲学者の考え
作家の発想
経営者の視点
クリエイターのアイデア
いろんな思考に手軽に触れることができる。
つまりAIは思考する道具ではなく思考に触れる装置なのです。
AI時代に必要なのは「考える力」じゃない
だから、もしかするとAI時代に大切なのは、こういうことかもしれません。
自分の頭で必死に考えることではなく面白い思考に触れること。
そして
「自分ならどうかな?」
と問いを持つこと。
それだけで、思考は自然に動き始めます。
人間の役割は「編集」になる
AIはたくさんのアイデアを出してくれます。
でも最後に必要なのは
選ぶこと
組み合わせること
面白がること
です。
デュシャンが便器を選んだように。
ジョブズがフラー由来の言葉を選んだように。
つまりこれからの時代、人間の役割は思考する人ではなく
編集する人になるののです。
AI時代の創造
ボクは最近、こんなふうに思っています。
人間は一人で考えるとだいたい同じことしか思いつかない。
でも誰かの思考に触れると世界の見え方が変わる。
そしてそのとき新しい考えが生まれる。
AIは、世界中の思考と会話できる装置です。
だからAI時代とは、もしかすると人間が一人で考える時代ではなく人類の思考と対話する時代なのかもしれません。
追伸:人間同士の「対話」も、まだまだ面白いです。
AIという「思考の図書館」との対話も素晴らしいですが、同じ空間に集まった人間同士の熱量や、予測不能な雑談から生まれる「ズレ」も、やっぱり捨てがたい。
来たる3月11日(水)、まさにこの「AI時代の思考と編集」をテーマにしたトークセッションをリアル開催します。
「藤村流 AI時代のSNS活用セミナー」
一人でスマホやPCに向かって考える時間を少しだけお休みして、他者の思考に直接触れる「リアルな対話の場」に遊びに来ませんか? あなたと会場で、新しい視点を一緒に「編集」できるのを楽しみにしています。
今度の水曜日です。あと少し席が残っています。
和泉多摩川のエクスマスタジオで、お会いしましょう。
■開催詳細
【日時】 2026年3月11日(水)14:00~17:30(終了後、懇親会)
【会場】 エクスマスタジオ(東京都狛江市/和泉多摩川駅 徒歩1分)
【定員】 10名
【参加費】 15,000円(税別/懇親会費込み)
▼ 詳細・お申し込みはこちらから
3月11日(水) トークセッション「藤村流 AI時代のSNS活用セミナー」リアル開催
遊ばざるもの、働くべからず。
藤村正宏
藤村 正宏
最新記事 by 藤村 正宏 (全て見る)
- 「ノイズ」「異端」…面白いことは「エッジ(境界線)」から生まれる - 2026年3月10日
- AI時代「自分の頭で考えろ」という呪縛からの解放 - 2026年3月9日
- AIに「正解」を、自分に「愛嬌」を。これからのSNSの遊び方 - 2026年3月8日

