エクスマ思考 ユトリロで自由研究をした少年は、経営コンサルタントになった|文化が、僕の仕事をつくった
小学校6年生のとき僕は自由研究でモーリス・ユトリロを取り上げた。今思えば、ずいぶん変わった子どもだったと思う。普通なら昆虫採集とか、植物の観察とか、そういうものを選びそうな年頃だ。けれど僕は、パリの街角を描く画家に惹かれていた。ユトリロの絵には、華やかさとは少し違う魅力がある。白い壁。静かな坂道。人の気配はあるのに、どこか孤独。賑やかではないのに、なぜか惹かれる。子どもの僕は、うまく言葉にはできなかったけれど、あの絵の中に漂う「空気」のようなものが好きだった。たぶん僕は、絵そのものを見ていたというより、その奥にある「気配」や「世界観」を感じ取ろうとしていたんだと思う。その頃から、美術が好きだった。