これからは「編集」して売る時代

物事を組み合わせる創造力が「編集力」

「編集」っていうのは、何かと何かを組み合わせて新しい価値をつくる、ということです。
別のものを組み合わせたり、つなげたりする「関連させる力」です。
これは「創造力」とも言えることです。

ゼロから何かを生み出す力だけが「創造力」ではありません。
組み合わせる力も創造力なんです。
「編集力」ということ。
これからの時代は、この「編集」がとっても大切な能力になると思うんです。
別々の情報や商品、さまざまなモノゴトを編集して、新しい価値を生み出すことができる。

たとえば、今、音楽はネットでダウンロードする時代になりました。
いつでもどこでも、自分の好きな音楽を聴ける時代です。
中には、無料で聞けるサービスもたくさんあります。

そういう状況だから、総合CDショップはけっこう大変ですよね。
音楽CDが売れないという状況です。
ある有名総合CDショップのネットの店舗案内を見ると閉店が目立つ。

総合CDショップはどんどん不利な状況になっています。
だって、どう考えたってインターネットの在庫のほうが多いんだから。
どんなに広い売り場面積を持っていても、インターネットのダウンロードサイトに在庫では絶対に勝てないわけです。
だから、たくさんの音楽の種類、それこそジャズからクラシックからJポップからレゲエから、すべてのものを全部揃えて、「たくさんありますよ」と展開して売るのは、けっこう物理的に難しくなっていますよね。

でも、ネットの世界ならそれができるわけです。
ネットの世界でi-Tuneストアだと、ある意味どんな曲でも売っています。
こういう時代に総合CDショップを何の考えもなく、ただ品揃えだけで売っていたら、売れなくなるのは当たり前です。
まったく編集も何もしていない、ただ揃えているだけというCDショップはなくなっていくのは、しょうがないことでもある。

タワーレコードの各店舗は個性的

ところが、同じような業態でもタワーレコードはちょっと違います。
何が違うかというと、「編集」して売っている。
タワーレコードは全部の店が個性的で、一店一店違う。
なにが違うかというと、商品のラインナップがちがう。
店長の好みなのか、スタッフの好みなのか、個性的な品揃えをしています。

たとえば、横浜みなとみらいという地区にあるショップだと「みなとみらいセレクトコーナー」という棚があって、そこにヘビメタを中心とした、みなとみらい店おすすめのCDがあります。
どういう商品をどういうテーマで括って売っているか、ということです。
何から何まで全部揃える必要はない。
このみなとみらいの店長かスタッフには、たぶんヘビーメタルが大好きな人がいる。
「みなとみらい鋼鉄化計画 ~桜木町をメタルの聖地に~」って書いてある。
メタル好きな人にとってはいい店だけど、好きじゃない人は、「やかましいよ、そんな音楽」と思う。
だから、クラシックが好きな人、ジャズが好きな人は寄りつかない。
ある意味、個性的になるということは、お客さまを選ぶっていうことなのです。
それでもいいんですよ。

こんな感じで個性的な店が多いのがタワーレコードです。
これが編集力ですよね。
たくさんあるCDの中からどういう商品を選び、どういうテーマで打ち出すか。

ある店では、ジャミロ・クワイという歌手のコーナーをつくっています。
日清のカップヌードルのCMで「腹減った」って歌っていた、アーティスト。
アシットジャズというカテゴリーをされることがある人です。
「腹が減ったと唄った事で、今、再び、俺の時代がやって来た!!」というPOP。
「CM効果でジャミロベスト売れまくり中!!」。
店長が大好きなんだろうと思う。

POPで価値に気づかせる 商品をいかに編集するかが大事

POPで価値に気づかせる
商品をいかに編集するかが大事

個性のある店舗。
Twitterを活用して、お客さまとの関係性の構築。
音楽イベントの開催や、若手アーティストの発掘。
他分野とのコラボ。
タワーレコードは、ただの音楽CDを売っているという業態ではなく、「音楽の新しい価値を生み出す業態」を目指しているんだと思う。

音楽業界の苦戦は今後も続きます。
というか、昔のようにCDが飛ぶように売れるという時代は、もう二度と来ないでしょう。
だからいち早く、そこから抜け出して、自分の得意な分野で新しい価値を生み出す方向にいかなければならない。

どういう情報を編集して、どういう新しい価値をつくり出すかということが、とても重要な時代なんです。
「編集して売る時代」なんだなって、しみじみ思うんです。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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