余白がクリエイティブを磨く / 網走郷土博物館で気づいたAI時代の働き方

旅と余白と仕事の質

北海道9日目。網走郷土博物館で“創造”を見つけた話

北海道に来て、今日で9日目。

鶴雅グループの動画プロジェクトで、今回も濃密な旅をしながら働いている。

新千歳空港に降り立ち、
『ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄』から始まり、
定山渓、網走、そして阿寒湖へ。
まるで鶴雅グループのホテルを点で巡るのではなく、物語として縫い合わせていく旅だ。

もちろん、ずっと撮影や打合せばかりしているわけではない。
移動の途中には、かならず“余白の時間”をつくる。
観光施設に寄ったり、おいしい店にふらりと入ったり。
この「寄り道」こそ、仕事の質を上げるために欠かせないインプットになる。

そのなかでも、ここまでの旅で特に心を掴まれたのが——
網走市立郷土博物館だった。

 北天の丘へ向かう前に、寄り道した場所がすごかった

『北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート』へ向かう前、
どうしても寄りたい場所があった。
僕が以前から好きで、北海道に来るときはできるだけ立ち寄る場所。

それが、網走郷土博物館だ。

▶ 網走郷土博物館とは?

北海道網走市にある地域文化の中心的存在で、
1936年(昭和11年)竣工の本館は、北海道を代表する建築家 田上義也(たがみ よしや) が設計。

田上義也は、あのフランク・ロイド・ライトの弟子。
その影響は館内の随所に見られる。

  • 幾何学文様のステンドグラス

  • 優雅な曲線で形づくられたドーム屋根

  • 光を“陰影”として取り込む、静謐な空間設計

「網走にある小さな博物館」……ではない。
建築そのものが、ひとつの作品だ。

さらに分館として
「モヨロ貝塚館」(1966開館/2013年リニューアル)もあり、
網走の縄文〜オホーツク文化の歴史を立体的に感じられる。

前身は、網走の重要遺跡モヨロ貝塚の資料散逸を防ぐために、郷土史家 米村喜男衛 が住友財閥の支援を受けて創設した「北見郷土館」。
のちに米村本人も館長を務めた。

「地方の教育・学術・文化の発展に寄与する」という目的を掲げ、
網走の自然・産業・歴史を未来へ継承する“地域のタイムカプセル”だ。

なぜこの博物館が、僕の仕事の質を上げてくれるのか

僕は、旅の途中でこうした場所に立ち寄ることを、
単なる“観光”だと思っていない。

むしろ、仕事に必要な「余白」をつくる行為だと思っている。

動画をつくることも、SNS発信も、マーケティングも、
「どう切り取るか?」が本質

田上義也の建築は、光や影の“切り取り方”が独特で、
「見せたいものをどう見せるか?」という強烈な問いを投げかけてくる。

ステンドグラスを通った光は、
ただの光ではない。
その場所だけの物語を帯びて、そっとこちらに落ちてくる。

旅をしながら仕事をしていると、
つい「効率」や「タスク消化」に引っ張られそうになる。
でも、この光を浴びた瞬間、ふと思った。

“ああ、仕事の質を決めるのは、情報量ではなく、感性なんだ。”

企画も脚本も、動画のカット割りも、
「余白から生まれる」。

だからこそ、
余白をつくらずに仕事をしてはいけない。
移動の合間の博物館こそが、僕にとっての“クリエイティブの源泉”なのだ。

旅をしながら働くという生き方

北海道での9日間。
鶴雅グループのホテルをめぐり、
撮影し、打ち合わせし、
また次のホテルへ移動する。

ハードワークではあるけれど、
苦しいという感覚がない。

その理由は、間違いなく——

“余白を持ちながら働く”ことを自分に許しているから。

寄り道、観光、散策、カフェの一杯、
そして、網走郷土博物館の静かな時間。

無駄に見えるものが、
すべて仕事に「深み」を与えている。

鶴雅グループのプロジェクトには、自然や文化、歴史を尊ぶ思想がある。
だからこそ、僕自身もその“思想”を吸い込みながら仕事ができるのが嬉しい。

効率化やAI活用が進む時代だけれど、
本当に価値を生むのは「余白」と「感性」だ。

AI時代の仕事の質は

どれだけ余白をつくれるか”で決まる。

これは、北海道を旅しながら働くたびに強く思うこと。

網走郷土博物館の建築と静けさに触れ、
心がすっと整う瞬間、
自分の仕事が少しだけやさしく、少しだけ深くなる。

もしあなたが、
仕事に追われて息が詰まりそうな時、
新しい発想が出てこなくて辛いとき。

ぜひ、どこかの“博物館”に行ってほしい。
小さくて、観光マップにもあまり載っていない場所でいい。

余白が、感性をよみがえらせてくれる。
その体験が、きっと仕事の未来を変える。

編集後記

網走郷土博物館の開館時間は季節で異なる。

  • 5〜10月:9時〜17時

  • 11〜4月:9時〜16時

  • 休館:月曜・祝日・年末年始

本館は網走市桂町1丁目1-3。
分館「モヨロ貝塚館」は北1条東2丁目。

旅の途中で立ち寄ると、
“時間の流れ”がすこしゆっくりになる不思議な場所。

あまり有名じゃないし、観光客もほとんど来ない穴場。
北海道を旅する人にはぜひ訪れてほしい、僕の密かなおすすめスポットだ。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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