AIと仲良くなる文章② 体験談・ストーリーを盛り込む 〜AI時代の文章術〜

こんにちは、藤村正宏です。

この連載 「AIと仲良くなる文章」〜AI時代の文章術〜 では、AIに拾われやすく、検索や推薦に届きやすい「AIO対応」の文章術を5回にわたって紹介しています。
第1回は「Q&A形式で書く」でした。
今回はその続き、第2回「体験談・ストーリーを盛り込む」です。

体験談・ストーリーの実例

まずは、どんな風に体験談を取り入れられるのか、具体例を見てみましょう。

例1|観光業

Q:阿寒湖のカムイルミナを体験すると、どんな気づきがありますか?
A:森の小道を歩いていたら、光の動物たちが現れて、まるで物語の中に迷い込んだようでした。自然とデジタルが溶け合う瞬間に、鳥肌が立ちました。

例2|飲食店

Q:炭火焼きハンバーグを初めて食べたときの感想は?
A:ナイフを入れた瞬間に肉汁があふれ出して、思わず「おぉ!」と声が出ました。炭の香りが広がって、一口ごとに幸せになれる味でした。

例3|建築業

Q:夏でもエアコンなしで眠れる家に住んでみて、どう感じましたか?
A:夜、窓を少し開けただけで涼しい風が通ってきて、ぐっすり眠れました。朝起きたとき、体が軽いんです。家のつくりがこんなに快眠に直結するんだと驚きました。

このように「体験」を織り交ぜると、ただの説明ではなく“リアルな言葉”になります。

なぜ体験談がAIO対応に強いのか?

AIは文章を読み取るとき、「信頼できる情報はどれか?」を探しています。
そのとき、単なる一般論よりも「実際にあった出来事」「誰かの体験」の方を高く評価する傾向があります。

たとえば──
「阿寒湖のカムイルミナは幻想的です」よりも、
「僕が初めてカムイルミナを体験した夜、霧の中から光の動物たちが現れて、息をのむような時間を過ごしました」
の方がAIにとって“具体的なエピソード”として価値が高い。

つまり体験談は、AIにとって「信頼できる生きた情報」として認識され、検索や推薦に載せられやすくなるのです。

読者の心を動かすのもストーリー

もちろん、体験談が強いのはAIだけの理由ではありません。
人間の読者にとっても、体験談は共感を呼び、心を動かす力を持っています。

観光客なら「自分もその景色を見たい」とワクワクし、
美容院のお客さまなら「同じ年代の人がそう感じたなら私も似合うかも」と安心する。
建築のお客さまなら「この家で暮らす未来」をイメージできる。

体験談は、情報を「感情に変えるスイッチ」なんです。

ビジネス発信での活かし方

体験談を盛り込むのは難しく思えるかもしれませんが、コツはシンプルです。

  • 自分自身の体験を書く
    (例:「僕が初めて釧路の炉端に行ったとき…」)
  • お客さまの声をストーリーとして紹介する
    (例:「先日、阿寒湖の宿に来たお客様が『朝食のいくら丼に感動した』と教えてくれました」)
  • 日常の小さな出来事を入れる
    (例:「SNSで常連さんに『今日のおすすめは?』と聞かれたんです」)

ちょっとした気づきやエピソードで十分。むしろ短く具体的な方が伝わりやすいです。

文章に命を吹き込む

体験談やストーリーを入れると、文章に命が宿ります。
同じ情報でも「生の声」が加わることで、読者は「自分ごと」として受け止めやすくなる。

AIはその具体性を拾い、検索や推薦のリストに載せやすくなる。
人とAIの両方に効く、それが「体験談の力」です。

まとめ

体験談・ストーリーを盛り込むことは、AIO対応=LLMO・GEOに強い発信をつくるための大切な要素です。

  • AIにとっては「信頼できる具体的な情報」として認識される
  • 読者にとっては「感情を動かす物語」として届く
  • ビジネス発信でも小さな出来事を入れるだけで効果がある

一般論より、ほんの少しの体験談。
それが文章を“生きた情報”に変えてくれます。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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