ニュースレターで関係性を築こう
以前アドバイスした、北海道の個人の薬店の話です。
旭川にある「アスクドラッグ」という店。
今から6年ほど前、この店の周りにたくさんの安売りドラッグストアの全国チェーンの店が出店してきました。
その店に多くのお客さまが流れてしまって、このままだと潰れてしまうという、閉店の危機になった。
そこで、大型の安売りドラッグストアが真似できない、自社の価値はなんだろうと考えた。
それは長年、地元で築いてきたお客さまとの「関係性」。
既存顧客の方にお手紙を書いてもらったんです。
そして、「アスクドラッグいきいき通信」というニュースレターにして、毎月、既存顧客に送りました。
社長自身やスタッフの顔写真も入れ、近況報告や、健康に役立つ情報、近所の飲食店の情報、新製品の情報、Q&Aが主体の「よくある質問コーナー」・・・などなど。
たとえば、5月号では「五月病って本当にあるの?」という記事があって、五月病のことが詳しく書いてあります。
秋には、夏の疲れを残さないための食べ物の話、冬は身体を暖める工夫の話、などなど季節や世の中の状況に合わせた、役立つ健康情報が載っています。
もちろんそれだけでなく、新商品の情報や、売りたい商品の情報もさりげなく載せています。
これを毎月郵送で、既存顧客に送っているわけです。
それから6年たって、社長の平山さんがボクにこう言いました。
「あれをやっていなかったら、確実につぶれていました。ニュースレターを発行することで、地元のお客さまとのコミュニケーションになり、関係性が深まりました。たくさんのお客さまが相談にきてくれたり、用もないのに来店してくれたり、うれしいことです。売上も徐々に上がって、おかげで昨年は過去最高の増収増益でした」
地元のお客さまとの関係性ができ、結局、業績も良くなった。
既存顧客からの紹介で、新規のお客さまも増えているそうです。

藤村 正宏

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