もう35年も東京に住んでいる
ゴールデンウィークが始まりました。
長い休みのときには、普段できないことや普段考えないことを思索するのがいいですよね。
ボクが東京に住んでからもう35年もたったんだなって、あらためて考えました。
1978年の4月に大学に入った時です。
その当時の東京は、今よりもまだのんびりしていた。
ひとり暮らしをしていた最初のアパートは、渋谷区の幡ヶ谷っていう町にあった。
きれいなアパートだったけど、広さ、3畳半。
もちろん、風呂なし、小さなキッチンがついているけど、トイレも共同だった。
そこに2年くらい住んでいた。
今よりはのんびりしていたけど、やっぱり東京は大都会でした。
北海道の片田舎の釧路から来た少年にとって、見るもの体験するもの、みんな驚きだった。
渋谷スペイン坂の「五右衛門」での衝撃
たくさん驚いたことがあったけど、スパゲッティは驚いた。
ボクは明治大学でしたが、芝居をするなら早稲田だということで、早稲田の劇団で芝居をしていました。
一緒の劇団にいた、当時憧れていた1歳年上の女性と初めてデートしたときに、渋谷のスペイン坂にあった、「五右衛門」という店に連れて行ってもらった。
1978年の11月のことでした。
今はこの「五右衛門」という店は「洋麺屋五右衛門」という名前で全国展開していますけど、本店はここ。
開業したばかりのことでした。(調べたら創業は1976年だった)
驚きの連続。
まず何が驚いたか。
スパゲッティ屋さんなのに、フォークではなく箸で食べる。
そしてスパゲッティの種類の多さ。
ものすごく種類があって、どれを選んでいいかわからない。
おまけに、ものすごく意外が食材が・・・。
「納豆って!?」
「たらこかよ!?」
「東京は恐ろしいところだ・・・」
(などと、心の中で叫んだ)
「ナポリタン」と「ミートソース」しか知らなかった、田舎者のボクにとっては、衝撃的だった。
まだ「カルボナーラ」も「ボンゴレビアンコ」も知らないんだから。
連れて行ってくれた彼女がオーダーしたのは、
「納豆としめじの○○スパゲッティ」とかいうもの。
ボクもわからなかったので、同じものを頼んだ。
これが不思議と美味しかった。
スパゲッティに合う。
今考えると当たり前のことだけど、和食の食材を使ったスパゲッティというのは当時はとっても珍しかった。
この「五右衛門」その後、大人気になっていくわけです。
常識にとらわれていてはダメだよな。
枠にはまった考え方をしていたら取り残される。
そんなことを思った体験でした。
本当に現代社会は豊かですよね。
スパゲッティの種類が数えきれないほどある。
選び放題です。
いろいろな意味で、その豊かさをありがたく思う。
確実に世の中は良くなっていっていると思う。
その変化にいろいろと弊害はあるけれども、大きく見てみると、いい社会になっているんだな。
1978年の11月、「五右衛門」に最初に行った日のことを思い出した、休日の午後でした。

藤村 正宏

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