処理できないくらい大量の情報を整理し、お客さまに合わせた形で発信してあげると、欲しくなる。

モノとして並べるのではなく、どういう体験を求めているかを考えよう。

今日は午後の飛行機で、北海道の比布(ぴっぷ)町に行きます。
夜6時から講演です。
楽しみです。

商品陳列の方法を紹介します。
ある食品スーパーでの事例です。

その店の自家製ウインナーは美味しい。
一番売れ筋の商品です。
それだけでなく、そのウインナーにプライベートブランドのマスタードが、メチャメチャ合う。

ところが、実はそのマスタード、ウインナー売り場の近くで売ってなかった。
別の離れたところで売っていました。
しかし、ある時、ウインナー売り場にいたお客さんから質問があった。
「マスタードはどこですか?」
ごく普通な質問ですが、そこの店長さんは気づいた。
「そうだよなあ、ウインナー買う人はマスタードも買うよな。」
「じゃあ、ウインナーのすぐ近くにマスタード売り場を作ろう!」
と実行に移しました。
ウインナーの冷ケースのエッジに、スチールでマスタードが入る棚を作って、そこにすぐわかるように、マスタードを並べたんですね。
ものすごくわかりやすくなった。

そうしたら、マスタードの売上が24%UPしました。

ウインナーを買い求めている人が、オリジナルのマスタードに気付く。
マスタードを求めている人が、ウインナーという食品の存在を意識する。

同様にハンバーグを販売しているコーナーの隣にソースを置いても、同じような効果が得られました。
商品の「くくりかた」ひとつで、時に非常な大きな効果を上げる。
使わない手はありません。
野菜の近くにドレッシングが売っているべきだし、冷奴になる豆腐のそばに、美味しい生姜や薬味が置いてあるべきなんですよ、ホントは。

また、いままでスーパーの展示というものは、「この商品はこうやって食べたら、美味しいんですよ」という提案が何もないんです。
バブル経済期も過ぎ、たくさんの商品が今でも増えつづけているのに、お店の方のやり方は全然変わってない。
商品の数が多すぎて消費者は価値が上手く判断できない状態にあり、非常にエネルギーもかかる。
そんな状態の時はこちらから分かりやすい判断基準のキッカケを作ってあげることが、重要なんです。

まさに「キュレーション」してあげるという姿勢です。

キュレーションして提案するという考え方の陳列

キュレーションして提案するという考え方の陳列

商品と情報で欲求に火をつける

たとえば、このスーパーでは、陳列された食材の横に、その食材を使った料理のレシピが置いてあります。
ウインナーの横にただ籠があってその中に置いてあるだけなんです。

このレシピのサービス、他のスーパーなどでも置いてあるのみかけますが、決まってレジを出て、出口の近くにレシピが並んでいたりしますよね。
これは、もうショッピングが済んだ後なので、あまり意味がないです。
もし、ものすごく魅力のあるレシピだったら、今のショッピングに後悔して嫌な気分になるかもしれません。
やっぱり、その陳列している食材のそばにないと、面白く感じないんです。
(レシピがないよりあったほうがいいですけどね)

「あっ、今日はこの料理にしよう!、食卓のマンネリ化はよくないよね。」
「これ前から作ってみたかったんだ。」
「こうやって作ると美味しいんだ。知らなかったな〜。」

と感じることができるわけです。
これはとってもいい方法です。

「この間、ここのレシピでポトフを作ったんですよ。とっても上手にできて、すごく美味しかったんです。
やっぱり商品のすぐ横にレシピが置いてあるというのは、とってもいいですね」

そういうお客さまの声もありました。
そうなんですよ。
例えその商品が素晴らしい価値を持っていても、それが相手に伝わらなかったら、その価値はないのと一緒なのです。
そうです、価値ゼロ!
「価値のわかりやすさ」、「表現の力」の重要性、もう一度しっかり考える必要があります。

あなたの売っている商品やサービスは「価値のわかりやすさ」や「表現の力」がありますか?
今の時代、これが一番重要と言って過言ではないんですよ。

そのためには、あらかじめその食材を使ったレシピなどで「キュレーション」してあげることが大事だったりするのです。
処理しきれなくなった大量の情報を整理してお客さまに合わせた形で発信してあげる。
こういう考え方をしてみましょう。

「欲しい」と感じさせることなのです。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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