Amazonに負けない「コト化店舗」のつくり方

価格や品揃えだけでは、Amazonに負けてしまう

先日、家人が4Kテレビを買いたいと言い出しました。
自宅を引っ越したので、引っ越すときにテレビを買い替えようと思っていて、どうせなら新開発の4Kテレビと決めていたみたいなんです。
そこで、安いことで有名な家電量販店に行った。
店員の人にさんざん質問して、たくさんの4Kテレビを見せてもらい、某メーカーの70インチのテレビが気に入った。
価格は85万円。
それを買うということになり、「少し値引きしてくれますか?」と尋ねたら「1割くらないなら」という答え。
家人は「10万円くらい引いてくれたら、主人にも話やすいんですけど」と言ったそうです。
すると店員さんは、「わかりました。ギリギリですが、値引きしましょう」ということになり、結局75万円で仮予約してきたんです。

ボクが帰宅して、その話を聞き、すぐにwebで調べてみました。
するとAmazonでまったく同じ4Kテレビが65万3000円で売っているではありませんか。
家人は買いに行く前にそのことを、電気量販店の店員さんに電話で伝えました。
「Amazonのほうが10万円安いんですけど、どうにかなりませんか?先日ギリギリっておっしゃっていたので、もしダメだったらAmazonで買います」
当然ながら、家電量販店がAmazonと同じ値段で売ってくれたのは言うまでもありません。

大変な時代だなと思った。
同じモノを買うのなら、ネット通販のほうが安いし、品揃えも多い。
ほとんどのモノがネットで手に入ります。
本やCDはもちろん、家電、衣料品、食品、家庭用品はもちろん、車やお墓までネットで売っています。
Amazonで買うと、家の玄関まで届けてくれます。
プライム会員になっていると、ほとんどのものが送料無料で。

「ショールーミング」がリアル店舗の脅威になっている

リアルの店舗にとっては、とっても厳しい時代になりました。
こういう傾向は今後、増えることはあっても決して減ることはありません。
ネットショップの市場規模は、さらに拡大することが予想されているからです。
だからただ単にモノを売っている商店は、これからの時代、生き残るのはかなり困難になっていくということです。

たとえば、「ショールーミング」という消費活動が流行っています。
これは、リアルの店舗がネットショップのショールームになってしまうというコト。
先日会った、靴屋をチェーン展開している社長さんの話。
「あるお客さまの希望で靴を取り寄せたんです。その商品が入荷後、そのお客さまが来店で試着してもらったら、ぴったりのサイズだった。でもその時は買ってくれなかったんです。それからもう来なくなったんです。あれはきっとAmazonで買ったんだと思います。最近けっこう多いですよ。そういうお客さまが」

リアルの店舗で試着したり、使ってみて、Amazonなどで購入する。
そういう「ショールーミング」は現代社会では当然の行為かもしれません。
スマートホンが普及して、誰もが、いつでもどこでもインターネットにつながっている時代です。
モノを売っているだけの店だったら、Amazonに負けてしまうのは当たり前です。
価格と品揃えだけだったら、Amazonで買ってしまうのです。
Amazonに負けない魅力を提供できない店舗は、これからますます苦しくなる。
だから、モノを売る店からコトを売る店にならなければなりません。

デジタルでは絶対できないことが価値になる

ネットショップに負けない店舗、それはデジタルではできないことをすることです。
デジタルでは不可能なことです。

リアル店舗は空間があるということが、Amazonが提供できない価値になる。

店舗空間があるということを最大限生かすこと。
たとえば、商品を見て回るだけでも、面白い店舗。
癒される、あるいは刺激される、店内環境。
役立つコトがある店舗。

さらに言うと、「接客」もそうです。
接客できるってことは、とっても優位です。
インターネットが発達して、なんでもwebでモノが買える時代、人と人とのふれあいは、とっても価値になるからです。

あるいは、店が主催してお客さまを集めてイベントをやること。
これだって、デジタルでは体験できないことですよね。

北海道の観光ホテル「鶴雅ウィングス」のショップ POPが面白いからつい見たくなる

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POPが面白いからつい見たくなる

ネットショップでは提供できない、リアルの店舗の価値。
それを考えることが急務と言っても過言ではありません。
今やらないと、気づいたときには、あなたのお客さまの多くがAmazonに奪われているという事態にもなりかねないからです。

自分の強みを生かすことが、これからのビジネスには必要になってきます。
リアルの空間があるということを、最大限生かすコトを考えましょう。

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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