ネーミングで価値を届ける 〜ネーミングをマーケティング的に考えてみる

ネーミングは覚悟のあらわれ

先日、用があって近所の駅近くに行きました。
その後、書店に寄ったり、コーヒーを飲んだり、散歩したりしていた。

ボクは東京の世田谷区のお隣にある、狛江市というところに住んでいます。
この周辺はとっても美味しいエスニックレストランが多い。

有名なベトナム料理の店。
ちょっと風変わりなネパール料理の店。
チャイナタウンにありそうな、中華レストラン。
本格的なゴーヤーチャンプルーが自慢の沖縄料理の店。

なんとなく歩いていると、通りから一歩入った銀行の裏に

「トムヤムクン」

そういう名前のレストランを見つけた。
タイ料理を出すレストランです。

狛江駅北口みずほ銀行裏にある「トムヤムクン」

狛江駅北口みずほ銀行裏にある「トムヤムクン」

トムヤムクンっていうのは、タイの具だくさんのスープ。
もう日本でも市民権を得ている料理ですよね。
タイ料理が好きだから、ちょっと寄ってみた。
店に入ると、すべてのスタッフがタイ人。
期待できそう。

「トムヤムクン、美味しいですか?」
「ハイ、カンバンリョウリ、デスカラ」

タイ人のきれいなおねえさんが、カタコトの日本語で答えてくれます。

「じゃあ、まず看板料理のトムヤムクンね。それと・・・」

さまざまな料理を頼んで、たくさん食べました。
トムヤムクンは、本当に美味しかった。
店の名前にもなっているんですから、当然のことですよね。
自信がなきゃ、そんな店名にしませんからね。

ん?

ということは?
店の名前っていうのは、それに関しては自信がありますから、ぜひ来店しておためしください。
というメッセージってことですよね。
確かに、ボクも、

「トムヤムクンって言う名前なんだから、とりあえずそれは美味しいだろう」

無意識にそう思っていたわけです。
そして、トムヤムクンが美味しいってことは、他の料理も美味しいにちがいない。
分析はしないけど、直感としてそう感じているってこと。

そんなふうに考えると、飲食店や会社の名前っていうのは、ある意味「覚悟」の表れだということもできます。
これに関しては自信があります。
そういうことをまわりに発信しているってことです。

仮に「まぐろ屋」というすし屋があったとします。
あなたもきっと、「まぐろだけはとりあえず旨いよな」と思いますよね。
店がわも、「ウチのまぐろは、旨いよ!」ということをネーミングで発信しているんですね。

価値が届かない場合もある

あなたの商品のネーミング。
あるいは会社や店の名前。

「価値」を正確に伝えていますか?

ボクはマーケティングの仕事をしている関係で、講演もよくさせていただいてます。
年間平均100回以上の講演をします。
当然、名刺交換もたくさんの方とします。

メーカーの営業マン、保険の営業マン、広告代理店、食品スーパー、靴屋、レストラン、美容師、デザイナー、占い師、弁護士、公認会計士、しめ縄屋、・・・。
世の中にはたくさんの仕事があって、たくさんの会社があります。

そしてその日の夜。
講演が終わって家に帰り、名刺交換した名刺を、名刺ホルダーにいれるとき・・・

名刺を手に取り、

「この会社って、どんな仕事をしている会社なんだ?」

そういうこと。

名刺を見ただけでは、何をしている会社かわからない。
結構こういうことありません?

「山本会計事務所」とか
「ハッピー薬店」とか
「小野川温泉登府屋旅館」とか

そういう会社名だと、とってもわかりますよね。
ああ、薬屋さんだなとか、税理士事務所だなとか、温泉旅館ね、とか。

でも見ただけではわからない名前の会社がある。
なんだかわからないカタカナの名前とか、○○株式会社とか、○○商事とか、ともかくどんな仕事をしているのか、商品は何なのか、どんなサービスがあるのか、まったく手がかりさえないんです。

そういう会社の営業マンに、仕事の依頼することってあるでしょうか?

会社の名前も価値を届けるツールだと思う。
会社名を見たときに、お客さまがどういうふうに感じるのか?
そういう意図をもってネーミングすることも重要なことだなって思う。
もし今さら、会社の名前を変えられないのなら、会社名の前にキャッチコピーをつけるとか。

「あなたの〜を解決する⚪︎⚪︎商事」とか
「SNSのマーケティングでお困りなら相談してください 株式会社⚪︎⚪︎」とか

ともあれ、店や会社の名前は覚悟のあらわれです。
お客さまにどう感じてもらいたいかを考えることが大事です。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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