午前中、大阪産業創造館で打ち合わせしていました。
ボクがまだマーケティングの仕事を始めたばかりのころ、ここでセミナーをさせてもらいました。
それから13年間、毎年セミナーをやらせてもらっています。
この13年間、世の中の環境が激変しましたね。
その中でも、ビジネスで「個」を出すことが大切な時代になったんだなって思った。
今思ったんじゃなく、もうずいぶん昔からこう感じていたんですけどね。
10年くらい前の本にも書いています。
「個」を出さなきゃいけない。
特に経営者やビジネスのリーダーはそうだと思う。
「個」を出すことは、すごく重要です。
なぜかというと、「個」を出したほうが、お客さまとの関係性をつくりやすいからです。
ビジネスの環境が変わった
ビジネスの環境が変わりました。
時代背景としては、情報が多様化し、複雑化し、競争原理・闘い・利己的価値観が蔓延し、安全・安心が希薄になり、利益至上主義になり……いろいろありましたね。
構造改革があって、新自由主義経済になって、市場原理主義とか、そういうことになってきたので、世の中にそういう風潮が蔓延しました。
おまけに、大企業がどんどん安売りして、給料がどんどん減っていって、世の中がだんだん疲弊してきました。
そして、心の豊かさが感じられない疲弊した社会になっていった。
年間3万人近い自殺者がいて、それが1998年から2011年まで続きました。
2012年からは3万人を少し下回りましたが、20代~40代の数は高止まりしたままです。
3万人のうちの2万人が男性です。
男性2万人のうちの1万人が、20代~40代です。
経済的な、あるいはビジネス、仕事に、何らかの関わりがある自殺だと思う。
配置転換や転職がきっかけになる、あるいは「失業→生活苦→多重債務→うつ→自殺」という経路をたどることが多いそうです。
「事業不振」「職場環境の変化」「過労」などが「身体疾患」「職場の人間関係」「失業」「負債」などの問題が起きて、そこから「家族の不和」「生活苦」「うつ病」を引き起こして自殺するという流れなのでしょう。
そんな世の中をつくるビジネスって、やる意味があるのか?
20代~40代の男性に自殺者を1万人も出すようなビジネスをやっていいのか?
考えてみてください。
それが14年間続いたら。
もしかしたら14万戸の母子家庭をつくっているかもしれない。
もしかしたら14万人以上のお父さんのいない子をつくっているかもしれない。
そんなビジネスが、本当に正しいビジネスなのか?
本当にこんなことをやっていいの?
競争とか、格差社会とか、利益至上主義とか、こんなことをやっていていいの?
目先の利益にとらわれてばかりでいいの?
もちろん儲けるのはいいことですよ。
ビジネスは儲けなければ意味がないですから。
圧倒的に儲けなければ意味がない。
でもね、誰かを悲しませたり、誰かを死に至らしめるようなビジネスをやっていいのか? ということです。
ビジネスというのは、誰かをしあわせにするためにやっているものです。
世の中を良くしたり、誰かをしあわせにするためにやるものです。
それがビジネスの真理です。
誰かに勝つためじゃない。
誰かをたたきつぶすためにやいるわけじゃない。
世の中を良くしたり、誰かを笑顔にするために、しあわせな人をたくさんつくるために、仕事をしているわけです。
そのことを忘れちゃうと、恐ろしい世の中になる。
心の豊かさが感じられないような世の中になるんです。
ビジネスがそんな状況だから、今の消費者、お客さんはあるものを求めています。
それは何かというと、「関係性」です。
人は、関係性の深いところからモノを買うんです。
関係性を作るためには、個を出さなければダメなのです。
会社とは仲良くなれません
ボクは飛行機に乗るときには、ANA(全日空)を使います。
応援しているし、サービスがボクの好みに合っている。
それに、プレミアムクラスが好きだから。
でもANAと関係性は作れません。
ボクはニコルの服が好きです。
ジーンズはほぼニコルのジーンズです。
でもニコルのジーンズやジャケットは好きだけど、ニコルとは関係性は作れません。
その会社の○○さんと関係性を作るわけです。
ニコルとは関係性は作れないけど、新宿マルイメンズ館3階のニコルの店長、サイトウ君とは関係性は作れるわけです。
ANAという航空会社とは仲良くなりたくないけど、ANAのCAのヤマグチさんとは仲良くなりたいかもしれない。
関係性は会社という団体とは作りにくいけど、個人とは作りやすいんんです。
だから「個」を出すほうが絶対にいいんです。
大きな会社は「個」を出すことを禁じているところが多いから、小さい会社はチャンスです。
販促物、広告、ブログ、SNS、どんどん「個」を出してお客さんと関係性をつくっていくことが成功する秘訣です。
藤村 正宏
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