ダイソーの平均滞留時間は30分、平均消費単価は500円

100円ショップの人気の秘密は安さではない

100円ショップって、いるだけで楽しいですよね。
一度いったら、30分くらい過ごしてしまうかもしれない。
何の目的もなく入店しても、

「え?こんなのが100円で買えるの?」
「これを使ったら、こんな生活ができるかもな~」
「こんな商品があった~」

と、見ているだけでも楽しい。
そして、あまり必要ないんだけどノートとか文具とかを買ってしまったり。

100円ショップってなんだか楽しくて、すぐには必要ないものまで買ってしまったりする。
まず、ものすごい種類の商品が、圧倒的な量、陳列されている。
店に入りきらないのか、店頭のワゴンにまで、プラスティックケースやら、アートフラワーやら、季節ものの雑貨やらがワサワサと並べられています。
今だったら、来年のカレンダーや手帳なんかが並んでいることでしょう。

棚を眺めてみると、文具や工具、CDラックや多目的ケース、メイク道具やアクセサリー、キッチン用品に洗剤類、バス小物や、食器、流行のガーデニンググッズ、衣類、おもちゃ、ジュースや食品など、とにかくありとあらゆるものが揃っています。
普通だったら、コレ何のお店で扱っているのだろうと、不思議に思うような、便利そうだけれど見なれないモノまで売っています。

「こんなモノが100円で売っている!」という驚き。
この驚きによって、思わず人はその商品を手に取りたくなります。
また、「商品の使い道を消費者が自由に決定できるフレキシブルさ」。
100円だからできる使い方というのもあるんです。
100円ショップは、「店それ自体がいろいろな体験を提供している場所」といえます。
ひとつではない、いくつもの体験要素が用意されているのです。

その中から消費者それぞれが、「自分流の体験」を好きなだけ選択できるシステム。
こんなふうに多くの条件がこの一カ所に備わっていることにより、あるすごい作用を消費者の心理にもたらしています。
それは、なんとなく100円ショップにやって来たお客さんでも、「すでに入店した瞬間から、何かいい商品があったら買おうとひそかに決めている」ということです。
これはすごいことだと思いませんか!

お客さまは、無意識に、自分と商品との間で物語を作っている

ボクの塾生さんのお話。
彼女は健康や美容に凝っているんですけれど、しょっちゅう100円ショップでお茶を買っているのです。
緑茶、ハーブティー、ウーロン茶・・・。

茶葉を買う。
なんでそんなに買うのかというと、実は彼女、このお茶をお風呂の入浴剤として使っている。
お茶はカテキンやビタミンCが豊富に含まれていたり、ハーブティーなども、リラックス効果がありますよね。
でも、普通にスーパーやデパートなんかで買ったら高くてもったいないから、入浴剤には使えない。
ところが100円で買ったお茶なら、惜しみなくお風呂に入れられるというわけです。

100円ショップのハーブティーを入浴剤に使ったりする

100円ショップのハーブティーを入浴剤に使ったりする

きっとこんなふうに、本来の使用目的ではない商品の使い方をしている人がかなりいると思う。

モノの価値転換。

安いから使うのじゃなくて、逆に、100円ショップにあるもので新しいアイデアをつくり出すということを楽しんでしまう生活=物語。
それを生み出したといえる。

100円ショップで買い物するということは、お客さま一人ひとりに自分の物語をつくるきっかけを与えている。
それだけ計り知れない数の「体験」の要素が、100円ショップには陳列されているわけです。

ある意味、ボクが提唱している、エクスマ(エクスぺリエンス・マーケティング)。
「モノ」ではなく「体験」を売っているショップだとも言えます。

明日への気づき

ダイソーの消費単価は500円で、店内滞在時間は30分だそうです。
(ダイソー社長が先日言っていた)

先日書いた、アメリカのツーソンの話し。
水族館の入館料の決め方で、ロードショーの料金と比較して考えるっていうこと。
(まだ読んでいない方はココから読んでね【お客さまの消費金額は滞留時間に比例する】

映画が2時間で2000円だとしたら。
100円ショップの平均消費単価500円、店内滞留時間は30分は納得がいきますね。

店舗の空間や商品の持っている物語、その商品を買うと、自分がどういう体験ができるのか?
そういうコトを売っている。

やっぱり、現代は「モノ」を売っていたら売れない時代なんですね。
エクスぺリエンス・マーケティングの真価が発揮される時代になったってことです。

 

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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