遊びのチカラで仕事はもっと面白くなるんだ

あそぶ人は、仕事もうまい

「もっと遊ばなきゃなあ」って言ってる人のほうが、なんだか仕事も楽しそうで、成果も出している。
「遊んでる場合じゃないよ」って顔をしてる人のほうが、むしろずっと忙しそうで、どこか余裕がなくて、疲れている。

仕事に本気な人ほど、「遊び」にも真剣な気がするのです。
ふざけてるようで、実は一番“まじめ”に生きているのが、そういう人たちなんじゃないかな。

ある地方で、大きな温泉ホテルを経営しているある社長さん。
以前アドバイスしたんですね、「スタッフで芝居をつくったらいいよ。」って。

その後、毎年のように、スタッフ全員で芝居をつくっています。
宴会場で、年に一回、取引先やおなじみさんを招待して発表している。
台本を考えて、衣装を作って、演出家を呼んで、本気で“ひとつの作品”を完成させる。

最初は戸惑っていたスタッフたちも、だんだん夢中になって、本番の公演になると、チームの空気がガラリと変わっているそうです。

「藤村先生が言っていたように、演劇をつくるのは、遊びのように見えるけど、実は一番の人材育成になりますね」と、社長は報告してくれました。
表現すること、即興で対応すること、役を演じること——それらすべてが、日々のおもてなしの現場に生きるんですよね。

また、ある健康用品や食品を売っている、小売店の社長。
彼は月に一度、必ず3日間くらいのひとり旅に出かける。
地方の温泉や都市など、気分の向いたところに行く。
降りた駅で写真を撮り、土地の人と話し、地元のカフェでスケッチを描く。
「この時間がなかったら、仕事のアイデアは枯れますね」と笑っていた。
彼が旅の途中で撮った一枚の写真からインスパイアされ、店の新しいイベントやプロモーションが生まれ、大きな利益になることがある。

本気の“あそび”が、ちゃんと仕事を支えている。

遊びと仕事の境目はない?

遊びと仕事を「切り離す」時代は、もう終わったんだろうな。
むしろ、うまく“溶け合っている人”が、これからの時代を自由に生きていけるんだ。

それは、“ワークライフバランス”とかいうカタカナの話じゃない。
「人生をどう面白がれるか?」という、生き方そのものの話。

塾生の床屋さんのことを思い出した。
彼が趣味で聴いた音楽。
「アメリカン・オールディーズ」
「エルビス・プレスリーが大好きなんですよ」と言う彼は、自身がリーゼントヘアー。
店の中にレトロなジュークボックスを置き、壁にはプレスリーのポスターやレコード、50’sの雑貨が溢れている。
店だけじゃなく、地元でオールディーズのイベントをやったり、ダンスを教えたり、そんなことをして、それをSNSで発信しているうちに、全国からオールディーズファンたちが集まる店になった。
「趣味が、売れるきっかけになるなんて思いませんでした」と彼は笑った。

遊びを、ただの気晴らしや現実逃避と見なしてしまうと、
それは確かに“仕事の邪魔”になるかもしれない。

でも、遊びを「心と頭を豊かにする体験」だと考える人にとっては、それは創造力の源であり、感性のメンテナンスであり、そして“自分らしさ”の再確認の時間でもある。

・・・・・
「ちゃんとあそぶ」って、
「ちゃんと生きてる」ってことだと思う。
なにかを面白がれる人が、
なにかを変えていく。
#遊びのチカラ

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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