SNSマーケティングの盲点 生活者はもう、「評価」を信じてない

『「つながり」で売る!7つの法則』の講演依頼

香川県高松市に来ています。
これから経営者向けに、講演をします。
そのテーマが2016年の僕の著書

『「つながり」で売る!7つの法則』

そのために、久しぶりに読み直してみました。
今でも通用することがたくさん書いてあった。
実際にこの本で書いたことが、ますます進行しています。

そこで、ちょっと思ったことを書いてみます。

その「評価」信じられます?

どんなお店も「評価」に晒されています。
星の数、点数、コメント欄。
それを見て、「良い店かどうか」を判断する時代が、かつてはありました。

でも、最近、ちょっと違う感じになていると思う。

「評価、あんまり信じなくなったな」って。

評価の背景にある人が見えないと、
どんなに星が多くても、どこか薄っぺらく感じる。
そのお店が本当にいいのかどうかよりも、
誰が、どんな気持ちで言ってるのか”のほうが気になる。

実はこれ、マーケティングにとってはとても重要な変化です。

口コミは、顔の見える「関係性」へ

かつては、噂話のように評価が飛び交っていました。
けれどSNSの登場で、その発信者の“顔”が見えるようになった。

・誰が言ってるのか?
・その人はどんな背景をもっているのか?
・このお店とどんな関係なのか?

こうした文脈が見える時代に、
“評価”は「ただの情報」ではなくなりました。

信じられるのは、「関係性がある人」の声だけになってきているのです。

「そのお店が好き」より「あなたが好き」

SNSでは、好きな人や尊敬する人、仲の良い人の発信は信頼されます。
逆に、関係性の薄い人の意見は、よほど響く言葉でない限りスルーされる。

これって、お店の評価にも当てはまります。

例えば──
「このカフェ、雰囲気がよくて落ち着くんだよね」
と、親しい友人が投稿したとしたら、きっと行ってみたくなる。
星4.2のレビューよりも、よっぽど強い。

その人がそのお店とどう関わっているか。
その熱量が、口コミの「信頼度」を決めるのです。

広告では届かない時代へ

以前は、チラシや広告で「お得」「便利」「技術がある」と叫べば、一定の反応がありました。
でも今、それでは動かない。

なぜなら、もう人は、誰でもいい情報には反応しないからです。

「誰から聞いたか」
「その人は、どれだけそのお店を“好き”か」
そこに人は反応する。

「お願いしてないのに応援される」関係性

SNSで、関係性の深いお客さんが「いいね」や「シェア」をしてくれる。
しかも、自発的に。楽しそうに。

これはもう、マーケティングの理想形です。

「売り手」と「買い手」を超えたつながり。
「お客様」と「友人」のような関係。
だからこそ、発信には“応援”の熱がある。

評価より、つながりが選ばれる

「ありがとうございました」より「またね〜」
「いらっしゃいませ」より「こんにちは」

そんなやりとりを自然に交わせる関係性のなかで、
お客様は、商品以上に「人」や「空気感」を選んでいるのです。

評価の時代から、「誰とつながっているか」の時代へ。

あなたのお店が選ばれる理由は、
技術でも立地でもないのです。
それは、たった一人の“応援者”との関係性から、はじまっている。
そう思うし、社会がそうなりつつある。

 

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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