うまくやろうとしなくていい ちゃんと向き合えたら、それだけでSNSはじゅうぶん機能する
SNSって、なんのためにあるんだろう?
バズるため?
売るため?
情報を届けるため?
どれも間違いじゃないんだけど、
僕はもうちょっと、別のことを信じてる。
SNSって、ほんとは “話す、聞く、笑う” 場所だと思う。
カフェや居酒屋で友だちとおしゃべりするみたいに、
ゆるくて、たのしくて、ちょっと本音もこぼせる。
そんな空気があるSNSが、僕は好きです。
話すって、心をひらくこと
「今日は雨がすごいね」
「うちの犬が変な寝方してた」
「最近ちょっと元気ないかも」
SNSに投稿するって、
なんてことない言葉でも、実はちょっと勇気がいる。
だって、心をひらくことだから。
そこに誰かが反応してくれると、
「あ、大丈夫かも」って、心が少しやわらかくなる。
お店だって企業だって同じです。
投稿するのは“情報”じゃなくて、“ひとこと”でいい。
「今日はこんなこと考えてました」ってつぶやいてみる。
それだけで、ちゃんと伝わることがある。
聞くって、相手の気持ちを受け取ること
SNSで誰かが投稿してくれたとき、
それにちゃんと「聞いてるよ」って返せてるかどうか。
ここ、大事なポイントです。
「ありがとう」って返すこともそうだし、
「うれしいです!」とか「それいいですね!」ってリアクションすることも。
要するに、会話のキャッチボールです。
居酒屋さんの“聞く力”
ある庶民的な居酒屋さんの話。
お客さんが「今日食べたほっけの塩焼き、身がふっくらとしていて、サイコーだった」とポストしてくれたんですね。
そしたらお店がこう返してました。
「今日のホッケは、北海道の羅臼産でなんです、気づいてくれてうれしいです!」
こういうやりとり、見てるだけでほっこりします。
「ちゃんと聞いてくれるお店」って、それだけで信頼できる。
“おいしかった”に“ありがとう”で返す。
これができるSNSって、ほんとにあたたかい。
笑うって、つながること
SNSって、思った以上に“笑い”が大事です。
ぜんぶまじめで、きれいに整った投稿ばっかりだと、
ちょっと息が詰まっちゃう。
ときどき、ちょっとくだらないこと言ってみる。
ミスをネタにしてみる。
猫がキーボードに乗った話をする。
そういう「力の抜けた投稿」って、実はすごく反応されやすい。
だって、笑うと人は、つながれるから。
SNSは、ただの道具じゃない
SNSって、アプリでもあり、メディアでもあり、広告ツールでもあるけど、
いちばんの正体は、たぶん「広場」なんだと思います。
そこには、いろんな人がいて、
話したり、聞いたり、笑ったり、ちょっと泣いたりもしてる。
そんな広場で、企業がどうふるまうか。
そこに“人らしさ”が出る気がします。
話す、聞く、笑う。
SNSって、ほんとはそういうこと。
今日も誰かと、ちょっと笑えたなら、もうそれでSNSは成功だと思う。

藤村 正宏

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