アイアン・メイデンからマーケティングを学ぶ|著作権とかはなくなるかも

アイアン・メイデンのフリーミアム

アイアン・メイデン(IRON MAIDEN)ってバンドのマーケティングの話です。

イギリスのヘヴィメタルバンドで、世界で最も成功しているヘヴィメタル・バンドの一つです。
1975年にロンドンで結成され、その後ヘヴィメタル・ブームの立役者といってもいいバンドです。
今でも現役で活動しています。
ボクも何枚かアルバムをもっていて、けっこう好きなバンド。

アイアン・メイデン フランスでのライブ

アイアン・メイデン
フランスでのライブ

このバンドのマーケティングが面白かったので紹介しますね。
音楽がダウンロードされたり、ストリーミングサービスになっている時代になって、パッケージとしての音楽のCDが売れなくなりました。
CDの売上が利益の中心だった音楽産業は痛手を受けたわけです。
お金を支払ってダウンロードだったらまだいいのですけど、世界中で違法にダウンロードされるようになっていきます。

アイアン・メイデンも例外ではなかった。
世界中で彼らの楽曲も、ものすごい数の違法ダウンロードが行われていました。
それを取り締まることはもはや不可能。
制御不能のような状態になった。

アイアン・メイデンは世界中のどの地域で違法ダウンロードが多く行われているのかを調べました。
すると、ソーシャルメディア上のファン層やトラフィックがブラジル、ベネズエラ、メキシコ、コロンビア、チリなどの、中南米から多く集まっているのを発見します。
彼らはここで考えた。
多くの違法ダウンロードをしている人は、ある意味、ボクらのファンだろう。
そう思った。
それだったら、取り締まりをせずに、好きにやってもらって、好きに聞いてもらおう。
そうしたら、ボクらの音楽も、さらに広がり、ファンも増えるだろう。
そして、違法ダウンロードを見逃したわけです。

でも、それじゃ彼らのビジネスは成り立たなくなる。
そこで彼らのやった行動がとても面白い。
なんと、一番違法ダウンロードが多い地域、南米でツアーをやったのです。

これが大成功!

それまでネットでしか聴けなかったバンドが来るということで、チケットはソールドアウト。
物販も、圧倒的に売れた。
今までのコンサート以上に収益を上げたのです。
ブラジル、サンパウロのライブでは、258万ドルの収益。

2011年6月から一年間の間に、SNS上で新たに310万人のファンができ、南米ツアーが終了した2013年には、新しいファンが500万人以上できたのです。

フリーにすることで拡散していく

無料で商品やサービスを提供して、その中のある割合の人に商品を買ってもらう。
「フリーミアム」の手法。
さらにフリーミアムの場合、シェアが起きやすくなります。
結果的にファンが増えていく。
まさにSNS時代のマーケティングのお手本のような成功です。

音楽は複製がカンタンに可能なモノです。
もともとデジタルファイルなんだから。
それは誰でもいともたやすく複製ができる。
それをいちいちお金をとっていたら、手間だけでかかって合わない。
音楽は無料で配り、絶対に複製できないライブと、ライブでしか手に入らないグッズを売った。

逆風を、味方にする、見事なやり方です。
SNSが大きく消費に影響を与える時代、今までの考え方を捨てて、思いっきり逸脱してみる。
そうすると、大きなチャンスに気がつくかもしれません。

今後、著作権や特許などの権利ビジネスは、消滅していく時代になるのかもしれません。

Iron Maiden – The Trooper (Official Video)

The following two tabs change content below.
藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

フォローする