格好いいか、格好悪いか。日本人独特の概念「いき」って、ビジネスにおいても必要なことだと思う。

九鬼周造の「いき」の概念

お正月に放送していたNHKの『100分de日本人論』。

編集工学研究所所長の松岡正剛さんと人類学者の中沢新一さんが出ていたので、面白そうだなって思って、温泉旅館で見たんですけど、これがヤバイほど面白かった。
これはお金を払いたくなるほど見応えがある放送でした。
こんなのを無料で放送できるNHKってすごいです。
ま、正確に言うと受信料を払っているんだけどね。
でもこんなコンテンツを誰でも見られるってすごいです。

昨日録画したものをもう一度見ました。
二回目はもっと深く入ってきた。

松岡正剛さんが紹介していた名著は、

九鬼周造:著『「いき」の構造』。

江戸時代から日本人の生活や文化に根付いている「いき」という概念を、理論的に分析している。
たしかに「いきだねぇ~」とか「いきでいなせ」とか使われているけど、「いき」ってどういうことだ?
そう思う。
「いき」ってなんとなくわかるけど、それを説明せよって言われたら説明できない。
なんとなく、「いき」だなって思ったり、なんとなく「いきじゃないな」って思ったりする程度。
その「いき」の構造を、何が「いき」で、なにが「いきじゃない」のかをロジックにひもといてる本。

「いき」っていうのを「格好いい」に変換して、見ていました。
何が格好よくて、何が格好悪いのか。
いつも考えることです。

九鬼周造は「いき」を、3つの条件が揃ったときに成立すると言っている。
「媚態」「意気地」「諦め」

「媚態」-セクシーで上品がふるまいのこと。
「意気地」-しっかりとした信念をもっているかどうかってこと。
「諦め」-かろやかな諦めと凛としたさわやかな感情。

なるほどな~って妙に納得した。
それをボクなりにもっと具体的にしてみた。

「媚態」
おしゃれなファッションや趣味なんかがそうかもしれない。
行為行動もそうですよね。
あるいは、流行にとらわれない趣味のいい店を知っているとかもそうかも。
たとえば、去年経験したんですけど、出張でANAのプレミアクラスに搭乗した時、隣に座ったおっさんが、ものすごくエラそうだった。
CAの女性を顎で使って、言葉づかいも横柄で、金はもっているようでしたが感じが悪かった。
ああいうのは「いき」じゃないんだな。

「意気地」
しっかりとした信念。
自分の価値観や大切にしていることをしっかりと自覚している。
たとえばInstagramの投稿を見ていると「カッコいいな~」って思う写真と「それってInstagramに投稿しなくても…」という写真がある。
そういうことってありますよね。
Instagramも世界観が非言語で表現されているわけです。
その人の世界観をしっかりと持っているってこと。

「諦め」
未練を断ち切ること。
物事に執着しないこと。
去る者は追わない。
恋愛でいうと、ストーカーなんていうのは、格好悪い最たるものなんだな。
歩み寄るという態度や協調なんかにもつながるかもしれない。

いずれにせよ、「いき」っていう日本人独特の概念は、ビジネスや商売でも通用するんじゃないだろうか。
「いきな店だね」とか「いきな会社だね」って。
見ている最中、そんなことをずっと考えていました。
「いき」って、ビジネスにおいても、とっても大切な概念だと思う。

NHKのこの番組は知識を得るのではなく、見ている人それぞれがどう思考するのか。
そういう知的好奇心を満たしてくれる面白い放送です。
1月25日(24日の深夜)に再放送があるので、見逃した方は見てほしいな。
【『100分de日本人論』のウェブサイト】

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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