伝わるコトバの特徴とは
伝わるコトバを知っているか知らないかで、企業の業績が大きく左右される。
なぜかと言うとコトバはコストがゼロなのにもかかわらず、売上に大きく影響するから。
じゃ、伝わるコトバってどんなコトバでしょう。
それはお客さまとの「対話」になっているかどうか、ということなんです。
キャッチコピーが「野菜不足の解消に」とか「夏の水泳教室開催!」とか「プランタースコップ」とかだと、まったく対話になっていません。
それだったら、「やった~!ボクらは自信マンマン組だ!! 学校の水泳授業が楽しくなる。夏休み短期水泳教室」。
「灰とりならおまかせ。雨どいにぴったり!!きれいにすくえます」のほうが対話になっている。
キャッチコピーが対話になっているかどうかが大事なんです。
共感・共有を創出するために、コトバでいかに表現するかが大切です。
「ああ、そうだよなぁ」とか、「ああ、そうそう」とか、そういう気持ちを感じてもらうためにコトバでいかに表現するか? ということ。
コトバは約束事の集合体です。
例えば「こういうものを“本”と呼びます」というふうにコトバで規定しているわけですよね、約束事として。
これを“本”と呼びますよ、という約束です。
コトバというのは、モノを定義する役割をしています。
これは“本”ですよ。
皆さん、これを“本”と呼びましょうね、って。
コトバというのはそういうものの集合体。
だから、AKB48のファンだけで通じる共通言語みたいなものを、お客さんとの間につくっていかなくてはいけないということです。
お客さんとのあいだの共通言語、共有できるコトバを使っていかなければいけない、ということです。
そのためには対話になっていなければいけない。
一方的にこちらが言うだけで、向こうに伝わらないコトバを使っていて、共有されていなかったら、全く意味がないんです。
だから、対話になっているコトバを使う、ということです。
書き言葉では「エクスマ的思考の推進」となるコトバが
話し言葉にすると「エクスマで考えてみよう」になります。
書き言葉は、対話になっていません。
そういうのは伝わりにくい時代です。
同じ内容であっても、対話になっているかどうか。
「エクスマ的思考の推進」と言われても、あまり伝わってこないでしょう?
一方的過ぎるから。
でも「エクスマで考えてみよう」と言われたら、対話になっていますよね?
だから、話し言葉で伝えたほうが伝わるってこと。
伝わるコトバは、話し言葉ということ。
対話は相手のことを考える
対話するときには、相手のことを考えますよね。
小学校5年生の子にマーケティングについて説明するときに、いきなり「マーケティングには4Pっていうのがあってさ、Pっていうのはね……」というふうには話しません。
小学校5年生の子から「マーケティングって何?」って聞かれたら
「このモノがどうしていいのか? ということをお客さんに伝えることなんだよ。
だって、“これはいいよ”って伝えないと、お客さんは欲しくならないでしょう?
“このミカンは美味しいよ”って言うから、君が欲しくなるのであって、君がミカンにもともと関心がなかったら、ミカンを見ても、ミカンだなと思うだけで欲しいと思わないかもしれないでしょう?
でも、ミカンなのに中がピンク色で、すごく甘くて、見たこともないミカンなんだよ、って言ったら、欲しくならないか?」と言うと、
「欲しくなる」ってその子が答える。
そういうふうにマーケティングを語る。
だって、相手は小学校5年生なんだから。
相手のことを考えなかったら、対話は成り立たないですから。
対話が成り立つというのは、相手のことをちゃんと考えているということ。
お客さんのことをちゃんと考えているということ。
対話をしようという意図をもってコトバを選ぶと、お客さまのことをちゃんと考えることになるから、伝わりやすくなる、
ということなんです。
さらに、書き言葉では、感情や物語が入り込むすきまがすくなくなります。
でも、対話だと、感情的なこともコトバで入れやすくなりますよね?
だから「売れるコトバ」というのは「対話」になっていることが多いってことなんです。
話し言葉で考えてみましょう。
藤村 正宏
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