顧客満足を向上させてもリピーターは増えない―世の中エクスマ思考になってきた

売込みが必要なくなるのが理想

GWも後半になっています。
今朝、キッチンの換気扇の下で、朝の珈琲を飲んでタバコを吸いながら、活躍している塾生さんたちのSNSやブログを見ていました。

神奈川県大和市で『ガナーズ』という美容室を経営している勝村くんの記事を読んで、ひどく納得した。
数日前の記事ですがハゲシク同感。

【売込みが必要ないくらい人気者になろう】

彼の店はリピーターが多い人気店。
サポーターがとっても多い店です。
『ガナーズ』が大好きというお客さまがたくさん存在している。
既存客を死ぬほど大切にしている結果です。

『ガナーズ』の店内 勝村氏のブログより

『ガナーズ』の店内
勝村氏のブログより

美容業界って、なぜか既存客より新規客のほうばかり向いていると思う。
そんなことしていたら、いつまでたっても売込みを続けなければならないってことです。
既存客を大切にすること、顧客満足だけ向上させて安心しないこと、忘れられない努力をすること。
今日のブログはそんなことを書きます。

そもそも忘れられたら選ばれないってこと

顧客満足を向上させても、リピーターを増えるわけではない。
これはもはやあたりまえのことになっている。
「顧客満足」と「リピーター」との間には、因果関係があまりないから。

もちろん、顧客満足の向上の努力は常にするべきだし、それが必要ないとは言いません。
とっても大切なことです。
でも、それだけ向上させていたら、リピーターが増えるかというと、そんな甘いものじゃないということ。

どうして、リピートしないか?
一番の原因は、あなたの店や商品を「忘れる」から。
「マーケティングとはお客さまの『忘却』との戦い」と言ったのはマーケティングコンサルタントの乗山徹氏ですが、その通り。
忘れられた企業や店、商品が選ばれるわけないのです。

忘れられるという原因で、平均的な企業は既存客をたくさん失っています。
既存客は何もしなかったら、1年で20~30%くらい流出していく。
としたら、3年くらいですべていなくなることもあるわけです。
その分の補てんを新規客で補おうとする。
だから利益が出なくなる。
企業の利益の多くは、既存客からもたらされている。
ある意味、新規のお客さまから利益を得られるようになるのは、数年後なのです。
新規客獲得のコストは、既存客を維持する場合と比べると、6倍から12倍といわれている。

だから忘れられないための企業努力が重要なのです。

そのために、ニュースレターを出したり、ソーシャルメディアでコミュニケーションすることが大事なのです。
もしあなたの会社に、既存顧客との関係性を作りだす仕組みがなかったら、すぐにでも作ることです。

お客さまの生活の中に、あなたの会社や店がどれだけ存在できるか。
お客さまの心の中に、あなたの会社や店がどれだけ占有できるか。
まさに、市場シェアよりも、お客さまのマインドシェアを高めることが大事なのです。

既存客より新規客を大切にするのは破滅に向かう

ある美容室の有名全国チェーンの店頭に、

「新規の方カット50%オフ」

というキャンペーンが出ていました。
信じられない愚行です。
ということは、2回目からは100%払わなきゃいけないということです。
初めてのお客さんだけ50%安い。
1回目が安くて、なんで2回目から正規料金払わなきゃいけないのだろう。
「二度と行くもんか」と、多くの人が思うわけですよね。
客をバカにしているのかと思うようなキャンペーンです。
こういうおバカなキャンペーンをやっている店は、滅亡の道をひた走っているといってもいい。

「既存客より新規客のほうがお得」美容業界ではこういうことが当たり前になっているようなふしがある。

こういうことをやっていると、美容業界は疲弊して、どんどん悪い業界になっていくでしょう。
初めてのお客さんを優遇する必要はない。
優遇するのなら、既存顧客です。

しょっちゅう使ってくれるお客さんは、放っておいてもリピートしてくれると思ってはいけません。
絶対にそんなことない。
そして、先述したように、顧客満足を高めたらリピーターが自然に増えるかといったら、そんなこともないのです。
リピーターをつくりたかったら、ちゃんとつくる仕組みが必要です。
美容室はいくらでも替えがある。
別にそこに行かなくてもいいのですから。

そして、これは美容業界だけの話ではないということ。
このような、美容業界がやっている新規の客を優先するシナリオは、決していいことではない。
これはまさに、おなじみさんは来なくていいですよ。
そういうシナリオです。

そんな店や会社が繁盛したり、成功するわけがありません。
だって、6倍から12倍のコストがかかるわけですから。
そして、そんな店は誰も友達を紹介してもらえません。
だって、2回目以降、損するのですから。

既存客を大切にしましょう。
そのためには、顧客満足を高めるたけでは不十分です。
忘れられないような努力をすることが重要なのです。

顧客満足向上とリピーターは比例しないのです。

美容室『ガナーズ』の勝村くんのブログを読んでいて、本当にそう思った。

GWの後半、ゆっくりしてくださいね。

【シリーズ記事】
・ビジネスの流れがエクスマ思考になってきている
・ニーズを聞くな
・ONとOFFを分けるな、公私混同せよ

<これから書く予定 ↓ ↓ ↓>

・差別化するな、独自化せよ
・お客さまは神様ではない
・ロジカルシンキングするから成功しない
・緻密な計画よりも、大雑把で臨機応変な計画を
・ビジネスは戦いではない、戦略思考を捨てよう
・迷ったらどちらが儲かるかではなく、どちらが楽しいかで選ぼう
・関係性が重要

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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