お客さまのニーズを聞いていては売れない―世の中エクスマ思考になってきた

「ニーズ」を聞くな!

今日は朝から、東京汐留にある「パナソニックミュージアム」(パナソニックが運営している美術館)で打ち合わせです。
新しいプロジェクトっていうのは、ワクワクしますね。
というか、ワクワクする新しいプロジェクトができるって、しあわせです。
「パナソニックミュージアム」と「エクスマ」のコラボ企画。
新しいことをやることに決定しました。
第一弾はもうすぐです。楽しみだな。またブログでお知らせしますね。

昨日のブログ

【ビジネスの流れが,エクスマ思考になってきている】

でエクスマの世の中になってきたってことを書きました。
エクスマ思考がだいぶ浸透してきているって実感しています。

たとえば「お客のニーズを聞くな」っていうこともそうです。
随分前にそのことに気づいた。

書籍「やっぱりモノを売るな!体験を売れ!」の第3章の07「売れる商品なんて、ないのかもしれない!?」の花屋さんのバレンタインデーの事例の時です。

「バレンタインデーに、花束を売りたいのですが、去年はなかなか思ったように売れませんでした。何かいいアイデアはないですか?」
以前、ある花屋のチェーン店の社長から相談があった。
そこで商品の組み合わせを考えた。
チョコレートとシャンパンを仕入れ、花束と組み合わせました。
店頭にサンプルを並べ、POPに次のように書きました。

「ヨーロッパでは、花・チョコレート・シャンパンが愛の3大ギフトといわれています。義理ではないあなたの本気が伝わる『最高の恋』のギフトです」

結果は、対前年比で5倍の売上。
そういう事例です。

商品を組み合わせて意味づけする

商品を組み合わせて意味づけする

20代後半から30代前半とおぼしきOLさん3名が、花屋さんの店頭のディスプレイを見ていました。
その中のひとりが「こういうの探していたのよ~」といって、サンプルを手に取った。
そして、購入してくれた。

ボクはその時、「えっ!?」と思ったのです。
だって、彼女はその商品探していたって言うけど、探せるわけがないんです。
だって今まで世の中にない商品だから。

たとえば、この女性にアンケートをとったとしましょう。
「バレンタインデー向けにどういうギフト商品があればいいと思いますか?」
そういうアンケート。
彼女が買った「花・チョコレート・シャンパンを組み合わせた商品」って答えることは、ないと思う。
自分の知識の範囲内で、たとえば「J-POPのラブソングのコンピュレーションCD」なんてことは答えるかもしれない。
でも、未知のものは思いつかない。
一般の消費者は、企業が思っているほど創造力があるわけではないということ。

正確にいうと彼女は「花・チョコレート・シャンパンを組み合わせた商品」を探していたのではなく、そのお店の店頭で、自分が欲しい商品に「気づいた」。
これは「花・チョコレート・シャンパンを組み合わせた商品」というニーズが、最初からあったわけではありません。。
その商品とPOPを見て、ニーズが湧き起こったということなのです。
ニーズは最初からなかった。
商品に出会って初めてニーズが出てくるんですから。

売れる商品というのはお客さまが買いたいと気づいたもの

これって、根本的に「商品開発」というものの考え方を変えなきゃいけないってことです。
よく「若い女の子のニーズに合った商品を開発しよう!」などといって、すぐに調査やアンケートやインタビューをとりたがる会社があります。
でも、最初からニーズというものがない(本当はあるけれど、気づいていない)のだったら、聞いても本当に欲しいものは開発できないって話でしょう。
アンケート調査やグループインタビューの結果をそのまま鵜呑みにして開発しても、売れる商品ができないのは、当たり前のことなんですよ。

顧客がSONYの盛田さんに「ウォークマン」を作ってくれってお願いしたわけではない。
消費者がスティーブ・ジョブスに「iPhone」が欲しいって言ったわけでもない。
ましてや時代劇のファンが池波正太郎さんに「鬼平犯科帳」を書くように指示したわけではないし、映画ファンが黒澤明監督に「天国と地獄」を撮るように提案したわけではない。

消費者の85%以上が「欲しいモノはない」と答えている。
でも、本当はちがうんですね。
実際は欲しいものがないというのではなく「自分の欲しいモノに気づいていない」ということです。
今の消費の本質がここにあります。

売れる商品というのはお客さまが「買いたいと気づいた商品」です。

【シリーズ記事】
・ビジネスの流れがエクスマ思考になってきている
・ニーズを聞くな
・顧客満足を向上させてもリピーターは増えない
・ONとOFFを分けるな、公私混同せよ

<これから書く予定 ↓ ↓ ↓>

・差別化するな、独自化せよ
・お客さまは神様ではない
・ロジカルシンキングするから成功しない
・緻密な計画よりも、大雑把で臨機応変な計画を
・ビジネスは戦いではない、戦略思考を捨てよう
・迷ったらどちらが儲かるかではなく、どちらが楽しいかで選ぼう
・関係性が重要

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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