お客さまの需要を創り出す思考をしよう|クリーニングBeの甲子園クリーニング

飛び跳ねた魚がいたら群れがいるかも

昔、こどもの頃、父親とボクの田舎の釧路にある「春採湖」という湖でボートに乗っていたときに、父が話してくれたことがありました。
湖面を見ているときに、魚が水面から飛び跳ねた。
「魚が飛び跳ねたところには、目に見えないけれど、魚の群れがいることが多いんだ」ということ。
たぶん、そのときは釣りをしていたんだと思う。

消費者からの思わぬ要望(飛び跳ねた魚)の裏には、膨大な同じ需要(魚の群れ)が隠れている場合がある。
そんなことを解説するために、春採湖での父との会話をセミナーですることがあります。

大阪で「クリーニングBe」という会社を経営している壁下陽一くん。
もうエクスマを10年以上勉強しています。
今ではエクスマ塾のサポート講師や自分のブログ塾なども開催していて、クリーニング屋の社長とは思えない活動をやっている。
もちろん彼の会社の業績もいい。
その彼が本業で実施しているおもしろい取り組みを紹介します。
それは「甲子園クリーニング」。
そう、甲子園に出場する選手たちのユニフォームや練習着を洗うサービスです。

それは一本の電話から始まりました。
数年前の夏、長野県の上田西高校を引率する旅行代理店からの電話です。
『明日甲子園に向かうだけど選手達のユニフォームをクリーニングしてくれないでしょうか?』 という相談。
今まで、甲子園の選手のユニフォームのクリーニングなんて考えたことはなかった壁下くん、ただ面白そうなので2つ返事でOKしました。
料金も納期も長野県代表のご希望の通りにクリーニングしました。
ノウハウなんて無かったので値段も納期も言われるがままにクリーニングした。

「あぁ、こういう需要があるんだー」って思ったそうです。
その時、昔エクスマセミナーでのボクの話を思い出した。
前述の魚が跳ねる所に大群がいる可能性があるという話。
ひとつの問い合わせがあれば、同じような隠れた需要は少なからずあるという事例です。

甲子園クリーニングが誕生

甲子園の場合、開会式の一週間程前から現地に入り、甲子園練習はじめ調整を行います。
夏だったこともあり、練習用ユニフォーム、自主練習用のTシャツなどで洗濯物のボリュームはスゴイ量になったそうです。
上田西高校、開会式前の練習から始まり、開会式を終え、結果的に1回戦で敗退しましたが、売上げは20万円ほど。

こういう需要があるなら、メニューを作らないといけないということで、まず、ホームページを立ち上げました。

このホームページから、問い合わせが数件くるようになった。
しかし、お問い合わせを頂いたのは高校球児のお母様達でした。
今までは高校球児のお母さんが現地に入り、選手のユニフォームをコインランドリーでクリーニングします。
練習後からコインランドリーに移動して、日付が変わるくらいまで毎日洗濯… 宿舎からコインランドリーまでタクシーで移動することもある。
30人分のクリーニングは本当にスゴイ量です。
体力的にもツライ。

しかし、全面的に協力出来るお母さんもいれば、仕事でお手伝いできないお母さんもいるのが事実です。
そこで、不平不満が生じる。 お母さんからは『正直、お金で解決出来るなら解決したい』 こんな声もあったそうです。
しかも、コインランドリーは1日1万円を超え、お母さん達の宿泊費、食費、移動費を計算すると、 プロに依頼した方が安いということも判明。
お母様達は、僕たちにクリーニング出すことによって、応援に集中でき、 選手も練習に集中出来る。

それが、甲子園クリーニングが生まれた経緯です。

それをパンフレットにして
2015年夏の甲子園から出場校にこのパンフレットを送り始めました
パンフレット A3二つ折り1枚  A4手書き1枚

日本DM大賞 銀賞のDM

日本DM大賞 銀賞のDM

夏の予選は7月下旬まで地方大会があり、その後すぐに甲子園に向けて出発するので、 レターパック360の速達で送付。

レターパックならすぐに開けてくれそうだし…
結果49校に送付し、問い合わせ6件、成約4件
2016年春のセンバツ甲子園
32件送付 問い合わせ4件、3件成約

お客様の1件の問い合わせから、その需要を想像し、実際に行動してみる。
もしかするとそれは新しい大きな市場を創り出すことになるかもしれない。

ちなみに、この「甲子園クリーニング」のパンフレットは、日本郵便が主催した「2016年日本DM大賞」の銀賞に輝いています。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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