不寛容な時代を生きるために 楽しいビジネスをすること

新幹線に「不寛容車両」ができるかも

先日、劇作家の鴻上尚史さんのエッセイ『世間ってなんだ』<講談社>を読んでいました。
その中で「飲酒可車両が生まれる日」という文章に共感した。

鴻上さんは、大阪に出張の帰りの新幹線で、たこ焼きと豚まんを食べるのが至福の時間だったそうです。
それがある時(2017年頃)よく買う新大阪駅のたこ焼き屋さんで、いつものようにたこ焼きを買って新幹線に乗ろうとしたら、そのパッケージに。

「新幹線車内および駅構内でのお召し上がりはご遠慮願います」

と言う注意書きのシールが貼られていたそうです。

新幹線の中でたこ焼きの匂いがするのはダメなのかなと思い、駅のホームで出発前までの短い時間に必死で頬張った。
口の中を若干火傷しながらもう一度シールを見ると「駅構内でのお召し上がりはご遠慮願います」と書かれている

ホームでもだめじゃん!

新幹線車内で隣の人が文句を言うのはまだわかるけど屋外のホームのベンチで食べるのはどうしていけないの?

鴻上さんは納得がいかなくてネットで調べてみた。
そうするとそれはお店の決断ではなく、JR東海からの要請だったそうです。
「車内でたこ焼きを食わすな禁止しろ」と言う、匂いに対するクレームの電話があったからと言うこと。

さらに最近では551の豚まんもダメなんだそうです。
めちゃめちゃおいしいけどねあれ。
豚まんみたいに強烈な匂いのするものを社内で広げられたら気分が悪くなる人もいるかもしれないけどね。
でも、クレームがあったら豚まんも駅弁も禁止にするって言うことか?
そのうち隣で酒を飲まれると匂いが漂ってきて不愉快だって言う人が出てきたら飲酒禁止になるんじゃないか。

それなら「不寛容車両」という飲食禁止の車両を作ればいい。
そんな話です。
面白かった。

今の企業は1000人に一人くらいしか気にしていないクレームに、気をつかうよね。
他の999人のことは考えない。
それは本末転倒。

不寛容な人が増えているのかもしれないね。

子供は外で大声で遊ぶのが仕事

そういえば、うちのマンションって500世帯以上の人が住んでいる。
広い中庭がガーデンのようになっていたり、木のテラスがあったり、子供にとってはとてもいい遊び場なんだ。
でも今年の夏、エレベーターに張り紙が。

「中庭で大声を出して遊ばないように」

きっとクレームが来たんだと思う。

確かに今はテレワークしている人もいるし、窓を開けていたら、小学生くらいの子供たちの声が響くことがある。
だからクレームを言った人の気持ちもわかるよ、
でもさ、子供は大声をあげて外で遊ぶのが仕事じゃん。
それが子供なんだから。

不寛容だな〜って思う。

不寛容というのは基本的に「自己中心的」で「自分勝手」っていうこと。
自分軸の勝手な正義感で他人の行為を処断する。
「仕事をしているんだから静かにしろ!」
そういうこと。やれやれ・・・

子供の声がうるさかったら、窓を閉めたらいいだけの話。
窓を閉めるとすごい静かになるんだ、このマンション。

自己中心的な大人が増えているから、不寛容が世の中に蔓延る。

きっとビジネスがそうなんだと思う。
自己中心的なビジネスを、何の疑問も持たずにライバルに不寛容になっている。
その延長線上で、人生も不寛容になる。

誰もが、そんなクソ面白くもないビジネスをしないために、僕はエクスマ思想を広めているんだよな。
まだまだ非力だけど、がんばりたいと思います。

【まとめ】
赤ちゃんは泣くのが仕事。
赤ちゃんの泣き声でイライラする人はその人の心に問題がある。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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