カラーマーケティングは重要
先日、近所の「ニトリ」に行って驚いた。
いきなり目立つところに水色のパッケージの商品のディスプレイがあったんですね。
それ自体は驚きでもなんでもなかったんです。
洗剤が新発売になったのかなって思ったくらい。
洗剤には興味がないので、スルーしようと思ったら、ふと目の端にカレーの画像が飛び込んできた。
「え? カレー?」
思わず立ち止まって2度見してしまいました。
カレーに合わない色に驚いた。
水色のパッケージってどう考えてもカレーには合わない。
その意外な組み合わせでお客さまの興味を惹こうとしているのか?
もしそうだとしたら、その計画は失敗だと思うのです。
これから書くことは、ニトリさんを批判する意図は一切ありません。
逆に僕はニトリさんをよく利用しているし(エクスマスタジオのゴミ箱とか備品はニトリが多い)北海道の会社ということで応援もしています。
どちらかというと心配しているのです。
このパッケージの色だとカレーの売上は期待しているほど上がらないと思うから。
色というのは消費者に大きな影響を与えます。
だからカラーマーケティングという分野があるのです。
商品の色、店の看板、店の内装、チラシの色、ウェブサイトの色・・・
気づかないところでお客さまを逃したりすることがある。
だから重要なんです。
多くの場合、食品のパッケージに寒色系の色を使うのはタブーです。
寒色系の色を使ったパッケージは食欲をそそらないということ。
もっとストレートに言うと美味しさを感じられないっていうこと。
だから買わないという結果になる。
美味しく感じられない食品を買う人はあまりいません。
もちろんある種のお菓子、ガムやタブレットなどのミント系の味のものや涼やかさなどをアピールするものには使う場合があります。
でも、カレーやシチューには寒色系はマイナス効果です。
ニトリさんくらいの会社になったら、カラーマーケティングとか色の勉強しているものだと思っていましたが、どうも違うらしい。
マーケティング部に色に詳しい人がいないか、あるいは広告代理店に任せっきりなのかもしれません。
これは売れないだろうなと思った。
色が人に与える印象とか影響とは意外と大きい。
以前僕がエクスマ的カラーマーケティングの方を書いたことがありました。
ラーメン屋さんの看板が青かった場合と赤い場合とどっちが美味しそうに感じるかを調査しました。
圧倒的に赤い方が美味しそうだという回答。
缶コーヒーの調査、こげ茶色の缶と、白っぽい缶。
中身は同じでも、飲んだ感じは、こげ茶色の缶の方が美味しいと答える人が多い。
ある有名な実験の話もあります。
青い部屋と赤い部屋を用意して、そこに目隠しをした人を入れると、赤い部屋の方が体感温度が3度上がるという結果。
<参考にしてみてくださいセキスイハイムの記事>
色というのは光の波動です。
目だけでなく、皮膚からも感じるのです。
たまにカフェやレストランで真っ白の内装のところがありますが、清潔感はあるけど、寒々しいイメージになります。
なんとなくそれを感じて、あまり落ち着かない空間と認識し、リピーターが増えない。
料理が美味しいと感じられない。
色のことを知らない内装デザイナーが作ると、やれやれな結果になる。
色はとても大事です。
無意識のうちに人に影響を与えているのです。
だから、商品のパッケージの色は重要。
見た瞬間、脳が反応する。
水色・・・涼しい・・・冷めている・・・美味しくない・・・食べたくない・・・
水色のパッケージに入っているカレーは、多くの人が美味しいとは思えないということです。
ニトリさんがどんな意図があって、水色のパッケージにしたのか?
もしかすると、ものすごい深い考えがあってそういうデザインしたのかもしれません。
でも一般的に言うと、カレーのパッケージにはふさわしくないと思う。
久しぶりに、20年前に書いたカラーマーケティングの本を思い出しました。
色の勉強のはマーケティング的にとっても重要なことです。
もっと勉強したほうがいいと思うのです。
応援しています。
藤村 正宏
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