Googleはなぜ完全自動運転のクルマを開発しているのか?

JR東海の情報誌「Wedge」に出ていたらもう現実的

Googleの完全自動運転のクルマの話題が、JRの情報誌「Wedge」に出ていました。
この雑誌にとりあげられるということは、もうそのことが、かなり一般的になってきたということです。
以前書いた、世界で一番売れているビデオカメラ「GoPro」も、ウェブ上で話題になってから1年半くらいで、新幹線の雑誌にとりあげられました。
今回のGoogleの完全自動運転のクルマも、ずいぶん前から話題になっていた。

どうして検索エンジンの会社が自動車開発をするのか?
ボクも2010年くらいにこのニュースを聞いたときには、「どうしてGoogleが自動車?」と思ったものです。
でもすぐに、Googleマップがあるし、巨大なクラウドのサーバーを持っているからな、と納得していました。
でも、Googleが作ったクルマって、どうなんだろ。
大学生の遊びの一環で開発する、高度なおもちゃみたいなクルマなんじゃないの。
当時、ちょっとそう感じたのも、事実です。

でもね、その後のGoogleの動きをみていると、どうも「本気」らしい。
世界トップクラスのF1ドライバーのテクニックをプログラムしているのをみて、マジだと思った。
去年のニュースでは、「もはやGoogleの完全自動運転のクルマは現役F1ドライバーよりもテクニックが上」というのが流れてきたくらい。

現在、メルセデスや日産、トヨタなどの自動車メーカーもこの分野に参戦して、熾烈な開発を繰り返しています。
衝突しそうになったら自動ブレーキをかける、スバルの「アイサイト」なんかも、自動運転技術の研究の一環で、出てきた商品ですよね。
JRの情報誌「Wedge」に登場したってことは、将来実現する可能性がある。
そういうことだと思う。

「Wedge」12月号

「Wedge」12月号

その「Wedge」の記事では、面白かった。
「現在のところ、関係者からは、IT企業が完成車メーカーに代わって自動車業界を席巻するかもしれないといった危機感は聞こえてこない」
え? 危機感もったほうがいいよ。
インタビューで登場している、トヨタ自動車の顧問の人もIT企業が自動車を製造販売する未来を否定している。
それは甘いと思う。
そんなふうに安心していると、またGoogleに、今度は自動車のプラットフォームを独占されてしまう。
やれやれ。

どうしてGoogleが自動車に目をつけたかを推測してみよう。

Googleはすごい会社だと思う。

世界の地図情報を独占している企業ですよ。
世界一のサーバーを持っている企業ですよ。
利益率がとってもいい企業ですよ。
とてつもなく優秀で、子供みたいに面白い人材が、たくさんいる企業ですよ。
とんでもない破天荒なことを考える、そんな企業ですよ。
組織でがんじがらめになっていて、いまだにソーシャルメディアをすることを社員にすすめていない、ある意味真面目だけど、カビがついた体質の、どこかの日本企業とはちがうんです。
想像もできないことを考えている。
ボクは、Googleが世界を変えるようなことを考えているんじゃないかと思うんです。

Googleはどうして完全自動運転のクルマを必死で開発しているのか?
もちろん、交通事故が極端になくなった理想の社会をつくりたいというのもあるかもしれない。
でも、企業ですから、収益だって見込んでいるはず。
それはGoogleのビジネスモデルの本質を考えてみると浮かんできます。

Googleの基本的ビジネスモデル。

無料で便利なサービスを提供して、たくさんの人に使ってもらう。
そして、広告収入を得る。

これです。
だったら今回の話題「Googleの完全自動運転のクルマ」も、本質的には同じだと思う。

世界中の街に、Googleの無人タクシーが走っている。
東京もニューヨークもパリにもベルリンにも。
無人タクシーの車体や天井には、企業の広告が目立つようになっている。
電飾の広告もあるかもしれない。
音も流れているかもしれない。
さらに、その無人タクシーは、利用料が無料。
一般の人は、そのタクシーに無料で乗れる。
どこまで行っても、どんなに距離を走っても、無料。
社内に乗り込むと、乗客の個人情報をさっと読み取り、その人に合わせた広告が出てくる。
タクシーの車内では、ずっと広告の映像が流れている。

過去にどういう検索をしたのか。
どういうwebサイトを見たのか。
どこに行ったのか。
どこのレストランで食事をしたのか。
どういう料理、どういう遊び、どういう趣味をもっているのか。

そいうい乗客のコンテクスト(世界観)を一瞬でスキャンして、たとえばあなたがフランス映画が好きで、お寿司が好きだとしたら、来月公開になるフランス映画の予告編が流れたり、銀座にオープンしたばかりの、クチコミで評判のいい寿司屋の広告映像が流れる。
広告も面白い。
だって、自分の好きなことに関する広告だから。
YouTubeで楽しむこともできるけれど、必ず企業の広告を見てしまう。

そんなことを狙っているんじゃないだろうか。
そう思うんですよ。
(そういう世界が良い世界か悪いかといいうことは関係ない。また別の話しだからね)

自動車にITテクノロジーを入れようとしている、自動車メーカーと、ITテクノロジーのインフラを使ってそれを自動車に活用しようとしているGoogle。
どちらが優勢か?
ボクはもちろんGoogleが主導権を握ると思っています。
視点がちがうから。
それに、各自動車メーカーが自動運転のクルマを作っても、Googleのマップシステムとクラウドを使わなきゃならないんですから。

博多から新大阪の新幹線、10号車11Dの座席で「Wedge」を読んでいて思ったのは、概ねそんなことだ。

【参考に】完全自動運転の世界になったらこんなことになる

ラッシュアワー

The following two tabs change content below.
Avatar photo
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
—————————————————————

現在募集中のセミナーや講座

————————————————————–

・4/5(水)[リアル開催]エクスマトークセッション
「エクスマ的Instagramのビジネス活用」


Instagramをビジネスに活用したいけど うまくできていないっていう方へ
ぜひこのセミナーに来てください 。
Instagramを活用して、ビジネスの可能性を広げよう!

【4/5 エクスマ的Instagramのビジネス活用セミナー】

・4/19 午後2時 エクスマトークセッション in エクスマスタジオ

トークセッションは、少人数制の10名限定です。
僕のセミナー(約1時間)
エクスマの基本やSNSのビジネス活用、販促の基本など

その後参加者さんからの質問や相談に応えます。
そんな感じで、皆さんとトークを楽しみながら、グループコンサルのような形式でやります。

自分の話をしたくない人は、話さなくても大丈夫(笑)
聞いているだけでも充分楽しめるように進行します。
詳細は以下のブログから見てね。

【4/19 午後2時 リアル開催 エクスマトークセッション】

・4月20日(木)午後1時『エレメントE』映画のことを話そう

エクスマ塾生だけが参加できるリアルセミナーです。
映画をテーマにトークをしていくセミナー。
毎回さまざまな映画を取り上げ、僕がどういう視点で映画を見ているか、参加者さんがどんなふうに映画を観ているか。
そんなことをみんなで話します。
映画を観るということは、楽しい時間を過ごすってこと以外にもいいことがたくさんある。

・生きられない他人の人生を生きることができる
・知識や教養を身につけることができる
・人間的な魅力が増す

エクスマ塾生には一度は体験してもらいたいセミナーです。参加表明お待ちしています。

【4月20日(木)午後1時『エレメントE』映画のことを話そう】

・2023年オンラインエクスマ塾

2023年のエクスマ塾は105期、106期、107 期
エクスマ塾ってどんなことやるの?
どんなことが得られるの?
そう思った方は以下から詳細をみてね

【募集中】2023年オンラインエクスマ塾

・【エクスマ塾生限定】エクスマTikTokアカデミー「ショート動画特訓塾」インスタリール、YouTubeショート、LIVE配信にも対応

ショート動画はまだブルーオーシャンです。
見ている人がすごく多いのに、発信している人はとても少ない。
自分に合ったコンセプトを発見したら、成功しやすくなる。
だから、早めにやった方がいい。

でも、ショート動画をビジネス視点で活用、発信するのは、独学ではかなり難しいのも事実。
そこで今回、エクスマ塾生さん向けに、TikTokとショート動画を特訓する講座を企画しました。

詳細はこのブログから見てください

・【エクスマ塾生限定】「エクスマ学院」

「エクスマ学院」は、今まで知らなかったことを知って、興味を持ったり、ワクワクする場。「遊び」と同じです。
学ぶことは楽しい! 学びは人生の中で最高のエンターテインメントですよ!

エクスマ学院は、一見ビジネスとは関係ない様々な講座を実施します。
歴史、文学、音楽、美術、物理学、心理学、映画、食、テクノロジー
などの講義とワークをします。

【エクスマ学院3期募集中】

・エクスマ初期3部作電子書籍で発売開始!

第一弾として2001年に発売された「『モノ』を売るな!『体験』を売れ!」が発売されています。以下から見てね。

『モノ』を売るな!『体験』を売れ!電子書籍

 


・講演依頼

オンラインでもリアルでも講演の依頼は大歓迎です。
社内研修、業界団体、勉強会、なんでも気軽に依頼してくださいね。 

【講演依頼はここから】

・エクスマショップ

僕がデザインしたエクスマオリジナルアイテム、Tシャツやパーカーなどを売っています。ここだけでしか買えません。一度見に来てね。

【エクスマショップ】

・藤村正宏のメルマガ

僕のエクスママガジン<無料>です。

【藤村正宏のメルマガの登録はこちらから】

僕のInstagramやTwitterをフォローしてくれたら嬉しいです!
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • tiktok
エクスマ思考マーケティング今を読む
藤村 正宏をフォローする
マーケティングコンサルタント藤村正宏ブログ
タイトルとURLをコピーしました