POPで有名になった店なのに、POPが!?
この間、大阪の堺市の「ハッピー薬店」に行ってきました。
もう10年来になる、ボクの塾生さん、橋本 亨さん(ハッピー)が経営している薬屋さんです。
ここで大きな発見があった。
「ハッピー薬店」は大阪の堺市にあります。
面白いPOP、効果的なPOPがたくさんある薬屋さんということで、ボクの周りでは有名になりました。
ボクの本でもたくさん事例が紹介されています。
もちろんブログやメルマガでも紹介している。
POPで売上を上げて、20年以上増収増益を続けてきました。
たとえばよく事例に使っていて、本にも紹介した「リポビタンD」のPOP。
このPOPで高いほうがよく売れるようになる。
あるいは、風邪薬のPOP。
これはモノではなく、体験を売るという事例の解説にぴったりのPOP。
その他にもたくさんの名作POPを生み出してきた、伝説の店です。
それが、なんと、今ではPOPが一枚もない。
ホント、全くなくなっていました。
驚きです。
だって、こんな店内ですよ。
薬屋だってことが信じられません。
激変している環境での商売の理想を見た
塾生さんの大河ドラマ税理士、山本やすぞう君(わいわい)と一緒に店に行きました。
わいわいが、「スコットが飲んでいる血液がサラサラになるサプリはどれですか?」
とボクに聞いてきました。
(ちなみにボクは塾生さんたちから「スコット」って呼ばれています)
ボクは橋本君に言いました。
「ボクの飲んでいる血液がサラサラになるサプリが欲しいって」
そうすると、カウンターの中にいた橋本君が言いました。
「え?わいわいは、必要ないよ。タバコ吸わないし、糖質カットしているんだから。何が問題なの?」
「いや、最近目がしょぼしょぼしていて、疲れが溜まっているみたいだから」と、わいわい。
「だったら、これがいいよ」
橋本君は、大きめの瓶に入った錠剤のサプリを出しました。
そのサプリは「バランスター」という商品名で、牡蠣のサプリです。
ボクもいつも飲んでいるモノです。
たしかに疲れがとれたり、元気になったりする。
ボクは思わず言いました。
「あ、それボクも飲んでいる。とってもいいよ」
「じゃ、それ買います」
即決です。
わずか30秒くらいの出来事です。
すごいです。
サプリの価格はたしか43,000円くらいだったと思う。
たった30秒で、価格も知らずに買うことになった。
わいわい:「いくらですか?」
橋本君:「128,000円」
わいわい:「あ、持ってるかなぁ」と財布を出す。
橋本君:「冗談だよ、4か月分で43,000円」
どうしてPOPが一枚もないのか、その理由がわかった瞬間でした。
もうPOPなんて必要ないくらい、ビジネスモデルができている。
悩みとか問題があって、それを相談する。
それにアドバイスしながら商品を紹介。
そうすると、別の友人とかが「それ、いいよ」と言う。
そうすると、即購入。
価格も見ないで、購入を決定。
既存客になったお客さまと、ニュースレターやメルマガ、ソーシャルメディアでコンタクト。
リピーターになる。
リピーターになった人は紹介してくれる。
こういう流れができあがっているってことです。
お客さまと深い関係性を作っている薬店だということ。
だから一見のお客さまが、フラっと入店することはありません。
新規客は既存顧客からの紹介なわけです。
ある意味、現代社会において、理想の商売です。
もしかすると、こうなってしまったら、もう販売促進はしなくても十分やっていけるかもしれない。
世の中は変わっている。それもハゲシク。
ボクたちもその変化の流れに、逆らうのではなく、流されるのでもなく、流れに乗ることが大事です。
変化を受け入れ、それを生かすこと。
それが流れに乗るということです。
ハッピー薬店の革命的な店舗を体験しながら思っていたのは、概ねそんなことだった。
藤村 正宏
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