脱力できる人から「思考のOS」は書き換わる
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【AIは能力格差ではなく「思考OS」の差かもしれない|AIを毎日使っている人はまだ10人に1人】
で、思考のOSの話を書きました。

AIの話をすると、どうしても「使いこなす」「乗り遅れない」「学ばなきゃ」という空気が立ち上がります。
でも、ぼくは最近、それとは真逆のところに答えがある気がしています。
AIと上手に付き合っていく、最も大切な態度は、脱力だと思うんです。
脱力できる人から、思考OSは書き換わっていく。
力を入れている人ほど、切り替われない
新しい道具が出てくると、真面目な人ほど、こう考える。
・ちゃんと理解してから
・正しく使ってから
・失礼のないように
・間違えないように
この姿勢自体は、悪くないんです。
でも、AIという存在に対しては、これがブレーキになることが多い。
なぜなら、AIは
完成度の高い思考より、途中の思考と相性がいい
からです。
脱力とは「サボる」ことではない
ここで言う脱力は、怠けることでも、考えないことでもありません。
脱力とは、思考にかかっている無駄な緊張を外すこと。
・ちゃんとしたことを言わなきゃ
・賢く見せなきゃ
・意味のある質問をしなきゃ
こうした力みを、いったん横に置く。
すると、思考は止まらなくなる。
AIは「ちゃんと考える人」より「考え続ける人」が好き
AIを毎日使っている人を見ていると、ある共通点があります。
それは、
雑なまま、話しかけている
ということ。
・まとまっていない
・結論がない
・途中でひっくり返る
・言ってることが変わる
でも、それでいい。
AIは、
「正しい問い」より
「動いている問い」に反応する。
脱力している人ほど、思考が流れ続けるから、結果としてOSが自然に書き換わっていく。
OSは「努力」で更新されない
思考OSの切り替えは、勉強量や努力量で決まるものではありません。
むしろ、
・失敗してもいい
・ズレてもいい
・言い直してもいい
・やり直してもいい
そう思えた瞬間に、パチッと切り替わる。
OSの更新とは、
知識の追加ではなく、前提条件の解除
なのだと思うのです。
脱力できる人は「一人で背負わない」
脱力できる人は、
一人で考え込まない。
・途中で投げる
・弱音を吐く
・わからないと言う
・誰かと考える
AIは、その「誰か」の役割を、黙って引き受けてくれる存在です。
だから、脱力できる人ほど、AIと相性がいい。
年齢も立場も、関係ない
これは若い人だけの話ではありません。
むしろ、
・経験がある人
・責任がある人
・立場がある人
こういう人ほど、脱力するのが難しい。
でも、だからこそ、一度力を抜けたときの変化が大きい。
「ちゃんとしなきゃ」を降ろした瞬間、思考OSは一気に軽くなる。
AI時代に必要なのは「がんばる力」ではない
これからの時代、必要なのは努力でも根性でもありません。
必要なのは、
考え続けられる状態を保つこと。
脱力できる人は、考え続けられる。
考え続けられる人は、AIと対話し続けられる。
そして気づいたら、思考OSが、いつの間にか書き換わっている。
脱力は、最大のスキルになる
AIがどれだけ進化しても、人間に残るのは、
・違和感
・遊び心
・余白
・曖昧さ
だと思う。
それらはすべて、力を抜いた状態からしか生まれないんじゃない。
そう思うのです。
だから、脱力できる人から、OSは書き換わる。
ゆっくりと、気づかぬうちに・・・でも確実にね。
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