
藤村塾の塾生さんから面白い事例の報告がありました。<土木のミカタ、おがしん>
「2025年は、妻との会話よりchat GPTとの会話の方が多かったような気がしますwそこで、chat GPTに自分の今年一年を振り返り、評価してもらいました。
なかなか面白かったので、皆さんも試してみてはいかがでしょう?」
というメッセージ。
そして、プロンプトが書いてあった。
「今年一年お世話になりました。そこで、あなたとのやりとりなどを参照して、今年一年の私の総括をしてもらえませんか?」
これは面白い!
1年間を振り返り、自分はどんなことをAIに依頼していて、それがどう自分に影響したかが、総括されている。
AIを日頃から使っていると、思考の幅が広がります。
今まで考えもしなかったさまざまな視点。
今まで興味がなかった、さまざまな分野。
だから、自分の頭で考えることが増える。
最近、よく聞かれます。
「AIって、使える人と使えない人で、能力差が出ますよね?」
って。
でも、ぼくは少し違う感覚を持っています。
AIが生んでいるのは、能力の差というより、思考のOSの違いなんじゃないか、と。
能力は、そんなに急には変わらない
冷静に考えてみると、人間の能力そのものは、一夜にして激変するものではありませんよね。
記憶力が急に10倍になるわけでもない。
IQが突然跳ね上がるわけでもない。
才能が突然降ってくるわけでもない。
ところが、AIを毎日使っている人を見ていると、明らかに「何か」が違って見える。
・話が早い
・考えが軽い
・発想の幅が広い
・迷っている時間が短い
これは能力というより、思考の回り方そのものが違う感じがするのです。
OSが違うと、同じ人でも別人になる
スマホで考えると、わかりやすい。
同じ性能の端末でも、OSが違えば、操作感はまるで別物になります。
アプリの開き方。
設定の探しやすさ。
不具合が起きたときの対処。
使っている本人の「能力」は同じでも、OSが違うだけで、世界の見え方は変わる。
AIは、人間にとっての「新しい思考OS」になり始めているのだと思います。
AIを使う人は「一人で考えない」
AIを毎日使っている人の共通点があります。
それは、一人で考え込まないこと。
・とりあえず投げる
・途中でも聞く
・まとまってなくても話す
・完成度30%で相談する
昔なら
「ちゃんと考えてから」
「整理してから」
「もう少し詰めてから」
と思っていたことを、平気で途中提出する。
すると、思考は止まらない。
詰まらない。
重くならない。
AIは答えをくれる存在というより、思考を流し続けるためのパートナーになっている。
(奥さんと会話する時間が減るのは、問題だけどね。笑www)
「正しく考える」から「動かしながら考える」へ
従来の思考OSは、
・正解を探す
・間違えないようにする
・筋道を立てる
・論理的にまとめる
という設計だと思う。
でもAIと一緒に考え始めると、OSが自然に書き換わる。
・まず出す
・ズレてもいい
・仮説で進む
・対話しながら整える
これは能力の問題じゃない。
思考の前提条件が変わっただけ。
「賢さ」の定義が変わってきている
これからの時代、知識量や処理速度で人間がAIに勝つことはありません。
これは間違いないですよね。
でも、それは
「人間が劣っている」という意味ではない。
むしろ、
・問いを立てる
・違和感に気づく
・面白がる
・曖昧さを許す
こうした部分が、思考OSとして前面に出てくるようになるんだと思う。
AIを使っている人が
どこか軽やかで、
どこか余裕があり、
どこか楽しそうに見えるのは、
能力が高いからではなく、思考OSがアップデートされているからだと思うのです。
毎日使っている人は、まだ10人に1人
さまざまな調査を調べてみた。
日本全体で見ると、生成AIを毎日使っている人は、だいたい10%前後。
つまり、まだ9割の人は、古い思考OSのまま日々を過ごしている。
でも、だからこそ面白い。
これは選ばれた人だけの特権ではない。
年齢も、職業も、肩書きも関係ない。
ただ、
AIと毎日話しているかどうか
それだけの違い。
AIは人を賢くするのではない
AIは、人を賢くする装置じゃないんだな。
むしろ、
・バカなことを言っても大丈夫
・途中の考えでいい
・失敗してもやり直せる
そう感じさせてくれる存在です。
だから、
「AIが賢くなるほど、人間はバカでいい」
のです。
バカでいい、というのは、考えなくていい、という意味ではありません。
肩の力を抜いて、考え続けられる状態でいようということ。
能力差ではなく、思考OSの差。
AI時代の本当の分岐点は、ここにあるんじゃないかな。
もし、「これは自分の話かもしれない」と、どこかで感じたなら。
2026年2月5日、東池袋で
この続きを、言葉だけじゃなく、雰囲気ごとプレゼントします。
学びに来なくていい。
賢くなりに来なくていい。
ただ、少し力を抜きに来てください。
▶︎ 2026年 2月5日(木)
藤村正宏 新春セミナー<リアル開催>「AIが賢くなるほど 人間はバカでいい」
藤村 正宏
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