AIが答えを出せない「好き」の正体

「なんとなく好きなんだよね」

「どうしてそれが好きなの?」

そう聞かれて、うまく答えられなかったことはありませんか。

「なんとなく落ち着くから」

「理由は分からないけど、胸がざわざわするから」

そんなふうにしか言えないことって、ありますよね。

好きになる理由を、あとから説明できることもあります。色がいいとか、使いやすいとか、音が心地いいとか。でも、最初に心が動いた瞬間は、案外うまく説明できないものです。

理屈を考える前に、もう好きになっている。

その「なんとなく」の中に、人間らしさがあるんだと思う。

AIは、たくさんのデータをもとに「あなたがこれを好きになる確率」を計算して、好みに合いそうなものを勧めてくれるでしょう。便利だし、思いがけない出会いをつくってくれることもあります。

でも、理由のない一目惚れや、説明のつかない直感の震えは、データだけではとらえきれない。

それは、これまでの経験や記憶、その日の気分や体調、目の前の空気まで重なって生まれるものだからです。

商いでも、似たことが起きている。

お客様が商品を選ぶ理由には、値段や機能、品質があります。でも最後の決め手は、「なんかこの人が好き」「この店にいると落ち着く」といった、言葉にならない感覚だったりする。

スペックの比較だけでは、説明しきれない魅力がある。

だから、自分の「好き」を大切にしましょう。どうして好きなのか、きれいに説明できなくてもいい。人に理解されるように、理由を整えなくてもいい。

「なんとなく好きなんだよね」

その気持ちを、自分の中で大事にして、面白がってみる。そこから、自分らしい表現や商いが生まれてくることがあるかもしれない。

AIが答えを出せない「好き」を、もっと誇らしく語っていこう。

2027年1月22日の新春エクスマセミナーで、直感と感性がひらく新しい商いの扉を一緒にお話しします。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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