オータム・リーブス 枯葉
高校生のころ、日曜日になると、昼間から夜にかけてジャス喫茶『ジズイズ』や、地下の珈琲屋さん『仏蘭西茶館』に入り浸っていた。
何の目的もなく、ただただ、ひとりでコーヒーをのみ、煙草を吸って小説を読んだ。
カミュの『異邦人』や、カフカの『変身』、セリーヌの『夜の果てへの旅』を読んだのも、その頃だったかもしれない。
時々、同じ学校の友人がやってきたり、ちがう学校の女の子が遊びにきたりもした。
たくさんの古いJAZZのレコードを聴き、たくさんの小説を読んだ。
まだあまりJAZZに詳しくなかったらから、片っ端から『ジズイズ』でかかるレコードのライナーノートをメモして、知識を蓄えていった。
高校2年生の秋。
キャノンボール・アダレイの「サムシン・エルス」をはじめて聴いた。
その演奏は、ボクの感情のある部分を刺激し、宿命的に、いやおうなく、魅せられた。
それから何十回となく、同じレコードを聴いた。
秋の匂い
冬に向かって弱まっていく午後の日差し
濃いブラックコーヒー
タバコの吸い殻
買ったばかりのコート
不明瞭な理由での不安や切なさ
若さという冷たい孤独
「サムシン・エルス」に入っている「オータム・リーブス」の演奏は、今でも、あのころの、あの場所にボクを連れ戻す。
それは、秋の終わりのある一日が、フェルメールの絵のように切り取られ、ボクの心の奥のほうに、残っている、そんな感じ。
このアルバムはリーダーがキャノンボール・アダレイになっているが、実はマイルス・デイヴィスがリーダー。
それは演奏を聴くと、明らかにわかる。
マイルスの方が目立っているから。
レコード会社の契約の事情で、マイルスがリーダーとして表に出られなかったもの。
冒頭の「オータム・リーブス」だけでも聴く価値のあるアルバム。
ともかくハードボイルドにカッコいい。
マイルスのトランペット、キヤノボールのサックス、ハンクジョーンのピアノ。
とても切なくて、きっちりとしたJAZZの演奏。
そして・・・とってもカッコイイ。
まるでJAZZの魅力がこの1枚に、すべて入っているようなアルバム。
そして思う、どうしてマイルス・デイヴィスっていう人は、こんなにカッコいいフレーズしか吹かないのだろうと。
カッコいい生き方をした人はディテールまでもカッコいい。
それが世界観なんだろうな。
サムシング・エルス (FULL ALBUM)
会社や経営者の世界観が大事な時代だと思う
以前のマーケティングは、新規客を獲得することに、エネルギーのほとんどを注いでいました。
そのために、販促や宣伝をして、自社の新しい商品や、店のキャンペーンを伝えていた。
でも、今は、消費者が自ら発信できる「デジタルプレゼンス」を二つ以上持っている時代になった。TwitterとかInstagramとか、SNSのこと。
企業からの一方的な情報は、見向きもされなくなりつつあります。
今の時代は「SNS上でどう語られるか?」が大事なのです。
そんな時代には、商品の差とかは、あまり意味がない。
どんなにいい商品でも、それが伝わらなかったら、ないのと一緒なのです。
SNS上では「世界観」がとても大事です。
その会社の世界観を出さなければ、語ってもらえない、選んでもらえない時代になると思う。
世界観というのは、どういうものが好きで、どんな考え方、思想を持っているか、どんなコンセプトでビジネスをしているのか。
概ねそんなことです。
販促や宣伝といったプロモーションの考え方を変えなければならない。
マーケティングの考え方も変えなければならない。
そうでなければ、競合と比較して、より安く、より多く、より早く、しなければ売れない時代になったのです。
でも、それって結構しんどいよね。
そうならないために、SNSで世界観を発信して、共感してもらうことなんです。
豊かなビジネスをしたいと思ったら、ぜひエクスマに触れてみてください。
藤村 正宏
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