ブログの文章構成は「起承転結」ではない

ブログの構成は大事

ブログを書こうかなって思って、頭を抱える。
伝えたいことはたくさんある。
でも、どこから書いたらいいかわからない。
いつも悩んでしまう。
そういう人のために、今日はブログの構成のことを書きます。

最初にブログの全体構成を考えます。
どういうふうに「伝えたいことを伝えるか?」
ブログの全体構成というのは、とても重要な要素です。
これがしっかりできていないと、あなたのブログは、目的が曖昧になって、何を言っているのかわからなくなります。
伝えたいことが、伝わらなくなるのです。

では、全体構成はどういう考え方でやればいいのでしょう?
普通の場合、ここで考えるのが、「起承転結」じゃないですか?
そうそう、小学校の時、作文の時間に教わった構成方法です。
あなたも、一度や二度は教わったでしょ。

でもこの「起承転結」がダメなのです。

起承転結でなかったら、どう考えるのか?

文章の書き方の本などには、構成は「起承転結」をしっかり考えなければならないと書いてあるモノもあります。
でもブログは、それでは通用しません。
まどろっこし過ぎて、よけいなものが多すぎるのです。
起承転結では、「承」くらいでもう見てもらえません。

情報の流れが、想像以上に速くなっています。
その情報の速さに合わせることのできない人や企業は、生き残れないのです。
社会の動きが、より速く変化していっています。
ブログも、それについていけるスピードが必要なのです。

「起承転結」ではなかったら、どういうふうに構成すればいいのでしょう。
我が国の伝統芸能の中に、ヒントになる考え方があります。
日本オリジナルの方法で、現代社会のテンポの速さにはぴったりの考え方です。

それは「序・破・急」です。
ブログは「序破急」のテンポで展開させます。

「序破急」は能の劇作法

「序・破・急」とは、世阿弥が伝えている能の基本理念です。

『あらゆる物事をつうじて序破急ということがある…』
と、世阿弥は『風姿花伝』の中で言っています。

能の構成演出の根本的理念で、序~ゆったりとした導入、破~主要な展開、急~短く躍動的な終結を意味しています。
一日の能の構成から、一足の足の運び方まで、この理念が支配しているのです。
劇作法、演技、舞台美術、音楽、すべてがこの「序・破・急」の構成になっています。

『風姿花伝』とは、世界で最初に演技論を体系化した本で、能だけではなく、さまざまな伝統芸能に影響を与えています。
六百年前の芸術論。
本当にすごいんです。
ボクは大学の専攻が演劇学だったもので、学生の頃からの馴染みのようになっていますが、何度読んでも、感心してしまいます。
まだ読んだことがない方は、是非一読をおすすめします。

「創造」ということの根源といっても大げさではない、そういう「哲学」を表している書物で、奥が深いのです。
芸術のことだけでなく、マーケティングのことや、仕事のことなどでも、多くの気づきがありますよ。
さて、世阿弥は他にも、序・破・急のことを述べているものがあります。
『花鏡』の「序破急之事」に、『ひとさしの舞を、序・破・急という変化の秩序にあてはめるように構成し…』と書いています。
「序・破・急」は、何か統一された時間に、必ず必要とされたテンポなのです。

序破急は能楽の劇作法 <ウィキペデアより>

序破急は能楽の劇作法
<ウィキペデアより>

たとえば、能の劇作法で見てみましょう。
能の、シナリオの構成のしかたです。
能の構成は、

『序』で、静かにゆっくり「事」がはじまる。
『破』で、突然「事」が広がり、ドラマティックな展開になる。
『急』で、急速に完結していく。

という3段階の構成になっているのです。

映画の予告編は「序破急」構成になっている

たとえば、映画の価値を伝える「予告編」ってあります。
良くできていると思いませんか?
本編の映画より、よくできていることがあります。
映画の予告編というのは、この3段階の構成になっているのです。
映画の予告編、構成はほとんど「序・破・急」です。

『序』:最初に印象的なキャッチコピー
『破』:内容を観たくさせる展開部
『急』:結末を予想させるドラマティックなエンディング

そう思いませんか?

「構想8年総制作費○○億ドル!!」だとか、有名監督だと「フランス映画の巨匠~感動巨編」だとか、「スクリーンが涙で見えない」、「今明かされる真実」などなど。
「今世紀最高の愛の物語<ニューヨークタイムズ紙>」や「間違いなく、あなたは泣くでしょう<CBSエンターテインメント・キャスター○○○○>など興味を惹くコピーが真っ黒い画面いっぱいに現れるパターン。
(これが「つかみ」(序))
そして、ストーリーを垣間見させながら、意味深なセリフのシーンを集めて「なんだ?どういう意味だ?」と疑問をいだかせたり、良いシーンを途中で切って「もっと見たい!」という感情を興させたりする。
(これが「展開部」(破))
最後にクライマックスの感動的シーンを、ちょっと見せたり、主題歌のサビをもってきてジンとさせたり、あるいは、ここにもキャッチーなコピーを持ってきて、とどめにする場合もある。
(これが「結末」(急))

映画「雨の朝巴里に死す」の予告 <ウィキペディアより>

映画「雨の朝巴里に死す」の予告
<ウィキペディアより>

限られた短い時間で、観客の注意を惹き、興味を持たせ、観たいという感情を引き起こすわけです。
良くできた予告編っていうのは、こういう構成になっています。
これって、起承転結では長過ぎるでしょ。
「序・破・急」になっているのです。

落語も3部構成になっている

「序・破・急」が他にも使われている例があります。
日本人ならほとんどの人が知っている、「落語」です。

この落語、やっぱり「序・破・急」の構成になっています。
一席の落語は、3つの部分にわかれているのです。
まくら(導入部)
本文(展開部)
オチ(終結部)
ね、これって「序・破・急」にも対応させて考えることができるでしょ。

特に落語の場合は、命と言っても過言ではない「オチ」が重要ですよね。
サゲとも呼ばれています。
咄のラストに用意されている笑いで、ここでどっとわかせることで咄は完結するわけです。
ラストへ向けて話を盛り上げ、一気に落とし、それをもってきっぱり終わるのです。
(だから「落語」っていうんですけどね。)

落語も「序破急」 <ウィキペディアより>

落語も「序破急」
<ウィキペディアより>

「序破急」構成を、ブログに対応させる

ブログの構成は、「起承転結」ではなく「序破急」で考えた方がいい。
ブログの構成を、この「序破急」に対応して考えてみましょう。

『序』 「つかみ」の部分です。
ブログで言えば、タイトル。
タイトルがとっても重要です。
もちろんタイトルと内容が合っていなければなりません。
目次がある場合は、目次も入りますね。
ここで、ぐっと、つかまなければならないわけです。
あなたのブログ記事に興味をもってもらうわけです。
「今日はソーシャルメディア時代にSNSを使って売上を上げるカンタンな方法を書きます」
などと、伝えたい読者がどんなことに興味を持っているかを考え、リード文としてこういう書き出しにすることもあります。

『破』 「伝えたいことの展開」の部分です。
コンテンツです。
ここに伝えたいことを展開していきます。
伝えたいことをわかりやすく書く。
注意することは、ブログ1記事の「目的」は、ひとつにするということ。
伝えたいことに集中する。

たとえば今読んでいる記事の伝えたいことは「ブログ文章は3部構成にするといい」ということを伝えたいわけです。
それを「能の劇作法」「映画の予告編」「落語」そして「ブログへの対応」と進めているんですね。
それぞれ3部構成の例を紹介する部分を、最初に箇条書きにしているわけです。

『急』 「結論」の部分
まとめです。
どういうことを伝えたかったのかをもう一度繰り返してまとめたりします。

ブログはおおまかに言うと、このような構成にすると、書きやすくなります。

まとめ

ブログ文章の構成は「序・破・急」の3部構成で考えてみましょう。
きっと書きやすくなると思います。
あなたのブログが素晴らしいメディアになることを祈って。

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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