ビジネスで成功したかったら、ムダなことをたくさん経験すること

ムダなことが豊かなことになる

いかにムダなことをたくさん体験してきたかで、人の奥深さが決まっているような気がする。
この人はすごいムダなことばかりやってきたんだろうな。
だから話していて面白い。

昨日、ボクの塾生さんのブログを読んでいて思った。
「ムダなことを経験してきた人は、やっぱりちがうな」
そういうこと。

だいたい、いつもヘン顏の自分の写真をFacebookやブログで投稿している。
雪国に行ったら、大きな氷柱(つらら)を鼻の穴に突っ込んだ画像とか、口から大仏が飛び出ている画像とか、ストローを長くつないでアイスティーを飲む画像とか。
今年50歳になるというのに、ムダというか、バカというか、すごいです。
彼の昨日のブログはこれ。

今年50歳なのにばかばかしいことを真剣にやる天才

今年50歳なのにばかばかしいことを真剣にやる天才

【坪井秀樹の起業実験日記 いくつになっても「理由なき反抗期」より】

もしたかしたら、自分は遠回りしているんじゃないか?
今、努力していることは、実は無駄なんじゃないか?
今、やっていることに価値や意味などあるのだろうか?
頑張ってやっている自覚はあるのに、なかなか成果に繋がらず、そう思えてくることは、誰にでもあるのだと思います。

しかし、実はそれそのものが楽しいことであればやり続けるし、やっていく中で当初の目的とは全く違う気付きや発見があったりするものです。
意味もなく、ただやりたいからやった。
それ程強い純朴な欲求はありません。
絶対に無理だ。
そんなことして何の意味があるのか?
こう言われ続けながらも、ストローを繋げて、ちゃんとアイスティーを吸えるかどうかを真剣にやりながら、気がつけば、最低でもブログの一ネタになることだけは、ここに立証している訳ですよ(苦笑)。
ストローを、無意識のうちに普通に使うことしかできなくなった奴に限って、ブログを毎日書くなんてネタがない、なんて言ってるんです(苦笑)。

無駄は、価値となり得ます。
非効率は時として価値へと転換します。
不合理は、もしかしたら圧倒的な独自性となる可能性を持っているのです。

と、いうことを、保存した画像を見返しながら、考えたのでした(笑)。

坪井さんはいつもバカらしいことをやっているように見えますが実はすごい人です。
一からリサイクルショップ事業を立ち上げ、「ブックオフ」や「トレジャーファクトリー」などの大手が激しい競争をしている業界で、独自の事業展開をして、10年で会社を上場させました。
そして上場したと思ったら、あっさりその職を捨てて、役員を退任しフリーターになった。(あ、フリーランスが正解ですけど、なんとなくフリーターのほうが似合う)
まさに彼の価値観「面白くなかったら意味がない」ということを行動で示している。
思いっきりリスペクトします。

だから話していても尽きないくらい、面白いです。
名古屋駅に着くたびに、用もないのに会いに行きたくなる。
(坪井さんの事務所は名古屋駅裏商店街にある)

セレンディピティな状況を創り出す

「セレンディピティ」って言葉、最近よく使われるようになりました。

ウィキペディアによると

セレンディピティ(serendipity)とは、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。
何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」を指す。
平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運をつかみ取る能力のことである。
<ウィキペディアより>

なんとなくわかりますよね。
お客さまとの関係性を作り出すために、ブログを毎日更新していたら、マスコミからの取材があった、とか。
理論物理学のTVを観ていたら、まったくちがうマーケティングのヒントが天から降ってきたとか。
ある目的をもってやっていた行動が、まったくちがうところで、ちがう成果になったってイメージ。
これを「セレンディピティ」という。

どうしてムダと思われることを真面目にやるといいか。
それはこの「セレンディピティ」が期待できるからです。
そしてそこで発見した価値は「独自性」のあるものになる可能性が高いのです。

これからのビジネスを考えるうえでは、いかにムダと思われることが重要になる。
ビジネスで成功したかったら、ムダなことを真剣に考えて、ムダなことをすることだと思うわけです。

今の時代は以前の経済原理では説明できない消費が増えています。
たとえば、同じ製品だったら、価格の安いもののほうが売れる。
立地の便利な店が繁盛する。
シェアを獲得した製品が標準になる。
などなどの、今まで経済学で言われていた原理では説明できない消費。
人々は便益や効率や衡平とは無関係のところで消費している場合がある。
経済学の数字では表れにくい消費行動や製品がたくさん生まれています。

コミュニティの中でしか流通しないブランドとか、知る人ぞ知る大繁盛店とか、
価格や便益、質などのスペックでは売れない時代です。
楽しいから、面白いから、単純に好きだから。
そういうことがたくさん起きている。

今後、さらにSNSやスマホが普及すると、経済原理では説明できないような消費が増えると予想します。
だから、楽しい人や面白い人から買う。
楽しそうな店や面白そうな店に行く。
楽しそうなコミュニティや面白いそうなコミュニティに参加したくなる。
そういうコトです。
だから、一見仕事には関係ないことが価値になる。
だからムダなことが大事なんです。
ムダなことをするのがビジネス成功へのスタートになる。

「ムダなことをしましょう」って言っても、坪井さんのようなある意味の天才的な人はいろいろできるけど、ボクたち凡人はなかなか難しい。
ボクたちが鼻から氷柱を出した写真をアップしても、あまり説得力がないですよね
もしあなたがどういうムダをしたらいいかが分からない場合、一番いいのは仕事とはまったく関係がなさそうな、文化的なこと。
ここにムダのヒントがあります。

文化的なこと。
芸術的なこと。
これを体験することが大事だと思う。

芸術というのは、エネルギーがあります。
エネルギーがあるものに触れること。
小説を読む、芝居を観る、音楽を聴く、美術館に行く。

好きな小説がない場合、さまざまなタイプの小説を読んで、好きなものを見つけることです。
どの芝居を観たらいいかがわからないときには、芝居好きの友人に聞いたり、自分で調べてたくさん観ることです。
音楽、どれを聴けばいいかわからないときには、手当たり次第聴いてみること。
そのうち自分の好きな音楽が見つかります。
美術がわからなかったら、美術館に行って、実際に作品を見てみること。

効率化とか、マニュアル化とか、そういうものとは一見正反対に見えるもの。
それが大切になってくる。
商品のスペックや技術力の高さだけでは、もう売れない時代なんです。
残念ながら。

ビジネスで大成功するには「創造性」が必須になる。
創造性は競争や同一性からは生まれてこない。
思考と行動から生まれてくる。
創造性が発揮されると、あなたの言葉や商品もエネルギーをもつことになる。
そうしたら、あなたの会社や商品も、あなた独自の価値になるのです。

一見ムダと思えることをやってみましょう。
それが思わぬ価値の発見になることもあるのです。

まさに「セレンディピティ」なのです。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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