アルゴリズムと仲良くする人 奴隷になる人

AI時代に「自分の頭で考える」とはどういうことか

「自分の頭で考えましょう」

この言葉、昔からよく言われてきました。
でも、AI時代の今、この言葉の意味は、少し変わってきていると思う。


なぜなら、考えること自体は、AIのほうが圧倒的に得意だから。

情報を集める。
比較する。
整理する。
最適解を出す。

こうしたたぐいの「思考作業」は、人間よりもAIのほうが、正確で、速くて、おまけにAIは疲れない。
それは日頃からAIを使っている人だったら理解していることでしょう。

では、AI時代に人間が「自分の頭で考える」とは、一体どういうことなのでしょうか。

それは、何を問いとして立てるかを決めること。
AIは、問いがなければ動けません。
どんなに賢くても、「何を考えればいいか」は、自分では決められないってこと。

・これは本当に大事な問題なのか
・この問いは、自分の人生や商売と関係があるのか
・そもそも、なぜ自分はこれに違和感を覚えたのか

こうした「問いの感覚」は、データやアルゴリズムからは生まれない。
それは、体験や感情、失敗、遠回りなどの、人間の不完全さからしか生まれないもの。

自分の頭で考えるとは、「正解を出すこと」じゃないんだと思う。
迷っていいし、揺れていい。
結論が出なくてもいい。

むしろ、すぐに答えが出る問いほど、あまり考える価値はないのかもしれない。
そう思うのです。

AIが賢くなればなるほど、人間は「バカ」でいい。
というより、バカでいられる人間だけが、考え続けられる

それが、AI時代の「自分の頭で考える」ということだと思うのです。

アルゴリズムと仲良くする人と奴隷になる人

ぼくたちは毎日、アルゴリズムと一緒に生きています。

SNSのタイムライン。
おすすめ動画。
検索結果。
ネット広告。

気づかないうちに、「次はこれを見てください」と、画面の向こうから、やさしく誘導される。
問題は、アルゴリズムがあることではありません。

問題は、それを自覚しているかどうか。

アルゴリズムと仲良くする人は、こう考えています。

「これは便利な道具だよね」
「うまく使えば、視野も広がる」
「でも、決めるのは自分だ」

一方で、アルゴリズムの奴隷になる人は、こうなっていきます。

・流れてくる情報が世界のすべてだと思う
・自分の考えと違う意見を敵視する
・不快な情報を見なくなる
・だんだん言葉が強くなる

本人は気づいていません。
でも、思考の範囲は、どんどん狭くなっていく。
極限まで狭くなると、精神的におかしくなっていることと同義です。

アルゴリズムは、「あなたが長くそこに留まる」ことを目的にしています。
あなたがしあわせになるかどうかは、実はあまり関係ない。

そんなアルゴリズムの罠にハマらないために必要なのが、意識的にズレること

・あえて読まないジャンルの本を読む
・あえて会わないタイプの人と話す
・あえて効率の悪いことをする

文学を読む。美術館に行く。意味のない散歩をする。・・・等々

アルゴリズムから見ると、まったく理解不能な行動です。

でも、人間が人間でいるためには、そういう「ムダ」が必要なんだと思うのです。
アルゴリズムと仲良くするとは、言うことを聞くことではありません。

「そう来たか」と笑いながら、一歩横にずれてみること。
主導権を、自分の側に置き続けること。

それができる人は、AI時代でも、ちゃんと自由でいられる。
そう思うんですよ。
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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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「それ、怒られない?」
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ここで言う「バカ」は、
テストで0点を取ることでも、
何も考えないことでも、
仕事をサボることでもありません(笑)

むしろ逆です。

AIがどんどん賢くなって、
正解も、最適解も、
効率のいいやり方も、
だいたい教えてくれる時代になりました。

となると——
人間まで、そんなに賢くなくていいんじゃない?
という話です。

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