恐るべき! 反応率86%のダイレクトメール|加賀山代温泉宝生亭

顧客名簿はデータよりも好感度

サービス業は概ねそうですが、おなじみさんがたくさんいると繁盛します。
売上も増え、利益もよくなり、クレームが極端に減る。
サービス業は、おなじみさんとのつながりで成功するかどうかが決まると言ってもいいくらい。

ボクのお弟子さんで、石川県の加賀山代温泉で旅館を25部屋の温泉旅館を経営している、帽子山 宗くん。
経営が破綻した旅館を引き継ぎ、奥様でもある女将さんとともに、数年で大繁盛する旅館に変身させました。
「おなじみさんを死ぬほど大切にする」
温泉旅館が繁盛するためには、おなじみさんが命。
破綻した旅館を引き継いだ時に、そういう経営方針を変え、今では大成功している。

宝生亭の「おなじみさん」の定義がおもしろい。
消費金額や来店回数でのデータは取っていません。
おなじみさんというのは、女将が宴席に顔を出しているご長寿会や町内会や婦人会の皆様で、かつ女将と仲の良いお客様です。
宴席で、なんかこの人良いなぁ。。。と思った人と、顔を覚えてる人をファンというカテゴリーにして名簿化してます。

宴席で仲良くなったお客様から名前住所をいただき、チェックアウト後、女将さんが手漉き和紙の絵葉書を出します。
もちろん手書きのお手紙です。

ロジックより直感。
好きか嫌いか。
何度も利用してくれるお客さまでも、嫌なお客や、非常識なお客は別に大切にしなくてもいい。
そういう考え方です。
これはサービス業としては、実に正しいことです。

そういうファンの名簿に送ったダイレクトメールが、今までの旅館業界では考えもつかなかった、革命的なものでした。

「4月はヒマ!」と常連のお客さまに訴える

帽子山くんは、SNSやブログの発信も毎日やっていて、Facebookページやブログからもたくさんのお客さまがきてくれます。
デジタルが得意なんですね。
【帽子山くんのブログ】(参考になります)

さらにデジタルだけでなく、紙のアナログ販促物も、とても反応のいい、おもしろいものを作ります。

毎年4月がヒマな時期になります。
そこで常連のお客さまにダイレクトメールを送りました。
ちょうど北陸新幹線開通のタイミングにそのネタに触れ、宝生亭は北陸新幹線のお客さまではなく、今までのおなじみさんを大切にするということを強調しています。
女将の帽子山麻衣さんが書いています。

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「北陸新幹線が開通しても宝生亭は、今までのお客様を」
北陸新幹線が開通して石川県の観光業界は一層の集客ができるとわいていますが、私たちが第一に喜ぶことは、苦しい時に支えていただいた皆様がお越しいただけることです。

そしてそのお手紙の追伸。

四月はとてもお客様が少ない月ですので、お越し頂けるととてもうれしいです。子供たちの元気な姿を見に来てくださいね。

さらに宛名が入る表面には、4月のカレンダーが印刷されています。
4月のヒマな日カレンダーをつけましたのでご参考にしてくださいませ。
5月は連休以外まだ比較的空いています。

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裏表で21センチ×21センチ、カンタンには捨てられない厚紙。
さらに、美人女将と子どもが印刷されてるので捨てにくい。
このDMが届いた家では捨てられずに困って、壁に貼ってくれるようイメージしたそうです。
営業マンが確認したところ案の定、そういう方が多かった。

このDM、1200送って、その名簿からの4月の売上は300万円ほどになりました。
ご長寿会が主なので約300人です。
でも、長期(次の4月まで)で見るとそもそも仲の良いお客様なので、半分以上は来てることになります。

信者客には金バッジつきのDM

もう一つ紹介するDMは、さらに革命的に楽しく、革命的に反応がよかったものです。

ファンの名簿の中から、直感で選りすぐって「信者客」に送ったの金バッジDM。
これは宝生亭のスタッフが付けている、ネームプレートを、常連の信者客の名前で作って、それをお手紙に同封するというもの。

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それぞれのお客さまの名前が書いてあり、肩書きとかがおもしろい。

「あまり来てくれないけど 勝山大輔 様」
「フツー 清水雄一郎 様」
友人の娘さんの名前が書いてあり、
「たまには達也を連れてきてね 石井 美凪 御一行様」
石井達也さんが帽子山くんのお友達。
ちなみのボクの肩書きは「尊師」だった。

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このDMの反応率が86%だった。
100名に送って86組が宿泊してくれた。

全日本DM大賞でグランプリ

宝生亭のDMはすべて、企画からデザイン、製作まで、帽子山くんが自分でやっています。
最後に印刷会社に出すだけ。
広告代理店やデザイン会社はまったく関与していません。
お客様の心を知ってる人だけにしか出せないDMです。
そうじゃなきゃ反応なんてしてくれないようになってきてるのです。

この2種類のDMで、宝生亭は日本郵便が主催の
「第30回全日本DM大賞」でグランプリを受賞しました。
日本一に輝いたのです。

【第30回全日本DM大賞結果発表】

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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