昔のJR東海のCMに、現代社会の広告のヒントがあった

もはや「広告」は歓迎されない対象になっている

YouTubeで検索して、マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』の動画を見ようとしていました。
するとその動画の前に、ある飲料メーカーのビール系のコマーシャルが流れてきた。
やれやれ、と思っているうちに5秒たつと「CMをスキップ」が出てくるので、迷わずスキップしました。

こういう経験、YouTubeを見ていると誰でもありますよね。
よくあることです。
大抵の場合「スキップ」するでしょ。
どうしてかというと、目的の動画じゃないからです。
僕はマイルス・デイヴィスが見たいのであって、ビールのCMは見たくないのです。
みんな忙しいんだから、そんなの見ている暇ないんです。

スキップできるかできないか。
これがTV-CMとYouTubeのCMの違うところですよね。
ドラマの間に流れるTV-CMはスキップできない。
見なければなりません。
鬱陶しいって感じる人も多いはず。
だから録画して見たりする。
録画したらスキップできるからね。

このように広告は歓迎されない対象。
昔からそうだった。
テクノロジーが発達して、CMはスキップできるようになった。

だからCMはますます見てもらえない対象になっているってこと。
考えて作らなければなりません。
YouTubeの広告だったら、5秒以内に見ている人の心を捉え、その後見続けてもらえるCM。
なかなか難しいけど、YouTubeを見続けていると、結構見てしまう面白いものに出会うこともあります。
あとは、CMそのものがYouTubeなどの動画サイトで、繰り返し見てもらえるくらいの面白いもの、感動的なもの、そんな作品のようなCMを作る。

25年くらい前の「JR東海」のCMのようにね。
先日、FacebookでそのCMをシェアしました。
とても反応が良かった。
それをリライトして書きました。

JR東海クリスマスエクスプレス

12月になりましたね。
バブル期だったのですが、JR東海のクリスマスエクスプレスのコマーシャルが毎年話題になっていました。

山下達郎の名曲「クリスマスイブ」が全編に使われ、離れた恋人同士の、クリスマスの夜の物語が語られていきます。
当時のコマーシャルの中でも、間違いなく傑作の一つです。

山下達郎の「クリスマスイブ」は発売当時(1983年6月アルバム『MELODIES』に収録)
当時は地味な曲だったので83年の12月にシングルカットされたものの、オリコンの最高ランキングは44位だった。
ところがこのCMに使われて大ヒット。
1989年12月にはオリコン1位になった。
発売から1位獲得までの当時の最長記録(6年6か月)を持っている、ちょっと変わった曲です。(ここからYouTubeで見られます ↓ ↓ ↓)

今、こうしてYouTubeで、いつでも見られるのは嬉しいです。
僕はこの2本目の牧瀬里穂のヴァージョンが好きでした。
とっても可愛いかったな〜。
涙が出るほどいいです。
(これは画像です ↓ ↓ ↓)

恋人を待つドキドキ感の牧瀬里穂が可愛い

恋人を待つドキドキ感の牧瀬里穂が可愛い

キャッチコピーも良かった。

「帰ってくるあなたが、最高のプレゼント」
「ジングルベルを鳴らすのは、帰ってくるあなたです」
「どうしてもあなたに会いたい・・・夜があります」
「あなたが会いたい人も、きっとあなたに・・・会いたい」
「会えなかった時間を、今夜取り戻したいのです」

僕は4本目のキャッチコピーが好きでした。
「あなたが会いたい人も、きっとあなたに・・・会いたい」

200系の新幹線や公衆電話、自動改札じゃない駅員さん、携帯電話がない時代の恋。
ストーリー性のある60秒のCM。
こうなると広告じゃなく、ショートムービーですよね。

質の高いCMを作って、動画サイトで繰り返し見てもらえる。
今後、CMはこういう考え方で作るようになるんだろうなって思うのです。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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