以前書いた、自伝をブログ引越しにともない新しいブログにも載せました。
興味のない人は無理に読まないでね(笑)。
藤村正宏の自伝④
小学校のときには『神童』と呼ばれていたんですね。
これは本当のことです。
まったく勉強しないで遊んでいたのですけど、成績はとってもよかった。
たぶん、就学前から本が好きだったので、さまざまな本を面白がって読んでいたからだと思う。
漫画で解説している宇宙や自然の話の本。
子ども向けにしてある、文学。
マーク・トゥエインの『トム・ソーヤ―の冒険』とか、ジュール・ヴェルヌの『80日間世界一周』とかね。
あと、父親の本棚に並んでいた世界名画の画集。
『ゴッホ』『ピカソ』『セザンヌ』『ルノアール』『アングル』『フェルメール』『ユトリロ』・・・
小学校3年生くらいに、アングルの『泉』を見たときには、けっこうショックだった。
きれいな女性のヌード。
そういうのを描いてもいいの?
そんな感じです。
小学校6年の冬休みの自由研究は『ユトリロとパリの街並みについて』。
マセた少年だった。
小学校のときにはまったのは、推理小説。
最初に読んだ推理小説は、フランスの作家ガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』。
古典的な名作です。
密室で殺人未遂事件が起こる。
被害者は美しい令嬢。
18歳の新聞記者が、名探偵と勝負するという話。
密室のトリックは? 消えた犯人は? 意外な結末は?
今読んでも、かなり面白い小説です。
ガストン・ルルーっていう作家は、あの有名なミュージカル『オペラ座の怪人』を書いた人。
小学校5年のときに読んだのですが、こんなに面白い本があるのか?
目からウロコでした。
大人が読んでも面白い本を、文章をカンタンにして少年向きになおしている本でしたが、これが本当に衝撃的でした。
そのあと、次々と名作といわれている海外の推理小説を読みまくった。
アガサ・クリスティ、エラリー・クイーン、コナン・ドイル・・・いわゆる『本格推理』っていうやつ。
そんなふうに、北海道の東の果てで、ボクの小学生時代は過ぎていきました。
<つづく>
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藤村 正宏
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