BMWが実施した ありえないほど意外なマーケティングキャンペーン

SNS において「発信」より大切なこととは?

愛車の定期点検と修理をしていて、3週間近く代車を使っていました。
先週の土曜日、やっと完了したので、ヤナセBMWの世田谷支店に受け取りに行ってきました。
(画像はショールームに展示していた最新型BMW 5シリーズ、ちなみに僕の愛車はひとつ前のBMW 320d touringっていう車)

手続きを待っている間に、以前BMWのアメリカが実施し大成功をした、マーケティングキャンペーンのことを思い出した。

SNSがもはやインフラのようになった現代、従来のマーケティングがもう死にかけている。
不特定多数に大量に情報を流すマス・マーケティングが効果を発揮しなくなっているのかもな。

情報量が飛躍的に増えつづけ、しばらくはその流れは変わらないでしょう。
検索エンジンの精度が高まり、ボクたちは知りたい情報をカンタンに手にいれることができるようになりました。
毎日自動的にスマホやパソコンに送られてくるニュースは、もはや新聞さえ必要なくなるくらいです。

インターネット上の百科事典「ウィキペディア」は、日々情報が更新され、より詳しく、より正確になっています。
さらに、何千万人という人々が、毎日web上にコンテンツをアップロードしています。

少し前までは、企業は役立つ情報、有益な情報、見込み客が関心ある情報を発信することが大切でした。
でも、今は少し様子がちがってきています。
そういうコンテンツを発信することも、依然と重要なことなのですが、ただ役立つ情報を発信するだけでは充分じゃない時代になった。
あるデータによると生活者は、インターネットでコンテンツを閲覧する時間より、SNSなどで交流する時間のほうが圧倒的に増えている。

だから、これからのマーケティングを考える時には、人々がweb上でどういう行動をするのかを理解することが、とっても大切になってくるのです。
人々はweb上で、たくさんの人から情報を受け取り、また自信で発信し、さかんいコミュニケーションが行われている。
そして多くの人々は、ごく近しい人の情報をもとに、行動している。

2018年に出版した僕の本「3つのFが価値になる」<日経新聞出版>が予想していた通りになっている。

3つのF
Family Friend Follower
家族、友人、フォロワー

企業も生活者にただ「役立つ情報」を届けるだけではやっていけない時代だということ。
ただ発信して終わりではなく、その情報を受け取る人とコミュニケーションすることが非常に大切だということ。

そしてコミュニケーションは人と人との間で生まれるもの。
企業と人の間では生まれない。
だから、一方的な企業サイドの情報発信は、コミュニケーションではないのです。

今まででは考えられなかった意外なキャンペーン

お客さまに有益な情報を提供して、さらに交流する。
そして、その交流に、お客さまの親しい関係にある人々も巻き込むという考え方。

人々は誰しもいくつかのコミュニティに所属しています。

家族、友人、仕事仲間、地域社会、学生時代の友人、趣味やボランティアの団体、などなど。
コミュニティに所属していない人はほとんどいないわけです。
そして、誰しもそのコミュニティでは、多かれ少なかれ、影響力があるということ。

そういう考え方でBMWがアメリカで実施したミニクーパー(BMWグループのブランド)のマーケティングキャンペーンがあります。
このキャンペーンはSNS時代のマーケティングとして、とっても成功した事例です。
BMWはミニクーパーの新しいモデルを発売するときに、不特定多数の人々を対象にしませんでした。
クルマ好きの客でもなく、BMWの客でもありません。

すでにミニクーパーを持っている、オーナーさんにアプローチしたのです。
ミニクーパーのオーナーは、基本的にミニクーパーが好きです。
彼らの友人に影響を与えることができるのではないか。
ストレートに言うと、きっと新しいミニを、友人に勧めてくれるのではないか。
そう考えたわけです。

このキャンペーンは、今までのマス・マーケティングのキャンペーンより成功しました。
実に新しいマーケティングの概念です。

人は誰しも、誰かとつながっているのです。
そのつながりにアプローチして受け入れられると、マス広告よりも効果を発揮するわけです。

マーケティングの考え方を根本から変えなければ、企業も組織も個人も、これからの時代に順応できなくなる。
そういう時代。

お天気のいい夏の土曜日の午後。
BMWの世田谷のショールームで美味しいスタバのコーヒーを飲みながら考えていたのは、概ね、そういうことだ。

 

 

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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