瀬戸際に立たされている本たち
近所の駅に書店があります。
「啓文堂書店」
駅近くに用があったのでふらっと立ち寄ったら、店頭にこんな本棚が。
「瀬戸際の本棚」
なんだろう? と思って近寄ってみた。
出版社に返品するまぎわの本たちだった。
面白いなって思う。
こういう感じで遊び心を加え、商品を紹介している。
これも売るための工夫ですよね。
しかも売り込みぽさがない。
逆に良書があるんじゃないかって、じっくり見てしまった。
どういう意図でこんな本棚を作ったのかが書かれていました。
書籍の出版点数は年間約7万冊。
単純に365日で割るとして1日200冊ほどの本が出版されています。
棚は限られているため、新しい本が入荷すると売れていない本は出版社に返品されます。
<中略>
こんな返品直前の本に今一度の光を浴びせるべく、このコーナーに集めてみました。
題して「瀬戸際の本棚」
面白いですよね。
売れなかった商品をもう一度紹介して、お客さまに気づかせてあげる。
本の内容が悪いわけでなく、棚に収まらないから返品になっているんですよ。
だから、あなたにとっていい本があるかもしれませんよ。
そんな本に対する愛情も感じられます。
この棚を見ていて、僕はすでに買っている本もあったし、読みたいなって思った本もあった。
テーマでくくって展示する売り場。
本だけでなく、こういう売り方は以前からありますが、今でもとても有効だと思う。
季節のイベントや社会情勢でくくりテーマを決め、その関連商品を展示する。
「クリスマス」「ヴァレンタインデイ」「ホワイトデイ」「受験」「旅行」「母の日」「SDGS」「ピンク色の商品」などなど。
やっぱり世の中には売れる商品があるのではなく、売れる売り方があるんだなって改めて思った、啓文堂書店の「瀬戸際の本棚」でした。
藤村 正宏
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