顧客満足をどれだけ高めてもリピートしてもらえない
世の中には、リピーターが多い店とそうでもない店があります。
その違いは何でしょう?
顧客満足を高めていたら、黙っていてもリピーターが増えるなんてことはないのです。
なぜなら、顧客満足とリピーターには因果関係がないから。
お客さまはどうしてあなたの店に来なくなるのか。
それは、あなたの店を忘れてしまうから。
忘れられた店が選ばれるわけありません。
忘れられないように、思い出してもらえるように、既存顧客とコンタクトする仕組みをつくることが大切なのです。
その有効な方法の一つが、XやInstagramなどのSNSってことです。
僕がエクスマスタジオでセミナーや経営者塾をやったあと、懇親会はいつも同じ商店街にある「リバーサイゴン」を使います。
実はこのベトナム料理店は僕が住んでいる街に5店舗くらいあります。
自宅のマンションの、隣にもある。
店名は「チャオサイゴン」です。
同じ系列のベトナム料理店。
本格ベトナム料理が食べられて、どの料理も美味しい。
前から1年に1回くらいは利用していました。
でも、思い出した時に行くくらいだった。
ところがある日、X(当時はTwitter)をやっていることを知り、フォローしたんです。
それから、時々僕のタイムラインに流れてくるようになった。
そうすると「チャオサイゴン」のことを思い出す。
それまで1年に1回くらいしか行かなかった店が、フォロー後は1ヶ月に1回くらい行くようになった。
そうこうしているうちに、今の商店街にスタジオを作った。
すぐ近くに「リバーサイゴン」があるのを知りました。
そして利用してみた。
Instagramもフォローしました。
今度は「リバーサイゴン」の情報が僕のInstagramに流れてくるようになった。
さらに、リバーサイゴンを利用したお客さまたちの投稿も見るようになり、新しい季節のメニューを知ったり、イベントを知ったりする。
それでリピーターになっていったわけです。
そのうち、懇親会に利用するようになり、今では個人的な利用も含めると、年に30回以上、利用させてもらっています。
市場シェアではなくマインドシェア
もしあなたの会社に、既存顧客との関係性を作りだす仕組みがなかったら、すぐにでも作ることです。
それは新規客獲得の活動より、優先的にする必要があるのです。
お客さまの生活の中に、あなたの会社や店がどれだけ存在できるか。
お客さまの心の中に、あなたの会社や店がどれだけ占有できるか。
まさに、市場シェアよりも、お客さまのマインドシェアを高めることが大事なのです。
売上を見るよりも、お客さまのほうを見ましょう。
しっかりと顧客満足を高め、忘れられないような努力をすることです。
リピーターが多い店っていうのは、その仕組みを作っているのです。
お客さまに忘れられないために、さまざまな方法があります。
ニュースレター、スタンプカード、お手紙・・・中でも一番気軽にできて、効果絶大なツールがSNSなのです。
これからの時代、主流になるビジネスは、顔が見えるお客さまと関係性を築いていくこと。
これがビジネスの真理です。
ビジネスの基本に返って考えて行動することです。
時代は、情報の多様化・複雑化、競争原理・戦い、利己的価値観、利益至上主義、安全・安心が得られない、人間関係・地域関係の希薄化、社会的不安などがあるので、簡単に言うと……
わずか10年前後で、心の豊かさが感じられない疲弊した社会になってしまった。
だから人々は無意識的に心の豊かさを求めている、ということです。
このことを認識しないと、これから何をやっても逆効果になっていくことが増えてきます。
あなたのビジネスが、世に役立つ力を発揮することです。
自分の利益だけを考えている、そんな時代ではないのです。
個の利益、自分のしあわせばかり考えていると、会社や自分が崩壊する危険もあります。
自分のしあわせばかり考えるのではなく、みんなのしあわせを考える。
そういうビジネスが成功する時代なのです。
藤村 正宏
最新記事 by 藤村 正宏 (全て見る)
- 10月29日(火) 塾生限定セミナー 映画で知る「宗教が変えた世界史」 - 2024年9月18日
- ウーバーイーツやiPhone等の新しいものは「創造力」の賜物 - 2024年9月14日
- 10月12日-13日 演劇祭「上野歓楽街演劇市」|劇団藤村組公演「東京月光奇譚 汚れちまった悲しみ」 - 2024年9月9日