スマホとSNSの登場で、世界は静かに、でも確実にひっくり返りました。
気づいている人は、もうその変化にのって進んでいるけれど、
まだ「昔のやり方」でがんばっている人も、たくさんいます。
今日はそんな変化について、できるだけやさしく、
そして、あなたのお店やビジネスの役に立つように書いてみようと思います。
「全国のみなさん!」の時代が終わった日
昔は、情報を届けられるのは「声の大きい人」だけでした。
テレビ、新聞、ラジオ、雑誌。いわゆる“マスメディア”を持ってる人たち。
たとえば、
「全国の皆さん!新商品が出ました!」
「新しいお店がオープンしました。来てください!」
そんなふうに、大きな企業が大きな声で、大きなメディアを使って情報を届けていた。
でも、いまはスマホがあって、SNSがある。
“ふつうの人”が、自分の言葉で世界に話しかけられるようになったんです。
雑貨屋さんの話と婦人服のブティックの話
たとえば、ある町の雑貨屋さん。
インスタグラムに載せたのは、商品そのものよりも「ブローチを作ったおばあちゃんの話」。
「会ってみたい」と言ってお客さんが来てくれた。
買い物じゃなくて、物語に会いに来てくれたんです。
また、ある婦人服のブティック。
50代からの女性が似合う、着心地のいい服ばかり揃えてる。
SNSで「年齢を重ねたからこそ似合う服もあるんです」と投稿したら、
「それ、わかります!」ってコメントがどんどんついて、
電車で2時間かけて来店した人もいました。
こういう“たったひとり”とのつながりが、
ゆっくりじんわり広がって、ビジネスになっていくんです。
マスより「つながり」
「でもやっぱりテレビの影響力ってすごいですよね」
って、よく言われます。たしかに、一度に何十万人、何百万人に届く力はあります。
でも、テレビに出ても、その日だけなんです。
次の日には、もう別のお店が特集されて、昨日の話題は忘れられてしまう。
だから、いちばん大事なのは「そこからどうつながるか」。
SNSに来てもらって、関係を育てていくことが、これからの時代の鍵です。
SNSのフォロワーが200人とか300人とか、
小さく見えるかもしれないけど、じつはぜんぜん小さくない。
その200人が、また誰かとつながっていて、
それぞれが発信できる存在だったら──
それは、昔のマスをしのぐような大きなうねりになることもあるんです。
「すごいSNS」じゃなくて「変わった世の中」
ぼくが言いたいのは、「SNSをやろう!」ではありません。
「世の中が変わった」っていう事実を、ちゃんと受け止めよう、ということ。
昔のままのやり方では、もう通用しないことが増えてきてる。
逆に言えば、今の時代に合ったやり方をすれば、
ふつうの人でも、ふつうのお店でも、ちゃんと届くんです。
「あなた」に向けて書くということ
「全国のみなさん」じゃなくて、「あなた」へ。
そんなふうに思って書くSNS投稿が、いちばん人の心に届く。
たったひとりと、ちゃんとつながる。
そのひとりが、また次の誰かを連れてきてくれる。
そうして、広がっていく。
これが、これからのマーケティングのヒントです。
フォロワー数を求めなくてもいい
SNSって、フォロワーの数じゃなくて、
「その向こうに誰がいるか」のほうが、よっぽど大事です。
この話が、あなたの発信や、ビジネスのあり方を見つめ直す
きっかけになればうれしいです。

藤村 正宏

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