『森の謌』のBarは『ウォールデン森の生活』がコンセプト
僕のクライアント、北海道の鶴雅グループに『森の謌』というホテルがあります。
札幌市の郊外、定山渓温泉にあるホテルです。
公式ホームページにこのホテルのコンセプトがあります。
ここは、北海道札幌の奥座敷、
定山渓温泉に佇む、定山渓 鶴雅リゾートスパ 森の謌。
豊かな森と穏やかな空気に包まれた空間は
まるで森の中のオアシスのよう。
森の謌ならではの遊び心を
愉しみながらごゆっくりお寛ぎください。
このホテルの1階にあるBar『森バー』は落ち着いた、隠れ家みたいなBarです。
ヘンリー・D・ソローの世界的な名著
『ウォールデン森の生活』という作品がコンセプトになっている。
この作品は、200年近く前に書かれたものですけど、現代社会に生きる僕たちに、多くの重要な示唆を与え続けていると言われています。
この作品、僕も好きです。
今日は
『ウォールデン森の生活』
を、わかりやすく紹介しますね。
森に入ってみたら、人生の音が聞こえてきた ウォールデンの小屋が教えてくれた、静かな暮らしのヒント
ある日、ヘンリー・D・ソローという人が、森に入っていった。
都会の喧騒から少し離れた、ウォールデンという名の池のそば。
そこに自分でこしらえた小さな小屋を建てて、畑を耕し、自然の声を聞きながら、じぶんの暮らしを始めた。
理由はシンプルだった。
「わたしは、慎重に生きたかった。」
きっと、いちど立ち止まって、この“人生”というものを、ちゃんと味わってみたかったのだ。
豊かさって、ほんとうに必要?
森での生活は、最低限だった。
お金もモノも、あまりいらなかった。
でもね、不便じゃなかった。
むしろ、その「足るを知る」暮らしこそが、じぶんを自由にした。
ソローは、こんなふうに語る。
「人は、そんなに働かなくても生きていけるんじゃないか?」
自然と話す時間は、じぶんと話す時間
ソローは、鳥の声を聞いた。
風の音、木々の揺れる姿、水面に反射する月の光。
そうした「静けさ」のなかに身を置くことで、彼は“考える”ことをやめ、“感じる”ことに身をゆだねていった。
「森は、しゃべらないけど、たくさんのことを教えてくれる」
自然のリズムに合わせて生きてみると、あれこれ“足さなくても”、もう充分だったことに気づいていく。
“ほんとうの自分”に会いにいく旅
『ウォールデン 森の生活』は、哲学書ではありません。
日記みたいで、随筆みたいで、でも実は“人生の取扱説明書”みたいだなって思う。
ソローが伝えたかったのは、「森で暮らすといいよ」ということではなくて、
「外に答えを探すより、じぶんの中に耳を澄ませよう」
っていう、生き方の提案だった。
いまこそ、「立ち止まる勇気」を
スマホもネットもなかった時代。
でも、彼はきっと今の時代にも通じる「本質」を見ていた。
僕たちは、速くなりすぎた。
何かに追われてばかりで、気がついたら息をするのも浅くなっていた。
だからこそ、いま読むと、じぶんに気づける。
時間に追われ、仕事に追われ、何かに追われて息が浅くなっている、そんな現代の人たちに読んでもらいたいな。
この『ウォールデン』という本を
べつに森に引っ越さなくてもいい。
だけど、「立ち止まる」「耳を澄ます」「自分の人生を生きる」。
そのきっかけになる一冊です。
ぜひ、静かなBarなどで、読んでもらいたいな。
あなたにとっての“森”は、どこにありますか?

藤村 正宏

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