多数決で決めてない? 「全員一致」ってけっこう危ない
たとえば──
あるIT企業の話。
10年続いた業務支援ソフトが、売上低迷。
若手社員が「サブスク型の小さなアプリにして、UIもまったく新しくしませんか?」って言い出した。
するとベテランたちは言いました。
「そんなの、今の顧客が困る」「うちの強みを壊すな」
多数決を取ったら、もちろん却下。
でも彼は諦めなかった。
休日を使ってプロトタイプを勝手に作って、
社内でこっそりテスト導入したら…
使った人が口を揃えて「こっちのほうが使いやすい!」
そこから流れが一気に変わって、会社の主力商品がアップデートされた。
要するに、革新って、少数派の熱からしか生まれないってこと。
少数派の中にしか「変化の芽」はない
たとえば──聞いた話ですが。
ある地方の老舗和菓子屋さん。
三代目の若旦那が、「うちのあんこをアイスにしたい」って言い出した。
もちろん最初は大反対の嵐。
「和菓子屋がアイス?バカじゃないか」
「そんなの、おばあちゃんたち買わないよ」って。
でも、彼はこっそりクラファンで試作品を出したら…
若い人に大ウケして、観光地の人気商品になる勢い。
つまり、みんなが「それいいね!」っていう案って、
たいていは「波風立てない」ってだけ。
心を動かすものは、たいてい“変なやつ”から始まるんだな。
なのに僕たちは、
「みんながそう言ってるから」って安心しちゃう。
「前もそれでうまくいったから」って過去にしがみつく。
いやいや、過去は頼りにならない時代なんだよね、ほんとに。
たとえばもうひとつ。
ある町工場の社長さん。
昔は大手メーカーの下請け一筋だったけど、値段競争に疲れ果てて、
思い切って“町工場のオリジナルブランド”を作った。
溶接技術を活かして、アウトドア用品 “自社ブランド”のキャンプ用品を売り始めたんです。
これも最初は「そんなことやってどうすんの」と言われたけど、今やキャンプ好きの間で“かっこいい工場ブランド”として注目されてるらしい。
インフルエンサーから取材がくるほどね。
「こうあるべき」を疑う
それって全部、「反対されそうなこと」をやった人の話です。
でも、そういう“異物”みたいなアイデアが、時代を前に進めている。
だから、思うんです。
自分の“常識”って、もしかしたら、
“その場をラクにやり過ごすための思考停止”かもしれない。
みんながYESって言うときは、
ちょっとだけ、「ん?」って首をかしげてみるのも、大事です。
気づかないうちに、僕らは“思い込み”で生きている。
でも思い込みは、時代が変わったときに真っ先に邪魔をする。
「それって、本当に今も正しい?」
ときどき、自分に問いかけてみるといい。
大切なのは、
ともかく、やってみること。
失敗したら、変えればいいんだから、ね!
その柔らかさが、いちばん強い時代。
今の世の中、変わらないほうが、怖いよ。

藤村 正宏

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